老犬さんのお誘いは、つい気を回してしまう
私にとっての老犬は
またうちの愛犬ラフのことについて触れたいと思う。
一般的に言うと大型犬は老化が早い。ゴールデンレトリバーの場合はどうかというと、7歳くらいから顔だけが白くなって、柔和になってく。
犬は近年急速に長寿になった。昔の7歳は老犬だったが、今は平均的に言えば7歳は壮年か中年くらいだろうか? だから年齢は感じるのだが、まだ老化という実感はそれほどない。老化を身につまされるのは、もうちょっとたってからだ。
最初はそう感じたとしても、打ち消すことができる。
「いやいや、この子はまだまだ」と。
実際にラフは、世の中で老犬と呼ばれる年になっても食欲旺盛だったし、散歩も大好きだった。どちらかというと、犬でもう一つ例えられる言葉、『永遠の三歳児』の方がイメージが近かったのだ。人間年齢を換算すると、もう自分をはるかに追い越しているのに、いつまでも『この子』なのである。
老犬(シニア犬)と暮らしている|愛犬が闘病中、または介護中|愛犬が亡くなってしまった|他の飼い主さんのことが知りたい|皆さんの頑張りをみて、元気をもらいたい
No.9は、ぴい助さん
No.6のハルさんに、老犬アルバムにご参加いただいた頃のお話です。
その頃私はTwitterで、とても気になる子のツイートと出会いました。それは白くなったお顔が優しい秋田犬とゴールデンリトリバーのmixの子でした。大型犬のその子は、骨肉腫で右前脚を断脚して、3本の脚で歩く練習をしていたのです。
車椅子に乗ったり、補助ベルトをつけて歩いたり。日に日に歩くのが上手くなっていく様子に、全てを受け入れて生きる犬の強さを見せてもらっている気持ちでした。
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この子に、老犬アルバムに出てもらいたい――
それがNo.9のぴい助さん通称ぴいちゃんです。15歳9カ月になったぴいちゃんの飼い主前田るりさんにお願いしてみよう、そう決めるまで時間はかかりませんでした。
前田さんはシンガーで、時折ご自身のライブの写真もツイッターに掲載されています。その写真がまたとても素敵で、情感のこもった歌声やギターの音が、今にも聞こえてきそうなんです。その前田さんと、逞しく生きるぴいちゃんの姿が重なります。
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どんなご返事をいただけるだろうかと、半分は期待を込めて、半分は恐る恐るDMをお送りしてみた私。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
前田さんは、二つ返事で快諾してくださいました。
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ぴいちゃんの老犬アルバムカードをご紹介ツイートには、海外の方からもコメントが入ったことが印象的でした。3本の脚で前を真っ直ぐに見据えるぴいちゃんの姿が、言葉の壁を超えてその方の心を震わせたのかもしれません。
No.10は、まろんさん
No.10のまろんさんも、私からお誘いした老犬さんです。
まだこの頃の老犬アルバムは、ご応募いただくよりも、私からお誘いすることの方が多い時期でした。
私には、同じ県内に暮らすビーグルと暮らす、”ビーグル好きの歌詠み”さんという、恩人のような方がいらっしゃいます。歌詠みさんは、ツイッターをはじめたばかりで何も分からなかった私の記事ツイートを、いつもリツイートしてくださった優しい方です。
歌詠みさんには、素敵なビーグル仲間の方々が沢山いらっしゃり、そんなお仲間方々の中で、私が思い切ってお声かけしたのが、その時15歳4カ月だったまろんさんでした。
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私には大好きな老犬さんが沢山いるのですが、誰にでも声を掛けられるわけではありません。自分で経験したから分かるのですが、老犬さんは体調の浮き沈みもあるので、お世話をする飼い主さんも大変です。
今お声がけをしたら、ご迷惑かもしれないな?
お仕事も忙しそうだから、今でない方が良いかな?
ご返事がもらえなかったらどうしよう?
などとグルグルと考えだけが巡ってしまって、結局、お声がけするのは「今だ!」と思えた時だけ。結局、ほんのわずかな方だけになってしまうのです。
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さて、そのまろんさんですが、少し白くなってほっそりしたまろんさんは、まさに老犬さんという雰囲気。ママさんは、私がお誘いしたその日のうちに、写真とメッセージを送ってくださいました。
ああ、良かったと、ホッとした瞬間でした。
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これがきっかけになって、それからビーグルさんには、沢山老犬アルバムに出ていただくようになりましたが、まだまだお誘いしたい方々が沢山いらっしゃいます。
これからも、少しずつお声がけをしていこうと思っています。
ビーグルに限らずですが、こんな感じでどうにも躊躇しがちなタイプの私です。
「参加するよ」と思っていただいた飼い主さんは、どうかご連絡をお待ちしています。
No.11は、けんたさん
次のNo.11のけんたさんも、私からパパさんにご連絡させていただいて、お誘いをした老犬さんです。いつも見ていたパパさんのツイートは、けんたさんへの愛情が溢れていて、見る人の気持ちを穏やかにするものでした。
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老犬アルバムへのご参加のお願いをする数ヶ月前、私には印象深い思い出があります。それは小雨の降る中、パパさんが仕事から自宅に帰ってきたときのツイートでした。
いつもように奥様とけんたさんが居てくれることは、なんでもないようで、とても大切でかけがえのない生活だなというようことを、ぱぱさんが書いていたのです。ご家族との日常をあらためてこのように呟けるパパさんのあたたかいお人柄が伝わってきて、ついそのツイートにメッセージを入れたことが忘れられません。
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そんなパパさんに愛されるけんたさんに、是非老犬アルバムに出ていただきたいと考えご連絡をしたのでした。
「ご丁寧なメッセージをありがとうございます。もしけんたも仲間に加えていただけたらとても嬉しいです」
パパさんからはこんなお優しい返信が届き、一緒に、はじけるような笑顔のけんたさんの写真が添えられていました。
こうして老犬アルバムNo.11は、思いやりのあるパパさんの愛情を一身に受けた、愛らしくてぬくもりのある、けんたさんの笑顔が印象的なカードになりました。パパさんは、老犬アルバムをいつも応援してくださっていて、老犬アルバムに関するツイートを必ずリツイートしてくださいます。けんたパパさんは老犬アルバムにとって強い味方なんだなぁと感謝しながら、勝手に身近に感じている存在です。
No.12は、チャベスさん
No.12のブルテリアのチャベスさんは、主宰のブログ仲間の愛犬さんで、お空組さんです。No.7のブルテリアの鼻ちゃんが亡くなって数ヶ月後、チャベスさんもお空に旅立ちました。
そんなチャベスさんのブログにお邪魔すると、ボールが大好きだったチャベスさんが、生き生きとした表情でボールの隣にいる写真があります。
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ブルテリアらしい溌剌としたイメージ通り。老犬さんになって柔和なお顔になったチャベスさんが、夢中でボールを咥える写真のカード。
つぶらな瞳がなんとも言えず可愛らしいものになっています。
さて次は
次回はNo.13カイさんのエピソード。
カイさんは老犬アルバムの数ヶ月前に、別のことでママさんとやり取りをされてもらったことが印象に残っています。
詳しくはまた次回に。
――つづく――
文:樫村 慧
▶ 作者の一言
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――次話――
次話は、No.13の海(カイ)さんの思い出から始まる3話です。
海(カイ)さんは、笑顔が素敵なワンコ。
以前にママさんと、妊娠中の野良猫の保護の事でやりとりをしていました。
ママさんは動物皆に優しいんです。
この頃から、老犬アルバムは応援してくださる方が増えてきました。
――前話――
前話は、No.6のハルさんの思い出から始まる3話です。
ハルさんは大好きな老犬さん。思い出深いです。
今、老犬を飼っていない私が、老犬さんを応援することに自信を持つことができたワンコ。この頃は色々と悩みながらの配信でした。
ハルさんのカードを作って、「これでいいんだ」と思えるようになりました。
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この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――この連載の1話目です――
第1話は老犬アルバムがスタートした経緯をお知らせします。
老犬アルバムのスタートは、一匹の大型犬、タフィさんが旅立った時の飼い主さんの言葉がきっかけです。「大きくて優しい子、ありがとう、大好き」その一言が忘れられませんでした。どうしてもそれを、何かの形に残そうとカードを作りました。
大きくて優しい子が、老犬アルバムを作ったんです。
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老犬アルバムのご応募方法はこちらです
老犬アルバムに必要なのは、下記の6つの情報だけです。
①愛犬の名前
②愛犬の年齢(~カ月まで分かると尚良し)
③飼い主の名前(~ママとか、ハンドルネーム)
④小型犬、中型犬、大型犬の区別
※人間年齢を換算するために必要です。
※超大型犬は大型犬、超小型犬は小型犬で換算します。
⑤愛犬への一言、または、愛犬からの一言
⑥お気に入りの写真1枚
下記(担当:樫村慧)にDMをお送りください。
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老犬アルバムと老猫アルバム
老犬アルバムはここからスタートしました。
長老のハリー君は2019年6月20日に17歳の誕生日を迎えて、人間年齢124歳です。
でも、犬は何歳になっても子犬のようです。
老犬アルバムは51匹目からVol.2に突入しました。
開始当初は51匹は遠い未来でしたが、沢山のご応募のお陰です。
犬は子犬や、成犬の頃には見せなかった姿を、老犬になってみせたりしますね。
毎日が新しい発見です。
老犬アルバムは101匹目からVol.3です。
飼い主が家に帰っても、ずっと寝たまま。若い頃はお迎えにきたのにね。
しかし、その寝姿がまた愛おしく感じます。
時々頑固者になるのは、人間と同じですね。
老犬アルバムの猫版。老猫アルバムです。
犬と猫の違い-――、猫歳をとっても見た目が変わらないので、絵にかいたような老猫というのがいないんですね。飼い主さんの心の中で、この子も歳をとったなあと思ったときが老猫。老犬よりもカードの数は少ないのですが、どの子も飼い主さんの愛情いっぱいです。
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励ましてあげたいんです。でも、どんな言葉を掛ければいいのか?
経験した人なら分かりますね。悪気なく、心からの思いで掛けた言葉が、時に相手を傷つけてしますのです。
いつも散歩道で会っていた、土佐犬リンんちゃん。
いつしかそのリンちゃんは、散歩道に現れなくなりました。飼い主さんが人と会うのを避けるようになったのです。大型犬で闘犬の血が流れたリンちゃんには、いわれのない偏見の目が合ったのです。