老犬介護はポジティブ思考で
介護で感じがちなこと
「モー、いや!」
「モー、何とかして!」
「モー、モ――、モ――――!」
老犬介護中の皆さん、牛になってはいませんか?
私もたまにはなるんです、人間ですからね。
でも、それもたまのこと。普段は何事も前向きに、楽しい方向に考えるようにしています。
介護とはいらいらするもの
そもそも、誰かの面倒を見る。ということは必ずストレスが伴うものです。
介護対象が愛犬であっても、実母であっても。介護でなくても、子育てだって。
自分のことは、誰かが世話してくれるわけではないですからね。
●
自分のことをやりながら。時には疎かにしながら、大切なもののために尽くす日々。
ネガティブになっていくのって、とっても簡単なことなんです。
こんな私も、お恥ずかしながら、育児ノイローゼ経験者。
介護の初期には
日々の介護生活の中で、ネガティブになっていくことほど、結果的に自分を苦しめることはないと思うんです。
イライラしていること自体が、本当は嫌じゃないですか?
最愛の愛犬のはずなのに、心の中でつい「こんな生活、早く終わってくれ」って考えてしまい、自己嫌悪に陥る。そんな経験はありませんか?
私も介護初期、睡眠不足から気持ちに余裕がなくなって、ほんの一瞬、そんな考えがよぎってしまいました。まさに、自己嫌悪。それはとても後味の悪いものでした。
HOW TO?
ポジティブになるのは、どうしたらいいのか?
それは、いろんなことを諦めること(笑)
私の一番最初の諦めは、「睡眠」でした。
もう眠れなくていいや、そう思ったことで、大幅にストレスが減りました。
●
例えば、「今日は誕生日だから、何かもらえるかな?」なんて思っていると、貰えなかったときに大きなショックを受けます。でも「今日は誕生日だけど、おめでとうっていわれればそれだけでうれしいな」なんて考えているところにプレゼントを貰えると、飛び跳ねるほど嬉しくなる。
睡眠に対しても同じで、「眠りたい」と思っているときに眠れないとイライラするけれど、「もう一緒にいつまでも起きててやる」と思っている時に、予想外に眠れる時間ができると、嬉しさは何倍にも感じるんですよ。不思議ですよね。
●
そしてもう一つは、自己催眠。思い込みです。
私の愛犬Mackは、介護期に突入してから恐ろしいほどにわがままで、寂しがりやになりました。
少しでも私がそばを離れれば、呼び戻すように吠えるし、気に入らないことがあれば、首を後ろへグ~ンとのけぞって抗議したり。
でも、私は彼とのそんな日々を「彼に今までのお返しが出来る機会を作ってくれているんだ」と思っています。
●
私が小学生の頃から一緒に居てくれた弟のようなMack。
ですが、時には兄のように、また父のように、いつも私の味方をしてくれて、いつも慰めたり、励ましてくれていました。
だから今度は、私に同じことをやらせてくれてるんだ。
そう思うと、日々の介護も「ありがとう」という気持ちになっていくんです。
過去の自分を思う
話は変わりますが、私はいじめられっ子で、中学校・高校……特に中学時代は一部からでしたが酷いいじめを受けました。
大人になってからも、その日々を思い出してしまう度、助けてくれなかった先生や、いじめっ子たちへの黒い黒い気持ちばかりが大きく成長し、中学時代の思い出は『悪い思い出』として私の中に根付いてしまっています。
●
介護にしても、ネガティブなことを日々考えていると、後になって考えた時、ネガティブなことばかり思い返されて、折角の愛犬との記憶が、あまりいいものではなく、後悔ばかりの記憶になってしまうのではないか?と思うのです。
●
私は、まだ愛犬を亡くしたことがありません。
だから、いざそうなった時、自分がどうなるのかはわからないけれど、きっとネガティブに介護を続けていたら、後悔することばかりが思い浮かぶんだろうな、と感じるのです。
だけど、前向きに考えるようにしていれば、思い出した時に、笑顔でMackと過ごした日々が蘇ることになります。
だから、自然と、介護に対する迷いなんか微塵もなく沢山Mackに尽くせた、と思えるのではないかなと__
Mackも、介護を悔いるより、介護をしたことを誇らしく思ってるほうが、喜んでくれるのかな?なんて思っています。
ポジティブに楽しもう
「モー、どうにかして!」
「モー、眠らせて」
牛になっているあなた。
無理矢理にでも、ポジティブになって介護を楽しんでみませんか?
それは、愛犬のためにも、自分のためにもなるとおもいます。
少しでも永く、永く、この介護生活が続けられますように……
どうか、この想いが皆さんに届きますように……
――了――
文:奥村 來未
▶ 作者の一言
▶ 奥村 來未:他の記事のご紹介
Follow @19990526Mack
●
この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。
●
奥村來未さんの記事 - 老犬は可愛さの宝石箱
愛犬の介護をしたことはありますか?
愛犬はいつも飼い主を信じて、じっと見つめています。
見えない絆に気付く時です。
どんな状況になっても、楽しみも喜びもあります。
楽しめるか? 喜べるか?
それだけのこと。
例えば、寝相アートがその助けになるかもしれません。
老犬の可愛さを感じるには、ある種の気付きがいるように思います。
それまで出来たことが、ある日急にできなくなる。
階段を下りるように――
しかし、それを心配し、嘆くのは飼い主だけ。
犬は全てを受け入れて、前向きに生きる。
ありのままで良い、一緒に生きよう――
そう思った時にはじめて、視界が開けるような気がします。