犬を飼うということ

Withdog 犬と飼い主の絆について

【劇症肝炎】8月17日|早朝 ~これまでの経過をまとめると~【闘病記】

【関連コンテンツ】

ピーチーの闘病記:劇症肝炎編  f:id:masami_takasu:20171110034759j:plain

撮影&文|高栖 匡躬
 
当時を振り返り

愛犬ピーチーの突然の劇症肝炎。慌ただしく過ぎた1日が過ぎました。

ピーチーをDVMs(動物医療センター横浜)のER(救命救急)に残して飼い主は帰宅。その日の夜は、心配で仕方がなかったのですが、早めに寝る事にしました。翌日から始まるであろう、より深刻な状況を考えると、体を休めておくことが最善の策と思ったからです。

そして、一夜が開けました。

こんな方に:
愛犬が劇症肝炎|愛犬が急性の炎症性疾患|免疫疾患の可能性もある|治療方針の決断を迫られている|選択肢が乏しい|かかりつけの医師に任せるのが良いのか?|経験者の体験談を聞いてみたい

 8月17日、早朝

お早うございます。
久しぶりに熟睡しました。

起きたらすぐにお風呂の電気を点けて(注1)、それからピーチーのトイレを確認……
いつもやっていたルーチンワークを、ついついやってしまいました。

昨夜、DVMsから電話が無かったということは、ピーチーは無事に夜を越したという事。
あと2時間弱でピーチーに会えます。

 

 これまでの経緯

f:id:masami_takasu:20171110040332j:plain

このところ、目前で次々と起きる新しい出来事に対処するので精いっぱいで、落ち着いて全体を俯瞰することができませんでしたが、これから医師と治療方針を相談するにあたり、自分なりの考えを整理しておく必要があります。

4月9日にピーチーが初めて、てんかん発作を発症して以降、次々と色々なことが起きました。具体的には主に下記のようなことです。

てんかんだけでも次の経緯

 

■初めてのてんかん発作 
ここでは何も治療せず。ピーチーはすぐに回復後、いつも通り元気一杯

■2度目のてんかん発作
1回目から1か月後に起きた重積発作。
この時は、一時的な記憶障害だ出るほどひどかった。

■3度目のてんかん発作
抗てんかん薬の投薬を開始しているにも関わらず、1か月後にまた重積発作
このときも、一時的な記憶障害

■4度目のてんかん発作
薬の種類を追加しているにも関わらず、約2週間で発作
明らかに悪化している。

■5度目のてんかん発作
新薬イーケプラの頓服で安定したかに見えたが、薬が切れた2日後に発作

■6度目のてんかん発作
5度目と同じで、イーケプラの頓服切れた2日後に発作
もうイーケプラしか効いていないのではないかと思うほど。

それ以外に起きていること

(7月に入って目立ち始めたこと)
・四肢の麻痺が急速に進行。特に後足のナックリング
 →ヘルニア(馬尾症候群)との診断
・左の後足の筋肉が急速に減退
・現在は歩行困難
・そして劇症肝炎

 

 分かっていること

これらを引き起こしているのが、一番に恐れていた脳腫瘍(注2)でないことは分かっています。細菌性の脳炎でもありません。つい数日前までは、血液の状態も異常なし。何も目立った病変が無いにも関わらず、このように次々と色々なことが起きるのは、たまたまの偶然なのか? それとももっと大きな原因があるのか?

今はまだ素人考えですが、自己免疫不全が根っこにあるように思えてなりません。何しろ、1年とちょっと前までは、僕が乗っている自転車を、犬ぞりのように引っ張って散歩していた子なのです。何も理由なく弱っていくとは思えないです。

今後のことは、全て今日の医師との面談結果次第です。
僕としては、どんな結果でも良いから、ピーチーに長生きしてほしいと願うだけ……
また、今日の結果はご報告します。
(注1)

ピーチーは体調が悪いと、人目を避けるようにして、暗いお風呂場に行ってじっとしていました。その頃は、毎朝お風呂場の灯りを点けて、ピーチーの様子を確認するのが日課になっていました。

(注2)

ピーチーのてんかんの発作は、専門医の診立てとしては当初、諸々の状況(四肢の麻痺、視野の狭窄、眼球の光への反応、記憶障害など)から、脳腫瘍に起因することがほぼ確実と思われていました。

そのため、病気の進行を確認するためにMRIを撮ったのですが、全く脳には病変が見つかりませんでした。

 

――【劇症肝炎】闘病記・つづく――

文:高栖匡躬
 ▶プロフィール
 ▶ 作者の一言
 ▶ 高栖 匡躬:犬の記事 ご紹介
 ▶ 高栖 匡躬:猫の記事 ご紹介

――次話――

面談した医師が言いました。
「難しい状況になってきました」
つまり、予断を許さぬ状態ということです。
選択肢は外科手術と、内科療法。
医師の薦めは外科手術での原因究明でした。
どちらにするか? 夜までに決断しなければなりません。

――前話――

夜、集中治療室のピーチーに面会に。
会っておかなければ、最後になるかもしれないと思いました。
高濃度の酸素と肝機能を保護するための点滴
それは治療ではなく、現状を維持するためのもの
早急に、治療方針を決める必要がありました。

まとめ読み|劇症肝炎闘病記 ①
この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――本連載の第1話です――

この日早朝6時、愛犬ピーチーは救命救急に駆け込みました。
40度を越える高熱。ぐったりとして動けない。
主治医からは、安楽死を勧められるほどの状態。
この日から、命を賭けた闘病が始まったのでした。

 ペットの闘病についてのヒント

闘病の奇跡は呼び込むもの

闘病記を読むと、奇跡的に治るという表現に時々出会います。
しかし奇跡は、待っていて起きるものではありません。
奇跡が起きる確率は、努力で上げることができます。

医師まかせにせず、とにかく情報を集めて分析する事です。
その中に、もしかすると答えがあるかもしれません。

セカンドオピニオンと二次診療

街の獣医師の技術と経験には大きな差があります。知識にも差があります。
なぜなら街の獣医師は、内科医であり、外科医であり、犬や猫だけでなく、ネズミも鳥も診察するのが役割です。病気ごとの専門医ではないのです。

セカンドオピニオンと二次診療は、街の獣医師の足りない部分を埋める、重要な手段と言えます。

高度医療という選択肢

動物にも高度医療があります。
それは人間で実績のある治療を、いち早く動物医療に転用するものです。

医療は日進月歩。昨日治らなかった病気が、今日は直るかもしれません。
高度医療は病気を治す手段としては有効な選択肢です。

© 2017 Peachy All rights reserved.