うちの子がうちにくるまで|No.10
初めはウサギが欲しかった。そんな娘さんとの約束事。
そしていつの間にか、その約束は犬に――
飼う前は渋々だったお父さんは、どうなってしまったでしょうか?
犬を飼う時の話は似ているようで、1つ1つ全然違いますね。
短い時間の中に、家族の大切な話が一杯詰まっている。
黒柴ってどんな犬?|お父さんが犬を飼うのに反対|どうやって説得したらいいの?|飼ったらどうなる?|経験者の話が聞きたい
反対するお父さん - 決意の説得
実は初めは、娘はウサギを欲しがっていたんです。あまりに娘が熱心なもので、主人が娘と何やら約束事をたんです。それが始まりでした。娘は大喜びでしたね。壁に『ウサギ』と書いた紙を貼って、それから主人との約束をずっと守っていました。
出かけた先にペットショップがあれば、娘は必ずウサギのコーナーに主人を連れていっては幸せそうにみていました。
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しかし、主人は適当に相槌をうって、10分も経たずに犬のコーナーに。
柴犬が可愛い! やっぱり犬や~! やっぱり柴や~!
主人は犬が良いと口では言いますが、買う気なんてありません。
子供にウサギを諦めさせるために、そうしているだけなんですから。
でも、娘の方が一枚上手かな。主人の性格が分かっているので、さっさと気持ちを切り替えて、「犬も好きだから、それでいいよ」って……
それで結局、犬ってことになったんです。
娘はミニチュアダックスかポメラニアン希望でしたが、わたしが犬を飼うのが初めてなので、お手入れが楽で、なるべく経費が掛からないことを必須条件にしました。
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主人は子どもの頃、捨て犬を連れ帰り、家で飼っていたらしいのです。でもそれはずいぶん昔で、外飼いだったし、しつけも今ほど言われない時代のことなので、経験は当てにできません。しかも面倒くさいこと、時間がかかること、お金がかかることは、逃げるか丸投げ。
だからわたしが最後まで面倒見る覚悟ができない限り、日々の世話をしてあげられないことは確実です。
あ、でもね、主人は犬を捨てる事が絶対にできない人。ですからそこは安心していました。
早速私は、何軒もの本屋を回りました。主人が柴犬に固執していたので、柴犬の本を立ち読みしに行ったのです。
そして、犬の性格や、お世話やしつけの方法など、自分の中にシッカリと叩き込んでから「ヨシッ!」と覚悟を決めました。
「絶対に不幸にしない。とことん向き合って面倒見る!」
そう決意して、いよいよ主人の説得へ……
主人は渋々ながらOKしてくれました。
はじめは、愛護センターの子で探そうと思ったんです。しかし、1歳過ぎてる子がほとんど。
「長く一緒に居たいから、ペットショップで売ってるぐらい小さい仔がいい」
それが主人の希望です。
他にも無茶な希望が続々。
「面談、マッチングで何度も足を運ぶのは嫌」
「十万超えてるのは納得いかない。」
「迎えに行くのが遠すぎる。」
「命に高い値段をつけるのはおかしい。」
などなど……
娘と約束したし、わたし自身も子供の頃から犬を飼いたくても飼えなかったので、それから一生懸命ネットで調べました。
そして見つけたのが、車で20分ぐらいの場所にあるネット販売業者。連絡をしてみたら、何と直接お迎えもOKとの事です。
「直接飼育している所に迎えに行けるのなら、騙されることはないだろう」
そう思って、会いにいってみたんです。
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行った先には赤柴ちゃんと黒柴ちゃんがいました。
はじめ主人の希望は赤柴ちゃんだったのですが、ブルブル震えていて、固まっています。一方黒柴ちゃんの方は、ベタベタになるぐらい胸元も腕も舐めてくれます。
これで即決定! この子がうちの子、マロンです。
その日のうちに家に連れて帰ったのですが、初日から走るわ、飛ぶわで、遂にはケージから脱走してリビングに粗相。
成長に応じて色んなイタズラやコマッタちゃんを発揮してくれたけど、とっても楽しい!
まだまだ、お互いを勉強しながら頑張らなくてはいけないことも多いけど、お母さん頑張るよ!
マロンでよかった!!
マロンが幸せなのかどうか、話せないからわからないけど、犬が表情がこんなに豊かとは知りませんでした。
勝手な思い込みかもしれないけど、犬も子供も満たされてると、表情が豊かだと思います。目が生き生きして、語りかけてくるみたい。
きっとマロンは、幸せだと思ってくれてるんじゃないかな?
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生後8か月のとき、マロンは避妊手術受けました。家族での決断です。
柴犬ならみんな欲しがるから、貰い手はあるとも言われましたが、例えそうであっても、私たち夫婦はこの土地では新参者なので、貰い手の方の素性までは分かりません。
マロンの子供を見たいというだけで子供を生ませて、渡した先で不幸になったら可哀そうだと思いました。
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娘は大きくなったら、ペットショップの店員さんになりたいと言います。
ペットに関わる仕事したいなら、ドッグカフェで保護犬の里親探ししてるところもあるから、命を救う協力ができる方がよくない? って言ったら、娘は「あ~っ!!そうやなぁ!!」と元気に答えました。
娘はまだ小学生。昨年、動物の専門学校の学園祭に行って、気に入ったらしくて、その学校に行きたいと思っているようです。
これから、夢は変わるかもしれないけれど、娘が今みたいに、優しい気持ちになったのは、マロンが家にいてくれたからですね。
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そういえば主人なんですが、飼う時にはあんなに渋々だったくせに、今では家族の中で一番にメロメロ。もうマロンの言いなりって感じです。
マロンは大事な大事な家族です。そして命のことを教えてくれる大先生です!
今年の8月9日でマロンは2歳!
まだまだ、元気に楽しく過ごそうね。
マロン万歳!!
――マロンがうちにくるまで|おしまい――
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犬種:黒柴
飼主:黒柴マロン
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――うちの子がうちにくるまで、次話――
てんてんがうちにくるまで
家族の反対を押し切って、犬を飼った方は多いはず。
反対する理由は様々でしょうが、”反対”は犬への”強い思い”でもあります。
ハードルを越えた先で、反対していたはずの家族が、
誰よりもその子が好きになったりして……
――うちの子がうちにくるまで、前話――
バーディーがうちにくるまで
本話の作者は、たまたま遭遇した事故で人助けをしたために、大怪我を負います。
リハビリで始めた散歩。その散歩のお供で迎えたのが、超大型犬・グレートピレニーズのバーディーでした。
子犬だったバーディーは、最高のパートナーとなっていくのですが、やがて……
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この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――うちの子がうちにくるまで、第1話です――
昔からいつかはワンを飼いたいと、ずっと夢見ていたんです。
でも、夢と現実の差はでっかいですよね。結局はずっと、実現できずじまい。
――そんな夢を叶えた飼い主さんのお話。
犬との出会いは運命に似ています。
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愛すべき柴犬たち
結婚7年目の夫婦。
犬が大好きなのに、妻は自分の病気のために、飼うことは諦めていました。
ある日、夫が「犬を飼おう」と提案します。
夫婦は、犬を飼うことができるのか?
犬は必ずしも。家族全員に歓迎されて家に迎えられるわけではありません。
保護犬の場合は、特にそうでしょう。
“飼いたい!”から始まる愛情もあれば、飼ってから芽生える愛情もあります。
先代犬を亡くし、ペットロスだった飼い主。
しかし――、ある日のこと――
「家に帰ったら、子犬がいた」
さて、その犬とは?
犬を迎えたのは、当時学校に疲弊していた一人息子のためです。
息子が突然「犬を飼いたい」と言い出したのです。
一度も犬を飼ったことはありませんでした。
それでも飼おうと思いました。
夫婦共に柴犬が好きでした。先住犬もとても可愛いかったのですが、もしも2匹目を飼うことがあれば、柴犬にしたいと思っていました。未来の夢として――
ある日のこと、2人は偶然に、柴犬専門店をみつけました。
中に入ってみると――
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出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。