ここは『ハナちゃんの動物病院』(犬版)です。
今日は子宮蓄膿症と、避妊手術についてのお話です。
避妊手術をすれば防げる子宮の病気って色々あるみたい。獣医さんに相談してみてくださいね。
(注:手術の写真が含まれます)
避妊手術で防げる子宮の病気
先日、乳腺腫瘍の話で、避妊手術をおすすめしました。
今回は、避妊手術で防げる子宮の病気の話をします。
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避妊手術をせず、子供を産まないまま、高齢になってくると子宮蓄膿症という病気になることが多いです。
※以下、手術の写真が載っています。苦手な方は、閲覧にご注意を。
手術の様子
膿が溜まって大きくなった子宮
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子宮の中に膿が溜まる病気で手遅れにしてしまうと命にかかわる怖い病気です。
食欲がおち、元気がない、吐き気、水を飲むなどの症状がでます。
主な治療は手術で子宮卵巣を摘出することです。
繁殖の予定がなければ避妊手術をして欲しいです。
もちろん避妊手術にはデメリットの部分もありますので、主治医の先生と良くお話して下さいね。
次回は、男の子の去勢の話をしますね。
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子宮蓄膿症の症状
子宮蓄膿症には開放性と閉鎖性の2種類があり、主な症状は多飲多尿、元気がない、食欲不振、嘔吐などです。開放性子宮蓄膿症の場合は、陰部から膿が排出される場合があります。
開放性の膿以外では、他の病気でも似たような症状の場合も多いために、見た目の症状からでは診断が難しく、血液性化学検査やレントゲン、エコーなどで全身状態を把握する必要があります。
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子宮蓄膿症の他の診察記
子宮蓄膿症の診察記は、こちらにもあります。
【子宮蓄膿症】【避妊】【堕胎】
できればやりたくない手術
子宮蓄膿症と避妊と堕胎が、同時に行なわれた事例です。
動物が好きで獣医さんになったハナちゃんママは語ります。
――何より新しく芽生えた命を消してしまう、とても重い罪です。
できればこんな手術は、やりたくないですね。と――
【子宮蓄膿症】
猫の場合は、なかなか気づかないことも
妊娠と間違って来院し、発見された例です。
猫はこの病気、気付きにくいのだそうです。見つかって良かったですね。
ホルモン剤(発情抑制)のメリット/デメリットを交えて。
今日のハナは
今日の看板犬、ハナ
ブタちゃんの置物ですと共に
(怖がって、動けません)
読者の方とのQ&A
うちの子3歳なんですが、次の生理で繁殖できなかったら避妊手術します。
繁殖したとしても子宮とりますが(^◇^;)
心配性の私は手術がうまく行くか~とか考えてしまう( ̄▽ ̄)
でも、後々を考えるとやはり手術は必要なんですね~
100%安全な麻酔手術は、ありえませんので、危険性は0ではありません。ただ、少しでもワンちゃんが健康で若いうちに手術してあげたほうがより危険性は低くなると思います。
手術もワンちゃんの状態で麻酔薬や量を変えたり、術中も事故が起きないようモニターをつけますから心配はいらないと思います。主治医の先生と納得いくまで話してみて下さい。
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ハナちゃんママからアドバイス
避妊手術・去勢手術の話をするとき、飼い主さんから、うちの犬・猫は、自然なままでいさせたいから、手術はしませんと言われることがあります。
野生の動物は、健康であれば、発情がきて妊娠して出産します。繁殖可能な期間、それを繰り返します。
でも、ペットとして飼育されている犬や猫たちは、発情しても妊娠することはほとんどできません。自然に反した生活となってしまった以上、自然に反することかもしれませんが、避妊・去勢手術が必要になるのかなぁと、私は思います。
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【Withdogより】ここでご紹介したのは、病気を疑ってみる初歩的な知識です。もしもご家庭のワンちゃん、ネコちゃんに該当する症状があったら、すぐに動物病院を受診なさってください。
日光どうぶつ病院
ハナちゃんママが獣医さんになった理由は?
ハナちゃんが看板犬になった理由は?
【獣医師が犬を飼うということ】ハナがうちにうちにくるまで
▶ハナちゃんママ:犬 の診察記のご紹介
▶ハナちゃんママ:猫 の診察記のご紹介
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――次話――
【貧血】
意外に軽視されがち。貧血について考えてみよう
貧血は重大な病気の初期症状で出る場合も。
早く気付けば、病気の早期発見にもつながります。
貧血の中でも、免疫介在性溶血性貧血は難病で、しかも良く聞く病気です。
――前話――
【乳腺腫瘍】
高齢になるとできやすくなります
うちの子は体質からか、乳腺種がよくできました。
すぐ気付いて2度手術。幸い2度とも良性。
その後、3つ目、4つ目も出来たましたが、高齢だからもう手術はしませんでした。
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この記事は、まとめ読みでも読むことが出来ます。
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――ハナちゃんの動物病院(犬)・初回の記事です――
【尿石症】
膀胱炎や、尿経路の結石による痛み
膀胱炎などの症状から、発覚します。
場合によっては手術が必要になり、命にかかわることもある怖い病気。
意外に多いし、予兆もあるので、気を付けてあげてください。
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ペットの闘病についてのヒント
失敗のケーススタディでもある闘病記
犬や猫の闘病は、掛かりつけの獣医師に全てを委ねることになりがちです。
しかし、一旦立ち止まって、良く考えてみてください。
病気には、色々な診立てがあり、治療法があります。
誰かが残してくれた闘病記を、ケーススタディとして捉えれば、選択肢は大きく広がっていくのです。特に失敗の記録は参考になります。
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出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。