チョコラッの闘病記 第4章(2/22)

本記事は長期連載の1部。そしてチョコラッは3年目(2019年6月)を迎えて生存中です。
難病であっても希望を持ち続けたいと願う、飼い主の思いで書かれた闘病記です。
初回記事はこちらです。チョコラッの闘病記 1話
ペットに貧血の症状が現れ改善しない|非再生性免疫介在性貧血と診断された|治る見込みは?|治療法は?|どんな闘病になるのか心配|免疫系疾患の難しさを実感している|経験者の体験談が聞きたい
5月7日 輸血をすれば良いという単純な話ではない
昨日の記事見返して、ちょっと誤解が出るかな、と思って補足です。
貧血なら輸血すればいいんじゃないの?
って、思われてしまうかなって思ったんです。
貧血→輸血、当たり前の流れですよね。
怪我で流血の貧血ならそれでいいんですが、チョコラッの場合はそんなに単純ではありません。
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チョコラッの病気は免疫異常で、自分で赤血球を作り出せない病気(正確に言うと、赤血球元になるはずの赤芽球という細胞が、RETIC(赤血球の赤ちゃん)になる以前の段階で破壊されてしまう病気)なんです。だから、輸血して一時的に赤血球を補充してもたとしても、古くなった赤血球が代謝されてしまえばまた元の貧血状態にもどってしまうんです。
輸血はその場しのぎと言うか、時間稼ぎ。
輸血して時間稼ぎをして、合う薬(免疫抑制剤など→免疫機能の異常で赤血球が壊れるので、免疫機能自体を下げる)を見つけるしかないんです。
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それに、輸血したから必ず赤血球が増える確約はないと医師に言われています。
輸血してみないと、どの程度赤血球が上がるのかは分からない。
この病気で、合う薬が見つかって、徐々にお薬を減らして、お薬なしで生活出来る様になる子もいます。
でも、残念ながらこの病気に完治はなく、再発のケースも多い。
輸血だけでは生きていけない - 体に合う免疫抑制剤を
この病気に使われるお薬が、現在はまだそれほど多くないです。
チョコラッは既に3つ、免疫抑制剤を試しました。
効果が出たのに、途中から効かなくなったセルセプト・プレドニン。
どうやら効果が出ていない(まだ確定ではないが)アトピカ。
残りの選択肢(薬)がもう幾つもない。
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薬がないのに輸血をし続けるのは、延命治療ともとれる。
ただ、どこからが延命治療と判断するのはすごく難しい。
輸血だけじゃ生きていけない。
合うお薬をとにかく見つけたいと思います。
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実は致死率が高い病気だから、この病気です、と断定されたときは泣いたけど。
この病気でも元気一杯な子は沢山いるから、希望を捨てないで病院通います。
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リハビリは再度中止してます。
でも、まだ自力でなんとか歩けるよ^ - ^
輸血に頼らなければならないときに備えて
献血犬になって下さいな - こんな記事を書きました
献血犬はご存知ですか?
手術などで、血液を提供してくれる犬なのですが、病院で飼っているのは僅か。
いざというとに、なかなか集まらないんです。
その時の苦労を書いたのが本作です。
――【非再生性免疫介在性貧血】1年生存率5割って(2/22)・つづく――
文:らぶプー
▶らぶプー:他の作品一覧
――次話――
血液検査の数値は横這い。ほっとする飼い主。
しかし、難病だけにもしもの時が心配です。
悪化したときにどうするか?
大学病院には毎週は通えない。
――そう、専門科も先端医療も、通える場所になければ意味が無い。
医療の地域格差を思うのでした。
――前話(本章の初回の記事です)――
血液検査の結果は良くない。薬の効果がなかなか安定しない。
有効成分の血中濃度と効果はまた別だし、医師もまだ正確な判断が出来ない。
体調が良いのは救いなのだけれど……
頭の中を、不安がグルグル回る。
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この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――この連載の最初の記事です――
この病気は、自己免疫不全で起きるもの。
自分の免疫が、自分の体を攻撃し始めるのです。
病原菌やウィルスが見つかるわけでもなく、CTやMRIにも病変が映りません。
なんとなく調子が悪い……
病院に行っても原因不明。
しかし、状況は悪化していく。
何故――
チョコラッの闘病記は、そんな飼い主さんの記録です。
まずは病名が確定するまでのお話から。
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【事例】免疫抑制剤の闘病記(全3話)
第1話|ステロイド剤減薬の先にあるもの
愛犬ピーチーの体験談、今回は免疫抑制剤です。
ステロイド剤から免疫抑制剤への切替は簡単ではありませんでした。
今回はその難しさの実例を。
犬の原因不明の病気の影には、自己免疫不全があるように思います。
実は多くの犬が、無縁でないのでは?
第2話|一筋縄ではいかない薬の切替
愛犬ピーチーの免疫抑制剤への移行は、簡単ではありません。
まずは状態が安定せず、体調が悪化したこと。
次に、ステロイド剤減薬による離脱症状です。
免疫機構は複雑なので、対応は容易でありません。
行ったり来たりの試行錯誤。
体験がお役にたてば――
第3話|やっと見えてきた光明
免疫抑制剤の血中濃度がようやく安定し、ステロイドの減薬も進みました。
その間は試行錯誤の繰り返しで、失敗もしました。
無力感や、絶望感を覚えることもありました。
不安な毎日でした。
しかし、闘病ってそんなもの。
気長に行こうね、皆さん!
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出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。