犬を飼うということ

Withdog 犬と飼い主の絆について

【歯周疾患】歯磨きはとても大事なんです ~歯周病は犬にもあるんですよ~

【関連コンテンツ】

ここは『ハナちゃんの動物病院』(犬版)です。

今日は歯周疾患のお話をしましょう。

TVのCMや健康番組では、よく『歯周病』という言葉を聞きますね。
知っていましたか? 歯周病は人間だけでなく、ワンちゃんにもあるんですよ。

家で飼われているワンちゃんは、自然の中で堅いものを食べる習慣がないので、歯垢が貯まりやすいんです。だから飼い主さんが、歯磨などをして口の中のお手入れをしてあげないといけないんですよ。

え、ハナちゃんは歯磨きをしているのかって?
私は歯磨きは嫌いだけど、ママがときどきクリーニングしてくれるんだあ。

f:id:masami_takasu:20171105145158g:plain

撮影&文|ハナちゃんママ この記事は2017年4月に執筆されたものです。

 ワンちゃんや猫ちゃんの歯

最近、ワンちゃんや猫ちゃんの歯が気になっています。
診察の時には必ず、みんなの口の中をみます

歯肉や舌の血色の状態、歯石の付着程度、歯肉炎、口内炎の有無を確認します。

これはうちの愛犬コポーの歯です
f:id:masami_takasu:20181112142520j:plain
まだ子犬なので、さすがにきれいです

これは別の猫ちゃんの写真
f:id:masami_takasu:20181112142629j:plain

 

 歯は大切です

歯は健康を維持する上で、やっぱり重要だとつくづく感じます。
1才の小型犬の90%はもう歯周疾患を持っていると言われています。

歯垢は24時間で付着しますf:id:masami_takasu:20181112143550j:plain
そして歯垢は3日で歯石に変化してしまいます

この状態を放置していると、やがて歯肉炎へと進行し、ポケットの形成、歯肉の退行、歯槽骨の吸収へとすすんでいきます。

このように
f:id:masami_takasu:20181112143936j:plain

f:id:masami_takasu:20181112143939j:plain

上のワンちゃんの歯石を取ったのが下の写真です
f:id:masami_takasu:20181112144659j:plain

f:id:masami_takasu:20181112144702j:plain
奥歯の歯根分岐部が露出してしまっています

こうなってしまった、別のワンちゃんの顎のレントゲンです。

f:id:masami_takasu:20181112145014j:plain

歯の根元周囲の顎の骨が赤い矢印の部分で溶けてなくなっています。
こうなると歯はぐらぐらして抜けてしまいます。

結局、歯の病気は最後は顎の骨が溶ける病気と考えて下さい。

ひどい時は、顎の骨折が起きます
f:id:masami_takasu:20181112145214j:plain

また、歯の歯根先部に
膿瘍ができることもあります
f:id:masami_takasu:20181112145245j:plain
そして皮膚の内側が腫れ、破れて、
膿が外側へでてきます
(レントゲン写真 ヤフー画像より引用)

外から見える歯や歯肉だけの問題でなく、見えない歯の歯根部と歯槽骨の問題が重要です。

毎日の歯のお手入れ、歯磨きがいかに大事かわかっていただけたでしょうか?
進んでしまった歯周疾患では歯を助けることはできません。

そうなる前にワンちゃん、猫ちゃんたちの歯を守ってあげて下さい。

 

 歯周病の診察記です

こちらは歯周病の診察記です。犬や猫にも歯周病があるんですよ。

 ●

ハナちゃんママからのアドバイス

歯周疾患を防ぐには、歯磨きをすることが一番。
小さい時から、習慣にして行えるとベストです。

途中からでも、歯磨きが終わった後におやつのごほうびをあげることで、やる気にさせて下さい。

【Withdogより】ここでご紹介したのは、病気を疑ってみる初歩的な知識です。もしもご家庭のワンちゃん、ネコちゃんに該当する症状があったら、すぐに動物病院を受診なさってください。

――いつもやさしい、ハナちゃんママの動物病院はこちら――
f:id:masami_takasu:20171105145302j:plain
 日光どうぶつ病院

ハナちゃんママが獣医さんになった理由は?
ハナちゃんが看板犬になった理由は?

こちらをどうぞ
【獣医師が犬を飼うということ】ハナがうちにうちにくるまで 

 ▶ハナちゃんママ:犬 の診察記のご紹介
 ▶ハナちゃんママ:猫 の診察記のご紹介

――次話――

【犬の鼻の皮膚病】
ひどくなったら大変なことに

今日は犬の鼻のお話。
鼻も皮膚病になります。
痒くなって掻いているうちに、組織が崩れて大変なことになる場合も。
そうなる前に病院へ!
といって、分かりにくいですね。
写真も載せてあります。
猫もですよ。

――前話――

【リンパ腫】【体表リンパ節】
飼い主さんの触診で気付く場合も

今日はリンパ腫のお話です。
悪性腫瘍の中では比較的多い病気。
猫では、「その日がくるまで生きようず」で闘病記が連載中です。
体表に近い部分で発症するので、飼い主さんが発見することが多いです。
発生が多い犬種もあります。
定期的に体を触ってあげてください。

――ハナちゃんの動物病院(犬)・初回の記事です――

【尿石症】
膀胱炎や、尿経路の結石による痛み

膀胱炎などの症状から、発覚します。
場合によっては手術が必要になり、命にかかわることもある怖い病気。
意外に多いし、予兆もあるので、気を付けてあげてください。

 ペットの闘病についてのヒント

臨床現場から見た、良い獣医師の選び方

”良い”獣医師選びは、飼い主の責任でもあります。
目的は常に動物の病気を治すこと。
そのために獣医師は何をすべきか?
そう考えると、自然に”良い獣医師”とは何かが分かってきます。
現場を知るからこそ出来るアドバイス。

 出典

※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。

© 2017 Peachy All rights reserved.