#秘密結社老犬倶楽部 のハッシュタグ
私にとっての老犬は
私が『老犬』という言葉を意識するようになったのはいつだろう?
今は『老犬』という言葉を耳にするだけで、或いは口にするだけで、よろよろと歩く平和で温和で、しかし頑固な犬たちの姿が脳裏に浮かぶ。
そうなったのはいったいいつから?
以前はそうではなかった。『老犬』というのは単語の1つでしかなく、何の情景も浮かばなかったし、何の感慨も湧いてこなかった。
きっとあれはうちの愛犬、ゴールデンレトリバーのラフが歳をとって、金色の毛が白くなり始めてからだ。「この子も歳をとったのだ」と感じてから、うっすらと『老犬』を実感しはじめたような気がする。
この記事はこんな方へ:老犬(シニア犬)と暮らしている|愛犬が闘病中、または介護中|愛犬が亡くなってしまった|他の飼い主さんのことが知りたい|皆さんの頑張りをみて、元気をもらいたい
No.6は、ハルさん
前回では、老犬アルバムがNo.3のかん太さんNo.4のテツさん、No.5のゆうすけさんについて書きましたが、そのカードのご紹介ツイートをする際にも、かなり悩んだことがありました。それは私の大好きな #秘密結社老犬倶楽部 のハッシュタグをつけてもいいのだろうか、ということです。
タグをつけさせてもらうことで、#秘密結社老犬倶楽部の皆さんに、なんと思われるだろうかということがとても心配でした。
「老犬と暮らしてもいない私が、このタグを使わせてもらってもいいのだろうか?」
そんな風に思いました。
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色々と思い悩んだのですが、私だって老犬だったラフと暮らし、看取った身です。正面から老いにも、闘病にも、介護にも、そして看取りにも向き合ってきました。だからこそ #秘密結社老犬倶楽部 が好きなのです。自分の老犬さんに対する想いを込めてやれば、きっと皆さんが理解して下さるに違いないと思いました。
そして恐る恐る、#秘密結社老犬倶楽部のタグをつけて、かん太さんのカードをご紹介したのでした。因みにその時の私は、まだこの #秘密結社老犬倶楽部をどなたが作ったのかさえも知りませんでした(汗)。
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今私がいただくメッセージの中には、まるで私が #秘密結社老犬倶楽部のベテランと思われている方もいらっしゃるのですが、そんなことは全くありません。
私は新入りに近い方で、しかも今現在は、リアルタイムで老犬さんと暮らしているわけでもなく、広い心で皆さんに見守っていただいている立場なのです。
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さて、そんな老犬さんへの応援の気持ちを込めた老犬アルバムですが、スタートしてからのかん太さん、テツさんの後は、ツイッターからのご応募はなかなかいただくことが出来ませんでした。
「登場して欲しい老犬さんは、一杯いるんだけどな」
いつもそう思っていましたので、「思い切って、こちらから、気になる老犬さんにお声がけしてみようかな?」という気持ちもありました。
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#秘密結社老犬倶楽部 のタグの時のように、「でも、こっちからご連絡したら、差し出がましいと思われるかな?」とも思いました。いつも私は、こんな風に思い悩むのです。「でも、やっぱりご紹介したい!」という気持ちの方が大きくなりました。
そして真っ先に浮かんだのが、No.6のハルさんでした。扉のカードがそれです。
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飼い主のひろぽんさんのツイートには、老犬さんらしい穏やかで柔らかいお顔のハルさんが、ぽてぽてと歩く姿がありました。まるで「よいしょ、よいしょ」と聞こえてくるようなその歩きは、見る人をほっこりとさせてくれるものです。
懸命に、一歩一歩踏みしめるように、大切に大切に歩いているその様子が私はとても好きでした。しかしその頃、ハルさんが膀胱炎になってしまったとツイートしていて、そんな時に図々しくお願いしていいのだろうか、と躊躇しする気持ちもあったのです。
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それでも思い切って、ハルさんの膀胱炎が早く治って欲しいという応援の気持ちも込めてアルバムを作りたい、と頭を切り替えて、ご連絡をしました。そんな私のお願いを、ひろぽんさんは快く受け入れてくださったのです。
実は、ひろぽんさんから最初にいただいたハルさんの写真は、老犬アルバムに載っているカードのものではありません。上を見上げているハルさんの全身が写っている写真でした。
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これがその写真です
飼い主さんを見上げる姿が、
とても可愛いですね
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最初はそれでカードをお作りしたのですが、主宰より「せっかく座っている姿が可愛い写真なのにそこが入らず顔だけになってしまう」と連絡があり、せっかくなので顔がアップのものでとひろぽんさんがツイートしていたハルさんの顔の写真でカードを作成してくれました。どちらもお送りして、老犬アルバム用のカードをひろぽんさんに選んでもらったというわけです。
そのカードもここで公開しちゃいます。
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『老犬アルバムは、写真をもらうと、どうやったらその子の特徴が出せるか考える。それで写真を加工している』カードを作成している主宰の言葉通り、老犬アルバムに載っているものは、ハルさんの優しい表情が前面に感じられる素敵なカードになりました。
No.7は、鼻(はな)さん
No.7のブルテリアの鼻(ハナ)ちゃんは、主宰のブログ仲間の愛犬で、腎不全と闘ってお空に旅立った子でした。私の愛犬ラフと同じ腎不全で同じ時期に闘病をしていた鼻ちゃんは、いわば同志のような存在でした。
その鼻ちゃんのカードですが、飼い主のぴょん子さんからいただいたオリジナル写真は、実は左耳が切れて写っていたものでした。
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これが元の写真です
左耳が写っていませんでした
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「とてもいい写真だから、どうしても使ってあげたい」
そう思い、結局どうしたかというと、主宰が写真で切れていた耳と背景を手描きして、カードを完成させたのでした。
その手描きの写真もお見せしますね。
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耳と背景を手描きして
横長の写真に
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職人気質の主宰が、このカードをきっかけに、この後も何枚かには手描きをしながらカードを作成していくことになります。その記念すべき1枚目が鼻ちゃんの老犬アルバムでした。
No.9は、チョコラッさん
No.8のカニヘンダックスのチョコラッさんも、主宰のブログ仲間の愛犬です。非再生免疫介在性貧血とヘルニアで闘病するチョコラッさんの闘病記は、サイトでも配信させてもらっています。
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聞いたこともないような難しい病気と前向きな気持ちで闘病する様子には、たくさんの飼い主さんが励まされていることでしょう。今も病気に負けずに、チョコラッさんも飼い主さんも、毎日を大切に過ごしています。
気になるツイートが
さて、ここれまた老犬アルバムには新しい展開が――
私がNo.6ハルさんの飼い主、ひろぽんさんに、老犬アルバムへのお誘いをしている頃、とても気になるツイートがありました。
大型犬のその子は、3本の脚で歩く練習をしていました。ゆっくりとふらつきながらも歩くそのツイートを見るたび、祈るような気持ちになったことを憶えています。そして、私はどうしてもその子に老犬アルバムに出て欲しいと思い始めたのです――
その詳しいお話は次回に。
――つづく――
文:樫村 慧
▶ 作者の一言
▶ 樫村 慧:犬の記事 ご紹介
▶ 樫村 慧:猫の記事 ご紹介
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――次話――
次話は、No.9の、ぴい助さんの思い出から始まる3話です。
ぴい助さんは、病気で断脚して一生懸命頑張っていたワンコ。
段々3本の足で歩くのが上手になって、犬はすごいなあ――
それで、私からお誘いをしました。
――前話――
前話は、No.3の、かん太さんの思い出から始まる3話です。
老犬アルバムの最初のご応募はかん太さんでした。
「お空組になり5年ですが……」
「いえいえ、大歓迎です」
老犬カードは、愛犬を懐かしむものではなくて、今、新しい思い出を作る”体験”なのです。この頃「老犬って何歳から?」という事も決まりました。
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この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――この連載の1話目です――
第1話は老犬アルバムがスタートした経緯をお知らせします。
老犬アルバムのスタートは、一匹の大型犬、タフィさんが旅立った時の飼い主さんの言葉がきっかけです。「大きくて優しい子、ありがとう、大好き」その一言が忘れられませんでした。どうしてもそれを、何かの形に残そうとカードを作りました。
大きくて優しい子が、老犬アルバムを作ったんです。
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老犬アルバムのご応募方法はこちらです
老犬アルバムに必要なのは、下記の6つの情報だけです。
①愛犬の名前
②愛犬の年齢(~カ月まで分かると尚良し)
③飼い主の名前(~ママとか、ハンドルネーム)
④小型犬、中型犬、大型犬の区別
※人間年齢を換算するために必要です。
※超大型犬は大型犬、超小型犬は小型犬で換算します。
⑤愛犬への一言、または、愛犬からの一言
⑥お気に入りの写真1枚
下記(担当:樫村慧)にDMをお送りください。
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老犬アルバムと老猫アルバム
老犬アルバムはここからスタートしました。
長老のハリー君は2019年6月20日に17歳の誕生日を迎えて、人間年齢124歳です。
でも、犬は何歳になっても子犬のようです。
老犬アルバムは51匹目からVol.2に突入しました。
開始当初は51匹は遠い未来でしたが、沢山のご応募のお陰です。
犬は子犬や、成犬の頃には見せなかった姿を、老犬になってみせたりしますね。
毎日が新しい発見です。
老犬アルバムは101匹目からVol.3です。
飼い主が家に帰っても、ずっと寝たまま。若い頃はお迎えにきたのにね。
しかし、その寝姿がまた愛おしく感じます。
時々頑固者になるのは、人間と同じですね。
老犬アルバムの猫版。老猫アルバムです。
犬と猫の違い-――、猫歳をとっても見た目が変わらないので、絵にかいたような老猫というのがいないんですね。飼い主さんの心の中で、この子も歳をとったなあと思ったときが老猫。老犬よりもカードの数は少ないのですが、どの子も飼い主さんの愛情いっぱいです。
樫村慧|他の作品
愛犬の闘病や、老犬の介護をしている飼い主さんを見かけると、つい応援してあげたくなりますよね。でもいざとなると、どんな言葉をかけるべきか悩んでしまいます。
自分でも愛犬の闘病の経験がありますから分かります。不用意な励ましは、相手を傷つけることもあるのです。
愛犬の散歩道で時々で会っていたのが、土佐犬のリンちゃんでした。
しかしある日、リンちゃんには急に出会うことができなくなりました。
大型犬を飼う難しさ。周囲に理解してもらう難しさ。
リンちゃんは色々なことを教えてくれました。