ピーチーの闘病記:癲癇(てんかん)編
ピーチーの場合、抗てんかん薬としてイーケプラが有効だったようです。
しかし当時はまだ新薬であったために、高価で入手性も良くはありませんでした。常用でなく頓服とし1クールを使用し、そこで一旦使用を止めて様子を見ていたのがこの記事を書いたころです。
この後、癲癇はまた違う展開を見せるのですが、ここまでの段階でのイーケプラの使用感をまとめました。当時はまだイーケプラの情報はほとんどなかったため、いち早くそれを、同じ病気で悩む飼い主さんと共有したく思っていました。
当時のブログより イーケプラの感想
※文体は執筆当時のままです。
ピーチーが人間用の抗てんかん剤、イーケプラを使用(投薬1クールを3日とする)してから、早一週間以上過ぎました。その後、おかげさまでピーチーには一度も癲癇の発作は起きていません。
飼い主の感想としては、これまでの治療とは明らかに違うという印象で、具体的に言うと、従来のゾニサミド中心の治療とは、明らかに安定感が違うと感じます。
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ゾニサミドのみの時、或いはゾニサミド+臭化カリウムの時は、ピーチーの仕草からは、何となく大発作が起きそうな予感はするものの、辛うじてそれを回避しているような危うさがありました。また明らか振る舞いがおかしかったことが何度かあったのですが、もしかしたらその時は、小さな部分発作を起こしていたのかもしれません。
しかしこの1週間は、そのような怪しい挙動は全くなく、ピーチーの振る舞いもこれまで以上に、かつての健康だったころのそれに戻りつつあります。
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素人考えかもしれませんが、僕はイーケブラが大発作だけでなく、これまでに水面下で(何度か)起きていた部分発作まで抑制してくれてのではないかと思っています。それが飼い主として安定感を感じる理由なのではないかと……
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ただ、イーケプラの1クールが終わって既に6日過ぎましたので、血中濃度はかなり薄まっていることが予想されますので、今後がどうなるかわかりません。
担当医師との間では、もしも飼い主がピーチーに発作の予兆を感じた取った場合は、飼い主の判断で、そこから更に1クールを与えて良いことになっています。
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念のために申し上げると、イーケプラはうちのピーチーには効果が実感されるのですが、他のワンちゃんにも良いかどうかは分かりません。
前にも一度書きましたが、てんかんを発症しやすい犬種は下記だそうです。
【癲癇(てんかん)発作を起こしやすい犬種】
ビーグル、ダックスフント、ジャーマンシェパード、コッカースパニエル、コリー、ゴールデンレトリバー、アイリッシュセッター、イングリッシュセッター、ラブラドールレトリバー、ミニチュアシュナイザー、プードル、セントバーナード、シベリアンハスキー、ボクサー、ワイヤーヘアード・テリア、紀州犬、セントバーナード、シャットランドシープドッグ など
例えば、ビーグルやプードルと、セントバーナードは、一口に犬と言っても、全く種が違う動物と言ってよいほど、特性が違うはずです。ピーチーに効いたからといって、他の犬種や、或いは同じブルテリアでも他の個体に効くとは限らないでしょう。
また、イーケブラは新薬に近いものなので、獣医さんの手元にも情報は少ないはずです。
(特記事項)
最近(2020年)の時点では、イーケブラはすでに一般化してきている模様で、ネット上にも沢山記事が見つかるようになっています。
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敢て僕が、ピーチー1匹だけの不確かな情報ながらこんな記事を書いたのは、同じ病気で悩んでいる飼い主さんたちに、試してみる価値のある薬だと、一刻も早く伝えたかったからです。なぜなら、僕もピーチーが頻繁に発作を起こした時には、何でもよいから新しい情報が欲しかったからです。
(決して製薬会社の宣伝をしている訳ではありません。念のため)
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下の写真は今日のピーチーです。
今日はゾニサミドしか飲んでいませんが、抗てんかん薬を飲むと眠くなるようで、いつも寝ています。
良く寝ている
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――癲癇闘病記・発作は嫌いよ(14/31)つづく――
文:高栖匡躬
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――次話――
発作は嫌いよ|15/31
新薬のお陰でしばらく発作がなかったピーチー。
しかしとうとう5度目の発作が――
油断していたわけではないのですが、ホッとしていた矢先だっただけに、落差は大きいものでした。
ピーチーの発作は重積する傾向があります。
大事を取って救急病院へ――
――前話――
発作は嫌いよ|13/31
ピーチーの癲癇には、イーケプラという新薬が良く効いてくれました。
当時は犬用のものがまだなくて、人間用の薬を飲んでいました。
欠点は正確に8時間置きに飲ませる必要があり、それが大変。そして薬価が高かった。
今はもう、犬用のものが出ています。
――この記事の初回です――
発作は嫌いよ|1/31
我が家の愛犬、ピーチーの癲癇闘病記です。
それはある日突然の発作からはじまりました。
予備知識もなく駆け込んだ救急病院。
発作は1回限りのものかもしれず、まずは様子見だそうです。
――僅かな希望
しかし、発作はその後も繰り返し襲ってきました。
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