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【癲癇|てんかん】7月1日 新薬だったイーケプラ ~発作は嫌いよ(13/31)~

ピーチーの闘病記:癲癇てんかん)編
ピーチーの癲癇闘病記

撮影&文|高栖 匡躬 (扉の写真は発病前のピーチー)
 
当時を振り返り

ピーチーの癲癇は、なかなか効果的な薬が見つかりませんでした。

やがてイーケプラという新薬(人間用)にたどり着いて小康状態を得るのですが、それがまあ高い高い。今ではそれほどではないようですが、当時は大変でした。
ピーチーは最初に処方されたゾニサミド(薬名はエクセグランとかコンセーブ)という薬のおかげで、大好物だった食べ物の幾つかを嫌いにさせてしまった苦い思い出もあります。
とにかく薬には色々な面で苦労をさせられました。

どうかお役に立ちますように。

 当時のブログより

※文体は執筆当時のままです。

ピーチーのMRI検査から4日経ちました。幸いその後、発作は起きていません。
昨日までの3日で新しい薬(イーケプラ:詳細後述)を1クール試していますが、今回の薬はどうやら調子が良さそうです。ピーチーと同じく、癲癇(てんかん)と闘っている犬と、その飼い主さんの参考になるように、これまでの経過をまとめておきます。

 

 発作と薬の経過

これまでの発作と、薬の経過は下記です。

初回発作(4月9日)以降
【投薬内容】
・経過観察のため、薬は処方されず。
【理由】
・てんかんは頻度の把握が重要。
・たとえば2年に1度、1年に1度など、発作の間隔が広い場合は薬は投与しない。
(薬の副作用によるデメリットの方が大きいからです)

2回目発作(5月4日)以降 
【投薬内容】
・ゾニサミド(注1)100mgを朝晩1錠ずつ
【理由】
・この時は8回の発作で明らかに異常
・薬の投与を開始すべきとの医師の判断。
・ただし、ゾニサミドの血中濃度が落ち着くまでに約1か月(最低2週間)必要
【特記事項】
・5月4日は病院にて、念のために静脈よりセルシン10mgを2ml(0.7mg/Kg)投与するが、その施術中に再発作
・レベチラセタム3ml(22mg/Kg)を追加投与して落ち着く。

3回目発作(6月1日)以降
【投薬内容】
・ゾニサミド(注1)100mgを朝晩1.5錠ずつ
【理由】
・この時の発作は2回ながら、これまでで一番大きな発作
・すでにゾニサミドを与えて1か月でありながら、発作発症が治まらないための増量
・この時点でのゾニサミドの血中濃度は23.9μg/ml (基準値は10,0~30.0)

4回目発作(6月20日)以降 
【投薬内容】
・ゾニサミド100mgを朝晩1.5錠ずつ
・臭化カリウム(液体)を、朝晩1.4ccずつ
【理由】
・ゾニサミド増量の効果が、もう出そうな時なのにもかかわらずの発作
・すでに相当にゾニサミドの血中濃度が高く、限界に近いであろうと判断し、別の薬を追加。
・この時点でのゾニサミドの血中濃度は31.0μg/ml (基準値は10,0~30.0) 
・ただし、臭化カリウムの血中濃度が落ち着くまでに約2か月必要

MRI検査(6月27日)以降
【投薬内容】
・ゾニサミド(注1)100mgを朝晩1.5錠ずつ
・イーケプラ500mgを、1日3回、1/2錠(つまり250mg)ずつ
【理由】
・4回目以降、ここまで発作は起こしていないが、怪しい兆候は見られる。
・臭化カリウムの効果が現れるまで待っていられないため、イーケプラに切り替え

(注1)
※ゾニサミドは、抗てんかん薬エクセグランまたはコンセーブの主成分となるもの。
※薬が2種類あるので、わかりやすくするため、ここでは両薬ともゾニサミドと総称します。

 

 新薬イーケプラについて

イーケプラはまだ人間用としても新薬の部類らしく、実績データは乏しいようです。大塚製薬が2015年に下記のプレスリリースをしています。

新規抗てんかん薬「イーケプラ®」 部分発作の併用療法に加え、単剤療法の承認取得

 

当然、イーケプラは犬用という訳ではありません。DVMsの医師が現場で使った経験上、結果が良好であるとのことで、使ってみようとの判断になりました。副作用もほぼないとの事。

イーケプラの投与は、1日3回1/2錠を、3日間投与が1クールとなります。

(特記事項)
現在は犬用のイーケプラも既に承認されています。犬用はネットの記事では、薬名がレベチラセタム(イーケプラ)と表示されていることが多いようです。

飼い主の所感としては、イーケプラの効果は高いです。
これまでに発作を予感させるような行動や、小さい発作ではないかと思われる体調の変化が何度かりましたが、イーケプラ投与後はそれは鳴りをひそめました。

昨日で1クールが終了したところですが、今後イーケプラの血中濃度が下がっていくのに従って、ピーチーがどのような変化を見せるのかを注視しなければならないと思っています。

イーケプラを使う上での問題点は2つ

1.正確に8時間おきに服用させる必要がある

飼い主のライフサイクルを調整し、夜中に目覚ましをかけてでも与えなければなりません。工夫が必要になります。

2.薬価が高い

ピーチーに与えていた時には新薬だったので、1ヶ月で3万円くらいかかりました。
今ではそれほどではないようですが、ある記事では1錠(250mg)あたり125円ほどとなっていました。病院で処方される際はもうちょっと高いと思います。
安くなったとはいえ、まだ高い薬です。

ピーチーに処方された抗てんかん薬
抗てんかん薬の写真
(左から)エクセグラン、コンセーブ、臭化カリウム、イーケプラ

――癲癇闘病記・発作は嫌いよ(13/31)つづく――

文:高栖匡躬
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 ▶ 高栖 匡躬:猫の記事 ご紹介

――次話――

発作は嫌いよ|14/31

イーケプラを服用して1週間。とても効いているように思えました。
安定感が違うのです。
しかし当時は新薬で、参考になる情報がほとんどありません。
そこでピーチーでの使用感をまとめました。
同じ病気で悩む飼い主さんと、情報を共有するために。

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――前話――

発作は嫌いよ|12/31

無事に麻酔から覚めたピーチー。
いよいよMRI検査の結果を聞きます。
「脳には全く病変がありませんでした」
それが担当医の言葉。
――なぜ? 脳腫瘍が強く疑われたのに。
髄液にも異常なし。
まずは嬉しい――
しかし、本当の闘いはここからでした。

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――この記事の初回です――

発作は嫌いよ|1/31

我が家の愛犬、ピーチーの癲癇闘病記です。
それはある日突然の発作からはじまりました。
予備知識もなく駆け込んだ救急病院。
発作は1回限りのものかもしれず、まずは様子見だそうです。
――僅かな希望
しかし、発作はその後も繰り返し襲ってきました。

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