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【肺がん】3月24日 酸素テントが届きました ~うちの子が旅立つまでのこと(7/18)~【病状悪化】

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ピーチーの闘病記:肺がん・看取り編  f:id:masami_takasu:20180312221003j:plain

撮影&文|高栖 匡躬
 
当時を振り返り

ピーチーの病状悪化も、前日から下る速度が増した印象でした。

トイレに行くのに、ほんの数メートル歩くだけで息が上がります。
歩くたびに、酸素を吸わせて楽にさせてやる――、その繰り返し。

ピーチーは自分の体に何かが起きていると思っていて、「あれ、おかしいぞ」というような、戸惑いの表情を見せました。

そして自分で、自分の体が弱っていないのだと思いたいのでしょうか?
それとも飼い主に、自分の元気な姿を見せようとしているでしょうか?
やたらと歩きたがりました。

試しにと買った携帯酸素のボンベは、残り少なくなりました。
前日には、レンタルの酸素ジェネレーターを申し込みました。
まさかうちのピーチーのために、酸素テントを使うことになるとは、思っても見ませんでした。何しろ、その僅か半年前には太い枝を咥えて走り回っていた子です。

犬に流れる時間は、本当に早回しだなと思います。

 当時のブログより - 酸素テントが届く

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今日のピーチーですが、朝はビックリするくらい元気でした。トイレにも自分で行くし、歩ける距離も長いです。
あんまり嬉しくて、写真を撮るのも忘れてしまいました。

午前中に、レンタルの酸素ジェネレーターとテントが届いたので、早速組み立てました。パイプで骨組みを組んで、その上に箱型になったビニールのテントを上からかぶせます。

底部は粘着テープで貼りつけるようにと、説明書きに書いてありました。意外に単純な構造です。前面はファスナー付ので開閉できるようになっています。

組み立ててみると――

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こんな感じです。

ピーチー中にを入れてやると、環境の変化が気になるのか、ウロウロと動き回り外に出ようとします。しかしやがて諦めて、ブースの中に敷いた毛布の上に伏せました。

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諦めて、ペタリ。
その前にあるのは、ピーチーの薬やおやつ。
何も無いとすぐ出てこようとするので。

 シャワーでぐったり

実はこの後が良くありません。
昨日は食欲があって、今朝までは便が正常だったのですが、その後で下痢をしてしまったのです。オムツをしていましたが、それでも酸素テントの中でやったら大惨事です。ピーチーの体だけでなく、テントにもベッタリ付いています。

慌ててお風呂に連れて行って、汚れたところだけシャワー。
元気な頃ならば、全体を洗ってやりたいところですが、弱っているのであまり体を濡らしたくはありません。

ピーチーはそこまでは比較的元気があって、お風呂ではずっと立っていたのですが、シャワーで体力を奪われたのか、そのあとはグッタリしてしまいました。

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こんな感じで、グッタリ

実は今日は、まだご飯も食べていません。
グッタリの前に食べさせてあげればよかったと、ちょっと後悔しました。

そのままピーチーは一眠りして、しばらくたったら突然自分から起きあがりました。
そして、酸素テントを開けやると、自分から歩いて水を飲みに行きました。

自分の足で、水飲み場へ

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ずーーーっと水を、飲んでいます。
酸素の中にいると。喉が渇くのです。

その後、また酸素テントに戻して、大好物のウニを食べさせてみたところ、ようやく食欲に火が付きました。

チキンの腿肉を一気食いです。

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寝たままの姿勢でしたが、今は仕方がありません。
目には生気が戻っています。

食べた量は、1食分には足りないのですが、自分から食べてくれたのは良かった。
まずまずです。

 

 ペットの肺がんをもっと知るには

こちらの記事に、肺がんの概要を解説しています。
はじめて読むのに最適です。

この病気は激しい咳や、血痰を想像しがちですが、実はそれほど顕著な症状がでないことが多いようです。
ほんのちょっと息が粗い程度の場合もあります。
気になったら動物病院へ。

 

――うちの子が旅立つまでのこと(7/18)つづく――

文:高栖匡躬
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――次話――

この日のブログには、その時の、正直な気持ちを書きました。
「ピーチーが旅立った時、どうか『虹の橋』で慰めないで下さい」と。

ピーチーは全力で生きて、一生を駆け抜けた。
僕たちは、それを全力で見守った。

そんな終わり方に、してあげたかったのです。

――前話――

体調の悪化――
――そしてそれは、別れの予感。
飼い主は迷います。
これまでの治療と食事を続けるべきか?
同じ経験をした方は多いでしょう。
別れが前提であれば、気持ちを切り替えなければなりません。
それは、回復を諦めることでもあります。

まとめ読み|ピーチーの闘病記:肺がん・看取り編②
この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。

 

――本章の1話目です――

いつも元気一杯だったピーチー。
大病をしてから、体調に浮き沈み。
この数日も「ちょっと変」と思い、「”多分”、いつものこと」とも思っていた。
”多分”は段々と弱々しくなり、少しだけ嫌な予感も。
「今日は病院だな」と思ったのがこの日。

――この連載のはじまりです――

はじまりは、ほんの小さな予兆でした。
体の震え。ときどき息が粗い。食欲不振。
ピーチーは大病を大きくは2度経験してから、体調が悪いときがたまにありました。既往症もありました。
またかな? と思ったのが始まりでした。

他の闘病記もご覧ください。

胆管閉塞闘病記|闘病ブログ

ある日突然、我が家のピーチーを襲ったのは急性膵炎
危険な状態でしたが、幾つも幸運が重なって無事回復しました。
「良かった」と胸を撫でおろす飼い主。
――しかし、そうではありませんでした。
それは本当の闘病の始まりだったのです。

劇症肝炎闘病記|闘病ブログ

筆者の愛犬ピーチーは2014年8月16日の早朝6時、救命救急に駆け込みました。
40度を越える高熱。ぐったりとして動けない。
ただごとではないと思いました。

振り返ると、異常を感じたのは8月10日の夜。
突然の体の震えと、食欲不振が恐らく前兆だったのでしょう。
このときは、掛かりつけの病院で、熱中症と診断。
その時には、肝臓の諸数値は正常値でした。

そして6日たち、16日の朝を迎えます。
この日から、命を賭けた闘病が始まったのでした。

自己免疫不全闘病記|闘病ブログ

2015年のある日、我が家の愛犬ピーチーを病魔が襲いました。
最初は夏バテかなと思い、次に熱中症を疑いました。
かかりつけの獣医師も、熱中症との診たてでその治療を。

しかしピーチーの状態は悪化の一途。
ただならぬ状態に、未明の救命救急に飛び込み、そこで発覚したのが重度の肝炎でした。
結局後になって、それが自己免疫不全が引き起こしたと分かるのですが、まさか免疫の暴走が劇症肝炎を引き起こすなど、想像もしていませんでした。

肺がんの医療記事です 

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