うちの子がうちにくるまで|No.19 
『はながうちにくるまで』の作者、はなここさんのお宅に、2匹目の愛犬ここあを迎えるお話。
多頭飼いの2匹目は、1匹目を迎える時とは違う葛藤があるものです。
飼おうと考えたのは、1匹目のはなさんが寂しくないようにいうのが理由です。同じ理由で多頭飼いを始めた方は多いでしょう。さて、ここあは、すんなりはなここさんの家に来るのか?
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一匹目の子が寂しくないようにしたい
今回は、我が家にとって2番目の家族、『ここあ』のお話をしましょう。
最初の子、『はな』を迎えてから、私たちは『はな』が寂しくないように、ブリーダーさんが定期的に開催する「オフ会」に参加するようになりました。
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1度目の「オフ会」は、『はな』が我が家の家族となってまだ2ヶ月にも満たない頃。
そこには可愛い仔犬達がいて、多頭飼を望んでいる参加者たちが、その日のうちにその子たちを、新しい家族として連れて帰りました。
そして、私たちはその姿を、微笑みながら見ていました。
当時の私は、私にベッタリの『はな』以外の子を迎えることなど、考えてもいません。『はな』だけに、愛情を注ごうと思っていました。
2度目の『オフ会』は1年後。そこで運命の出会いがありました。
兄妹達が新しい家族に連れられて巣立つ中、選ばれることなく残っていた、ミニチュアダックスのワイヤーの女の子がいたのです。それが我が家に来て、『ここあ』と呼ばれる事になる子です――
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『オフ会』でみんなに交互に抱っこされ、とても愛想がよくて、元気な子♪
みんなに「わぁ~!可愛い~!!」と言われ、その声に反応するかのように、喜びを全身で表す子でした。
そんな子だから、きっとどこかの家族に迎えられるんだろうなぁ~と、私は思っていました。ところが――何故かその子は、誰も連れていかなかったのです。
私の心は揺れました。
なぜ『はな』だけに愛情を注ごうとしていた私の心が動いたか、疑問に思われるかもしれませんね。それには理由があります。
当時の『はな』は、我が家に来て1年も過ぎているのに、パパには身体を触らせませんでした。事情は前回に触れたとおりです。抱っこどころか、お出かけした際私がトイレに行く時、パパにリードを渡しただけでも暴れる始末。
パパが一所懸命に『はな』と仲良くなろうとしても、『はな』は逃げてばかり。パパが『はな』にとって、ストレスになっているのではないかと心配したほどです。
そんな事情から、もう1匹いたらどうだろう、と考えたのでした。
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そして、他にもう1つ理由がありました。ネットで見掛けた情報によれば、多頭飼いする場合は、先住犬のストレスを考えてその子が5歳くらいまでに迎えた方がよいとのこと。
5歳を迎えた『はな』の為には、今迎えなければ、もうないかな~と考えたのです。
もちろんこういうのには、相性がとても大切ですね。
まずは、はながその子を受け入れられるか?
そして我が家の絶対条件――パパっ子になれる子なのか?
私の膝の上には、スヤスヤと眠っている『はな』
そして、『はな』に寄り添って眠るワイヤーの小さな子。
「こんなに可愛いのにね……」
やがて私の迷いは、すっかり消えていました。
『一緒に帰ろうか♪』
こうして、そのワイヤーの女の子は、我が家の家族になったのです。
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勿論、パパは反対でした。お金もないし……
ですので『ここあ』は、私がブリーダーさんにお願いして、現金分割払いで連れてきちゃいました。
『ここあ』を家族に迎えたことで、『はな』は、前より自分を出せるようになっていきました。以前は滅多に吠えなかったのに、今ではしっかりと、自我を出せるようになりました。
『ここあ』を見て、こんなことをしても叱られないんだな――、こうやって甘えてもいいんだな――と、心を開くきっかけを学んだのだと思います。
『ここあ』はいつも『はな』の傍に居て、『はな』が居ないと探しまわる優しい子。
『ここあ』にとっては、『はな』がお母さんみたいな存在かもしれません。
『ここあ』も、『はな』と同じくらいかなりのママっ子。
でも、ちゃんと『はな』を尊重しながら、ママに甘えてくる心優しい愛娘。
「ここあ♪ はなの心を開かせてくれてありがとう」
「私達に笑いをありがとう」
貴女は、私達家族の元気印です♪
――ここあがうちにくるまで|おしまい――
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犬種:ミニチュア・ダックスフント
飼主:はなここ
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――うちの子がうちにくるまで・次話――
偶然に手に入れたマンション。引っ越してからわかったのですが、なんとそのマンションは、当時にしては珍しい、ペット可の物件だったのです。
――うちの子がうちにくるまで・前話(3話構成です)――
犬との出会いは、一匹ごとに全く違うドラマがあります。
本話は、愛犬との出会いの切っ掛けが猫だったというお話。
自分の不注意から猫の子姫が去ってしまい、飼い主だったはなここさんは、ペットロスに一直線。しかしそこに、犬との出会いの時がやってきます。
3話連続の最終話です。
なかなか懐かないはなについて――
はなと出会うきっかけとなった、愛猫、子姫のその後について――
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この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。
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この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――うちの子がうちにくるまで、第1話です――
昔からいつかはワンを飼いたいと、ずっと夢見ていたんです。
でも、夢と現実の差はでっかいですよね。結局はずっと、実現できずじまい。
――そんな夢を叶えた飼い主さんのお話。
犬との出会いは運命に似ています。
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おすすめの、うちの子がうちにくるまで
猫を亡くした作者。
供養をした翌日、ふらりとペットショップに立ち寄ると、そこには[ただであげます]と張り紙された犬がいました。
作者が初めての犬を飼い始めてから3カ月後のこと。
散歩から帰ったご主人が言いました。
「へその緒がついた子犬が捨てられていた」
草むらには本当に「生きたい、生きたい」と鳴く2匹の子犬がいたのでした。
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出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。