犬を飼うということ

いつまでも君と……

覚えている? 楽しかったね ~テツへの手紙(2/4)~

f:id:masami_takasu:20180823125904j:plain撮影&文:テツのママ

テツとの生活は、毎日、毎日とっても幸せでした。
パパと口喧嘩をした時には、いつもテツが間に入って、じっと座って見守ってくれました。 私が悲しんでいると、そっと膝の上に顔を乗せて、まるで「どうしたの? 大丈夫?」と言っているかのように、テツは私の顔を心配げに見つめてくれました。

私だけじゃなく、日本から遊びに来た、ばあば(私の母)にもそっと寄り添い、優しくしてくれました。ばあばもテツのことが大好きでした。
一緒に旅行にも行きました。

~テツ、パパとママと一緒に行ったワイナリーのことや、じいじとばあばとの旅行のこと覚えてる?  テツの体のことを考えて、なかなか一緒に遠出をしたり出来なかったね。 本当はもっともっと一緒に旅行に行ったりしたかったんだよ~

 

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テツは私やパパのお友達みんなの事が、大好きでした。
テツも皆から愛されていました。

テツは体が大きいけれど繊細で、優しくて人間のように皆に気を使うことができる、頭の良い子でした。

こうして楽しく幸せな月日が、過ぎていきました。
テツが10歳を迎える頃でしょうか。
急にテツに年齢を感じるようになりました。

それからはテツの健康に注意して、テツが穏やかに幸せに暮らせるようにと、私は一生懸命でした。
そして、11歳の誕生日を迎えました。
私は次の年も、その次の年も、テツの誕生日を祝ってあげられると思っていました。

 

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しかしテツは、私の願いと裏腹に、11歳のお誕生日を迎えたと同時に足腰が弱ってきました。歩くもの辛そうで、段差のある場所では昇り降りが困難な状態に――
テツ自身も「どうしたんだろう僕?」と思っているようでした。
きっとテツも辛かっただろうし、不安だったと思います。

「大丈夫、大丈夫」
「ずっとずっと一緒だよ」
「愛しているよテツ」
私はテツの不安を取り除いてあげたくて、一日に何回もテツの体を撫でながら声を掛け続けました。

 

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私はそんな風にテツに接しながらも、心の中では別のことも考えていました。
テツはもしかしたら寝たきりになるかもしれない――
寝たきりになったら、おむつとかどうしよう――

いざと言う時に慌てないで、テツをしっかり支えてあげられるためには、そのときに備えて色々と準備をししておかなければならないと思っていたのです。

 

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それから、テツの体調は急激に悪くなっていきました。
パパは「安楽死」のことも考えていました。
安楽死は日本と違い、欧米文化の中では治療と同じくらいの次元の選択肢です。
だから、それを選択したからと言って、犬に対する愛情が薄いわけではありません。むしろ愛情があるからこそ、苦しませないという考えが根底にあるのです。

しかし私は「そんなの絶対に嫌」と思いました。
「なんでそんなこと言うのよ、パパのバカ!」
「テツは絶対に、一緒に生活したこの家で、私たちに看取られ最期を迎えるの!!」
そう言って、パパに怒りをぶつけたのです。

 

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それから私は、たくさんテツのことを考えました。
「テツが苦しんで最期を迎えるのは可哀想……」
「苦しまずに最期を迎えられるには……」
私はテツに見られないところで、毎日泣いていた。

~あの頃はね、テツ。ママは本当に、本当に、辛かったんだよ~

 

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――2017年9月29日(金曜)――

テツの辛さはきっとピークだったと思います。
この日もテツは、ちゃんと自分の足で立って、歩いて、夕飯も食べていたので、私は安心していました。
しかしその夜、 テツは崩れるように倒れ、急に自力では立てなくなってしまいました。

私は心臓はバクバクしてうろたえました。
「どうしよう、 どうしよう」
「ダメよ、テツ、もっともっと一緒にいるのよ」
そう心の中で叫んでいました。

 

――テツへの手紙(2/4)つづく――

文:テツのママ

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