犬を飼うということ

いつまでも君と……

【どうして?】れんは、注射よりもクレートが嫌い! ~混合ワクチンにまつわるお話(その3)~

f:id:masami_takasu:20181127022852j:plain文:かっぱ太郎、撮影:F.zin

前回に続き、まずは主治医の先生のお話から。

先生が初めてちぃを診察したときのことです。
「ちぃちゃん、ちぃちゃん。はい、ちょっとお母さんのほうを向いてね」
先生がそんな風に、ちぃに一生懸命話しかけるので、当時犬のことをあまり知らなかった私は心の中で、『ちぃを産んだのは、私じゃないんだけどなあ。先生ったらおかしな言い方をするなあ』などと思ったものです。

 

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先生の奥さんも、動物看護師として同じ病院で働いており、ちぃが幼かった頃は、いつも背中に赤ちゃんをおんぶしていました。ある日ちぃが、奥さんの背中からぶらさがっていた赤ちゃんの手の先を、べろべろとなめてしまったことがあり、私はあわてて謝ったのですが、奥さんは朗らかに、
「大丈夫ですよー」
と笑って、赤ちゃんの手を拭くことさえしませんでした。

犬のしつけ本をたくさん買い込んで、頭でっかちになっていた私は、犬の口の中の菌は、人間にとっては有害なものと思っていました。だから内心、『逆の立場だったら、きっと私は自分の赤ん坊の手をすぐに洗ってしまうな』と思いながらも、この人は本当に犬が好きなんだなあと、心が温かくなりました。

その後、ちぃやれんと暮らすうちに、あのとき先生が、ちぃに話しかけたり、看護師の奥さんが大事な赤ちゃんの手を、ちぃの前では拭かなかった理由が、なんとなくわかるようになりました。

 

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犬は、私が想像していた以上に、飼い主の言葉をたくさん理解するだけでなく、感情も豊かですね。

れんに、「ボールは?」と聞けば、一生懸命自分のボールを探して持ってきますし、ちぃは、れんが居間の床の上で粗相をしたときには、台所にいる私のところに走ってきて、すごい剣幕で怒りながら私を呼びます。

相棒の粗相くらいで、そんなに怒らなくても…と思いますが、きれい好きのちぃには、れんの「だらしなさ」が許せないのかもしれません。
ちぃは、私が後始末をしてトイレに流しに行くところまで、きちんと見届けないといけないようで、いつもトイレの前までついてきて、私の仕事ぶりをチェックしてから居間に戻ります。

 

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さて、ここからようやく、れんの予防接種のお話です。

ちぃの予防接種が終わり家に帰ると、れんは吠えもせず、おとなしく待っていました。れんはきっと、「お母さん、随分トイレが長かったね。ちぃ姉ちゃんは、玄関で遊んでたのかなあ?」くらいに思ってくれていたに違いありません。

テレビ番組の、『犬のしつけ選手権』で優勝していた森田誠さんという人が、「私の犬は、『待て』と言えば軽く3時間は、じっと待ちますよ」と言っていて、信じられなかったのですが、れんも30分くらいなら静かに待てるようになったのかもしれません。
森田さんの犬は立派なもので、指示された場所に「フセ」をしたまま3時間(…ちょっと気の毒?)で、れんの場合は、自分のケージの中をウロウロしながらの30分ですがけれど。

 

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「さて、次はれんの番!」
れんの予防接種の旅ですが、れんは車の助手席に乗せた途端に、後ろ脚をぶるぶる震えさせ、極度の緊張状態になっていました。まだエンジンもかけていないというのに、びびりすぎです。

れんの背中をゆっくりと撫で、体の震えが止まったのを確認すると、れんは運転席と助手席の間の溝に降り、ぴったりと「フセ」をしたので、これは安全だと思い、そのまま病院へ向いました。

以前に記事にも書きましたが、れんはクレートに入れられると「ひゅるひゅる」と泣くのですが、この時はおとなしくしていました。ところが、病院に着き、れんが立ち上がると、れんが伏せていたマットが、ものすごくしっとりしていて臭うのです。
タオルを敷いてやらなかったことを後悔しました。

 

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れんは、注射はおとなしくされるがままになっていましたが、せっかくいただいたおいしそうなオヤツには目もくれず、会計を待つ間に、他の犬の飼い主さんと目が合うと、なぜかきちんとお座りをしてみせて、ほめられていました。

帰りの車の中では、まるで「ぬいぐるみ」のように助手席に深くうずくまり、動く床の恐怖に耐えていました。(気の毒すぎ…)

クレートに入っても、入らなくても結局、お漏らしをしてしまう、この小さな男(れん)が、家族でキャンプに行ける日は果たして、やって来るのでしょうか…。

(おまけ)
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――混合ワクチンにまつわるお話(その3)おしまい――

作:かっぱ太郎、F.zin

――前話――

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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――出典――

※本記事は著作者の許可を得て、下記のエッセイを元に再構成されたものです。