ラフと歩いた日々、ラフのいない日々

カテゴリー:エッセイ
作者:樫村 慧
『ラフと歩いた日々』と『ラフのいない日々』は、『ラフと歩く日々』の続編で、3部作の構成になっています。
愛犬ラフが腎不全とわかり、余命2年と告げられてから、投薬と点滴の日々が始まりました。これだけを読むと悲劇的と思われるかもしれまでんが、そうではありません。戸惑いながらも、病気を受け入れてからの毎日はとても充実したものでした。
そこにラフが居てくれるだけで、私家族は満たされて幸せだったのです。
しかしラフとの別れは、少しずつ少しずつ近づいて来ていました。
『ラフと歩いた日々』は別れを見据えた、終末期の闘病の日々を。
『ラフのいない日々』はラフと分かれてからの日々を綴ったものです。
【目次】
ラフと歩いた日々
第1話|いつもとちがう散歩道
本作は私の愛犬ラフのエッセイで、『ラフと歩いた日々』の続編です。
来月の18日で愛犬ラフが亡くなって2年。いなくなってからも、ラフの最後の時間を残しておこうと思いながら3ヶ月間書けませんでした。ラフとのかけがえのない日々は今もずっと私の事を守ってくれています。
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第2話|はじめてのご馳走
腎不全のラフがついに腎臓サポート食を食べなくなります。
それからは食べてくれる物を与えていましたが、それも段々と食べなくなって…
食いしん坊のラフが、何年も腎臓サポート食を食べてくれたのは本当に偉かったなと今になって思うのです。
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第3話|消えない光
『ラフと歩いた日々』最終話。
私と息子達にとってラフは、最愛の家族である主人の闘病・看取りを共に乗り越えてきた、同志のような存在。
そんなラフとの身を切られるような別れには、私なりの揺るぎない想いがありました。【わたくしは、わたくしの信念に基づき、愛犬の死に方を選んだ。本望である】
ラフのいない日々
きみがここにいた意味、今ここにいない意味
愛犬ラフが亡くなって2年を過ぎた。
いなくなってからもラフはかけがえのない存在で、いつでも私の背中を押してくれる。犬と暮らす意味、みたいなものをおしえてくれている。
ラ〜フ、そっちの調子はどうですか?
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今、幸福にも私が犬猫のサイトに携わっているのには、『ラフと歩いた日々』を書いたことが大きく関わっている。
最初に書いた『ラフと歩く日々』を書いた時には、まだラフがそばにいて闘病していた。しかし、ラフを看取った後、なかなかその最期について書くことは出来なかった。もしかすると、ずっと書けないかもしれない、そんな風にさえ感じていた。
しかし、ラフとの最期を残すことは、なぜだろう、使命のような気がした。それは、私自身のため、ラフのため、そして、愛犬との別れに打ちひしがれているかもしれない誰かのため。
安楽死については、様々な意見がある。命に関わることなのだから、それも当然のことだろう。しかしながら、”命”という大事な議題であるにもかかわらず、良いか悪いかという、簡単な二元論の議論に行きがちなことについては残念に思う。
命のことなのだから――、大切な愛犬の命に関することなのだから、”良い”とか”悪いとかだけでなく、その中間にあることも、その周辺にあることもきちんと考えたいし、議論もしたいのだ。
――私は私の大切なラフの死に方を選ぶ――
このシンプルで大きな決断は、すうっと自然にやってきて、そっと背中を押した。迷いはなかった。そして私は、その最後の決断の記録を残しておかなければ、ラフと私が生きた証は残せないと思うようになった。
このエッセイを書くことを勧めてくれたサイトの主宰、そして、この拙作を読んでくださった全ての方に、心より感謝しています。
――犬と暮らす――
なんでもないようで、とても幸せな時間。
犬がいる人生は、とてもあったかくて、たまにちょっぴりほろ苦い。
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作:樫村 慧
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解説:樫村 慧
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樫村慧・セルフコメンタリー
前作『ラフと歩く日々』のセルフコメンタリー
本作は樫村慧さんの代表作。
ホームセンターで売れ残っていたゴールデンレトリバーと、その子を迎えた家族の物語です。
樫村慧さん自身のコメントで、もう一度どうぞ。
まとめて読んで欲しいから、今日から3日間、樫村慧さんのまとめ読みを連投です。
看取り・安楽死の関連記事です
君を送る日の十戒
『犬の十戒』は、犬と飼い主の適切な関係を犬の言葉で綴ったもの。
作品に倣って多くの飼い主さんが、愛犬のためのオリジナル十戒を書いています。
本作は飼い主が愛犬を看取る際の十戒です。
経験をした方なら、きっと分かる。
――と思うのですが、どうかな?
死は我が子を優しくつつむ
愛犬の『死』をイメージしたことはありますか?
経験して感じたことは、月日が経つほど『死』の印象は柔らかくなるということ。
実は『死』は、優しいものなのかもしれないな?
そんなお話です。
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別れに関するまとめ読みです
別れは特別なものでなく
我々は、看取りの内容に囚われてしまいがちです。
良く看取れたのか? そうでなかったのか?
別れのあとも、ずっとそれを考えてしまいうのです。
別れは特別なものではなくて、生き物には必ず訪れる自然なものです。
必要以上に重要に考えないことが、大切なように思います。
看取りをもっと積極的に捉えられるように、このコラムを書きました。
ペットの安楽死、考えたことがありますか?
ペットの安楽死について、考えたことがありますか?
多くの方は、考えたくもないというのが、正直な気持ちでしょうか?
誤解されやすいのですが、安楽死は”死なせる”ことではありません。
どうやって生かすかを、正面から見据えることでもあります。
安楽死を意識した途端に、ペットの生は輝くのです。
安楽死は、事前に深く深く考えておかないと、「その時」に、
”する/しない”の選択ができなくなります。
思考が止まるからです。
賛成も反対も、ご意見があることでしょう。
一緒に考えてみませんか。安楽死について。