犬を飼うということ

Withdog 犬と飼い主の絆について

【はじめての犬】犬を迎えた理由は一人息子のためでした ~はながうちにくるまで(前編)~【実は夫が犬嫌い】

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うちの子がうちにくるまで|No.32 - 1 うちの子がうちにくるまで_はな

撮影&文|はなちゃんママ
 
今日のお話は

作者が犬を迎えたのは、一人息子さんのためだそうです。やむにやまれに事情があったのだとのこと。しかし1つ問題がありました。

作者(お母さん)は元々犬が大好きだったのですが、ご主人が犬嫌いだったのだそうです。
さて、ご主人を説得して、犬を迎え入れることはできるのでしょうか?

こんな方に:
柴犬ってどんな犬?|今まで犬を飼ったことがない|初めて飼うのが不安|皆さんどうやって飼うのを決めるの?|経験者の話が聞きたい

 

はなを迎え入れた理由は、一人息子の為でした。
その当時小学生だった息子は、学校生活に疲弊してしおり、日に日に憔悴していくように見えました。息子の心の内は分かりません。しかしこの世からいなくなりたいと言うニュアンス言葉を発したこともあり、親としては気が気ではありませんでした。

そんな息子が突然に、「犬を飼いたい」と言い出しました。
「犬?」
思ってもいなかった言葉に、私は驚きました。
しかし息子は本気のようで、「どうしても犬を飼いたい」と熱望しました。
日頃から何かが欲しいとあまり言わない子でしたから、余程の事なのだと私は感じました。

 

犬を飼う事自体には、私は反対ではありませんでした。むしろ私も飼いたいと思いました。それまで一度も犬を飼ったことはありませんが、私は元々、犬が大好きなのです。

しかし問題が一つありました。
実は主人が、犬が苦手だったのです。
主人は幼い頃犬に噛まれ怖くなったそうです。だから当然ながら、主人も一度も犬を飼ったことはありません。
因みに私の方も、幼い頃にセントバーナードに噛まれた経験があります。
しかし不思議と怖いと思った事は、一度もありませんでした。個人差があるのですね。

私は息子に、「お父さんを説得してみる」と言いました。
息子は「本当に?」と、嬉しそうに答えました。
私は何としても、主人を説得しなければと思いました。息子を失望させたくはありませんからね。

 

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さて、その説得ですが、簡単ではありませんでした。
「犬なんて、飼ったことないじゃないか」
「誰が面倒をみるんだ?」
「病気になったらどうするんだ?」
「犬を飼うと、もう旅行にいけなくなるぞ」

主人は犬嫌いというだけでなく、色々なことが気になるようで、簡単には首を縦には降りませんでした。しかし私は毎日のように、主人の説得を続けました。とにかく息子を助けたい一心でした。

やがて根負けをしたのか、主人も納得をして、「わかった」と言ってくれました。

当時をふり返ると、主人の心を動かす決定打もやはり息子だったように思います。
息子の憔悴ぶりを見て、大げさかもしれませんが「どうにか息子をこの世に繋ぎ止めて置きたい」という思いが湧いたのでしょう。

もしかすると私たち親の方が、息子が欲しがっている犬に、助けを求めていたのかもしれません。きっと愛犬家の方達に話すと、怒られてしまう様な不純な動機ですね。

飼うと決まったら、次は犬種。家族で話し合いました。
私は比較的大人しいキャバリアが良いと思っていたのですが、息子は「柴犬がいい」と言いました。「どうして?」と訊くと、「一緒に走ったり出来る犬が良い」と答えました。息子のための犬なので、そこは息子の希望通りに、すんなり柴犬に決定しました。

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それから家族で、近隣の柴犬のブリーダーさんの所へ行くことにしました。
当時私たちは、犬を迎え入れるには知識不足で、ペットショップかブリーダーの
二択しか知りませんでした。保護犬の存在など全く知りもしなかった時です。

よほど嬉しかったのでしょう。前の日から息子は少々興奮気味でした。

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さて、初めて犬舎を訪れた私たち。
まずは下見のつもりでした。何しろブリーダーさんを訪問するのだって初めてで、勝手など全く知りません。

しかしその初めてで、息子は、はなと出会ったのでした。

犬舎に案内されると、少し大きめのケージに小さな子犬の姉妹が4匹で入っていました。ブリーダーさんがその中の一匹を抱き上げて、息子に抱かせてくれました。

その犬がはなでした。正確に言えば家に来て、はなになる子犬です。
その子犬は、一生懸命に息子の顔や腕を、ペロペロと舐めました。
その姿は、まるで「一緒に連れて行って」と言っているように見えたほどです。

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息子は開口一番「この子が良い」と言いました
周りの大人は口々に「そんなに簡単に決めない方がいい」と言いました。
犬との相性もありますし、色んな子を見てから決めた方が絶対に安全です。
しかしどんなに説得しても、息子は「この子が良い」の一点張りでした。
そこで「そんなに言うのならと」と、はなに決めたのでした。

私もその子を抱いてみました。
その子は、息子の腕の中にいる時と打って変わり大人しく、じっとしていました。
そして――、ずしりと重かったです。
命の重さなんて言うと、格好良く聞こえるかもしれませんね。
でも私は、小さな小さな子犬に、例えようのない重さを感じたんです

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今思うと、あれは運命的な出逢いだったと思います
息子は幼い頃から、動物の方から寄ってくる不思議な所があるのです。
その子が、息子を選んだのです。
無責任に聞こえるかもしれませんが。私はその時点で、息子とその子犬の絆を確信したのです。

その子は、その日のうちに連れて帰ることになりました。
息子のたっての希望でした。
まさかこの日に即決するとは思いませんでしたが、我が家には前もって必要な物は買い揃えてあって、準備は数日前に済ませてありました。だから、あとはこちらの覚悟だけでした。

 

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ブリーダーさんに頂いたバスタオルに包んで、私が抱っこをして車に乗り込みました。
今日から姉妹と別れて、新しい環境で暮らすことになります。
寂しくないようにとしっかりと抱きしめていたのですが、その子にとってはそれどころではなかったかもしれません。

車酔いをしてしまったようで、家に着いたとたんに吐いてしまって、用意していたケージの中で、ぐったりと横になってしましました。

子犬の名前は先に書いたように、はなと名付けました。名付け親は息子です。
息子曰く「柴犬の女の子は、はなが一番似合う」との事でした。
このようにしてはなは、うちの子になったのでした。

私は息子に、「犬と私の10の約束」を読んで聞かせました。
そして必ず約束を守るように、言い聞かせたのでした。

 

――はながうちにくるまで(前編)つづく――

うちの子がうちにくるまで|No.32 - 1
犬の名前:はな
犬種:柴犬
飼主:はなちゃんママ
 
うちの子がうちにくるまでとは
愛犬を家に迎えるまでの葛藤を、飼い主自身が、自分の言葉で綴ったエッセイのシリーズです。
こんな効果も:愛犬、愛猫を今すぐ100倍可愛くできる、最も簡単な方法

犬や猫と暮らすあなたへ

『うちで飼えるかな?』
『きちんと面倒を見られるかな?』

犬や猫を、”はじめて”飼う時、ほとんどの方はこう思ったことでしょう。
平均年齢でいえば、15年も生きる小さな命を預かるのだから当然ですね。
我々はそこで大きな決心をし、葛藤を乗り越えたからこそ、今、犬や猫と暮らしています。

どうかその思いを、忘れないでください。
その時の思いがあれば、我々はどんな時でも犬や猫と暮らしていけます。

【飼えるかなより

――うちの子がうちにくるまで・次話――

うちの子になった”はな”には、トレーニングが待っていました。
トイレのこと、それから小食だから、食べてもらうこと。
新米飼い主だから、本を見ながらはなと一緒に勉強をしました。
そんな風にして、あっという間に13年が過ぎました。

――うちの子がうちにくるまで・前話――

シングルマザーの私が犬を迎えたのは、息子に兄妹を持たせてあげたかったから。
悩みに悩んで迎えたのは、先代犬と同じシーズー。
さて、兄妹になれたかな?

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――うちの子がうちにくるまで、第1話です――

昔からいつかはワンを飼いたいと、ずっと夢見ていたんです。
でも、夢と現実の差はでっかいですよね。結局はずっと、実現できずじまい。
――そんな夢を叶えた飼い主さんのお話。
犬との出会いは運命に似ています。

 愛すべき柴犬たち

初めはウサギが欲しかった。そんな娘さんとの約束事。
しかしその約束は、いつの間にか犬を飼うという話に――
動物を飼うことに消極的だったお父さんは、約束を守れるのか?
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犬が大好きなのに、妻は自分の病気のために、飼うことは諦めていました。
ある日、夫が「犬を飼おう」と提案します。
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シリーズの続編記事

 

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しかし――、ある日のこと――
「家に帰ったら、子犬がいた」
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ある日のこと、2人は偶然に、柴犬専門店をみつけました。
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