可愛さを一番わかっているのは飼い主さん
老犬さんとの出会いと別れ、そして老犬アルバム
恐らく、私と同じように老犬さんが好きで、老犬さんを応援している方は、皆同じように老犬さんの訃報に接し、喪失感に襲われていると思います。
どうしてこんなに感情移入するのだろうかと考えてみたのですが、恐らく写真や動画で見る老犬さんに、老犬になった自分の愛犬を重ねてしまうからなのでしょうね。
そしてその老犬さんの飼い主さんに、自分が老いた愛犬を介護をしていた頃を重ねてしまうのだと思います。
大変なご苦労をされている飼い主さんに、不用意に「頑張って」という言葉はつかえませんよね。
それもまた、自分の当時を振り返ってしまうからです。
老犬(シニア犬)と暮らしている|愛犬が闘病中、または介護中|愛犬が亡くなってしまった|他の飼い主さんのことが知りたい|皆さんの頑張りをみて、元気をもらいたい
No.44は、ぷちこさん 黒い斑(ぶち)がチャーミング
前回は、No.43の小次郎さんまでを紹介しました。
No.44、45のぷちこさんとオスカーさんは多頭飼いのワンコさんで、飼い主さんはぷちままさんです。ぷちままさんから参加のご連絡をいただいたのは、老犬アルバムがスタートして1カ月を過ぎた頃でした。
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ぷちこさんもオスカーさんもジャックラッセルテリアで、ぷちこさんは黒い斑(ぶち)がチャーミングな女の子です。きっと飼い主さんが、その魅力的な斑をぷちと可愛らしく表現してぷちこさんなのかなぁ、と感じました。
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それを証明するエピソードがあります。
ぷちままさんから送っていただいたぷちこさんの写真をカードにしたところ、「耳や黒丸の特徴が見えなくなっているので、ほんの少し大きくしてもらえませんか」との連絡がありました。
そうか、やはりぷちこさんのチャームポイントの斑をとても大切に思ってらっしゃるのだなぁと納得しました。
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ママさんのご依頼通り少し写真を大きくしたぷちこさんのカードは、黒い耳と黒丸がはっきりと引き立って、ぷちこさんの凛としたお顔にマッチしているなぁと感心しました。
老犬さんの可愛らしさのポイントを一番わかっている飼い主さんならではのご指摘でした。
No.45は、オスカーさん 元気に走り回るジャックラッセルテリア
ぷちままさんは、ぷちこさんやオスカーさんと、景色のいいとても広い運動場でアジリティをやったり、ディスクをやったりと、とても充実した2匹との生活を送っていらっしゃるのをツイートで拝見していました。
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つい最近も18歳のぷちこさんが、アジリティを1周している動画があり、老犬さんになってもぷちこさんのペースで楽しんでいる様子が感じられて、老犬さんとの暮らしの充実ぶりが伝わってきました。
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13歳のオスカーさんは、まだまだ元気に走り回ってアジリティをこなしていて、まさに私のイメージするジャックラッセルテリアの俊敏さです。
正面から、カメラを構える飼い主さんを見ているだろうと思われる写真は、大きなキラキラした目が特徴的なもの。このお顔からも、毎日を楽しく過ごしているのがわかるようでした。
「おかーさんを大好きでいてくれてありがとう」
というメッセージは、飼い主なら誰でも感じる満たされた気持ちですよね。やっぱり、飼い主さんのことが一番好きなんですから、愛犬は。
No.46は、はなさん ギュッとハグされて困り顔
No.46のはなさんは、飼い主のはなのお姉さんから、私がはなさんのツイートをリツイートしたお礼のDMをいただいた際に、老犬アルバムに是非ご参加下さい、とお声をかけさせていただいた老犬さんです。
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はなのお姉さんは、ご実家とは別の場所に暮らしていて、はなさんはご実家でご両親と暮らしています。
「参加してよろしいのですか?パパもママも喜びます」
と、とても光栄なお返事をいただきました。
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はなさんは、ご両親からとても可愛がられているようで、つい先日もはなさんがお父様にギュッとハグされているツイートを見て、思わずニヤッとしてしまった私です。愛しくて仕方ない、という気持ちが、そのギュッに表れているんですよね。
はなさんの、少し困ったようなお顔がまた良くて、老犬さんとの暮らしがどれほど穏やかで幸せなものなのかがわかるものでした。
No.47は、Mackさん 暖かい老犬さんエッセイが沢山
No.47のMackさんは、Withdog・Withcatの記事も書いてくださっているライター奥村來未さんの愛犬さんです。
Mackさんが老犬になってからの様子の記事も、多数書いている奥村さん。
例えばMackさんと暮らすことで、ご自分の娘さんが成長出来ていると実感するという心温まる記事。
膿皮症、急性膵炎などの闘病記・体験談。
Mackさんが前庭疾患を患い、寝たきりになって介護が始まったという体験談。
まるで別れの時がすぐそこに来てしまったようと絶望感を尾添ながらも、実はMackさん自身が一番困惑しているのじゃないだろうかという、ご自身の気づきを綴った記事には、多くの読者が心を揺さぶられたと思います。
また寝たきりになったMackさんを、寝相アートにして、日々の大変な生活を前向きに過ごしている記事は、同じ愛犬の介護をしている飼い主さんの励みになったはずです。
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そんな老犬さんとの生活のエキスパート、奥村さんの愛犬Mackさんに、老犬アルバムへ参加してもらうのも、自然な流れでした。
Mackさんはお空組さんですが、奥村さんがMackさんと過ごした時間は、多くの人を魅了する記事となって、いくつも残っています。今は、新しい愛犬を迎えた彼女が、これからどんな記事を書いていくのかも、とても楽しみです。
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犬というのは、人よりもずっと短いその一生を、なんの迷いもなくただひたむきに全うしようとします。その姿を目の当たりにした私たちは、戸惑い狼狽えてしまいます。しかし、そんな清々しいほど迷いのない生き方に、学ぶものがたくさんあることをその子が旅立ってから気づくのかもしれません。
私たちが犬という生き物に惹かれる理由は、その子を看取った後にじわじわと実感出来るものなのかもしれないなぁと、私は感じています。
次はお尻がキュートな女の子
No.48の老犬さんは、プリっとしたお尻がキュートな女の子です。その後ろ姿は、とっても魅力的なのです。その老犬さんのお話は、次回に。
――つづく――
文:樫村 慧
▶ 作者の一言
▶ 樫村 慧:犬の記事 ご紹介
▶ 樫村 慧:猫の記事 ご紹介
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――次話――
次話は、No.48の、チャチャさんの思い出から始まる4ワンです。
老犬さんとの別れを経験するたびに、自分と愛犬の別れを思い出します。
もう3年になるので、思い出すくらいのことでは心は傷ついたりはしないのですが、まだ完全に塞がっていないだろう傷口が、シクシクと痛むのを感じます。
――前話――
前話は、No.40の、ジイターさんから始まる4ワンのお話です。
犬の平均寿命は15歳。老犬さんは出会った時点で、やがてお別れが来ることも分かっています。それでも――
老犬さんを応援するのということは、出合いと別れの繰り返しでもありますね。
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この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――この連載の1話目です――
第1話は老犬アルバムがスタートした経緯をお知らせします。
老犬アルバムのスタートは、一匹の大型犬、タフィさんが旅立った時の飼い主さんの言葉がきっかけです。「大きくて優しい子、ありがとう、大好き」その一言が忘れられませんでした。どうしてもそれを、何かの形に残そうとカードを作りました。
大きくて優しい子が、老犬アルバムを作ったんです。
老犬アルバムのご応募方法はこちらです
老犬アルバムに必要なのは、下記の6つの情報だけです。
①愛犬の名前
②愛犬の年齢(~カ月まで分かると尚良し)
③飼い主の名前(~ママとか、ハンドルネーム)
④小型犬、中型犬、大型犬の区別
※人間年齢を換算するために必要です。
※超大型犬は大型犬、超小型犬は小型犬で換算します。
⑤愛犬への一言、または、愛犬からの一言
⑥お気に入りの写真1枚
下記(担当:樫村慧)にDMをお送りください。
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老犬アルバムのご応募方法はこちらです
老犬アルバムに必要なのは、下記の6つの情報だけです。
①愛犬の名前
②愛犬の年齢(~カ月まで分かると尚良し)
③飼い主の名前(~ママとか、ハンドルネーム)
④小型犬、中型犬、大型犬の区別
※人間年齢を換算するために必要です。
※超大型犬は大型犬、超小型犬は小型犬で換算します。
⑤愛犬への一言、または、愛犬からの一言
⑥お気に入りの写真1枚
下記(担当:樫村慧)にDMをお送りください。
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老犬アルバムと老猫アルバム
老犬アルバムはここからスタートしました。
長老のハリー君は2019年6月20日に17歳の誕生日を迎えて、人間年齢124歳です。
でも、犬は何歳になっても子犬のようです。
老犬アルバムは51匹目からVol.2に突入しました。
開始当初は51匹は遠い未来でしたが、沢山のご応募のお陰です。
犬は子犬や、成犬の頃には見せなかった姿を、老犬になってみせたりしますね。
毎日が新しい発見です。
老犬アルバムは101匹目からVol.3です。
飼い主が家に帰っても、ずっと寝たまま。若い頃はお迎えにきたのにね。
しかし、その寝姿がまた愛おしく感じます。
時々頑固者になるのは、人間と同じですね。
老犬アルバムは151匹目からVol.4です。
人間と犬。言葉は交わせないのに、なんとなく心が通いますね。
こうして欲しいと、飼い主が思ったことをしてくれることが時々あって、不思議だなあと感じるようになる。
飼い主も、愛犬が何を言いたいのか心で感じ取れるようになる。
老犬アルバムの猫版。老猫アルバムです。
犬と猫の違い-――、猫歳をとっても見た目が変わらないので、絵にかいたような老猫というのがいないんですね。飼い主さんの心の中で、この子も歳をとったなあと思ったときが老猫。老犬よりもカードの数は少ないのですが、どの子も飼い主さんの愛情いっぱいです。
樫村慧|他の作品
近しい方のペットが病気になったとき、一声かけてあげたくなりますね。
励ましてあげたいんです。でも、どんな言葉を掛ければいいのか?
経験した人なら分かりますね。悪気なく、心からの思いで掛けた言葉が、時に相手を傷つけてしますのです。
いつも散歩道で会っていた、土佐犬リンんちゃん。
いつしかそのリンちゃんは、散歩道に現れなくなりました。飼い主さんが人と会うのを避けるようになったのです。大型犬で闘犬の血が流れたリンちゃんには、いわれのない偏見の目が合ったのです。