老犬さんは皆、どこかしらキラキラと輝いている
老犬さんとの出会いと別れ、そして老犬アルバム
記事にも一度書いたことですが、老犬アルバムには別の効果もありました。
私たちは老犬アルバムで制作したお写真を、折に触れて記事の扉や、告知で使わせていただくようにしています。なるべくたくさん使わせていただくように心がけているのです。
すると何が起きるか――
飼い主さんが意識していないとき、不意に愛犬との再会があるのです。
実際に私は、何度か感謝のメッセージをいただきました。
飼い主さんにとっては、サプライズで、新しい思い出がそこでできた気持ちになるそうです。
老犬(シニア犬)と暮らしている|愛犬が闘病中、または介護中|愛犬が亡くなってしまった|他の飼い主さんのことが知りたい|皆さんの頑張りをみて、元気をもらいたい
No.64は、HANAさん 宝石のような瞳
その老犬さんを見かけたのは、老犬アルバムがスタートしてまだ1カ月くらいの頃でした。宝石のような瞳でこちらを真っ直ぐに見つめている写真。老犬アルバムNo.64のHANAさんは、先天性網膜萎縮症で14歳の時に視力を失った老犬さんでした。見えていないとは思わず、こちらを見つめる画像に釘付けになったのです。
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いかにも女の子っぽい可愛らしいHANAさん。HANAさんの自宅の角という角には、梱包用のプチプチが貼られているそうです。HANAさんがどこにぶつかっても痛くないように、ママさんが貼ってくれたプチプチは愛情そのもの。そんなママさんには、私から参加のお誘いをしました。
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「なんだか緊張しちゃいますね。喜んで参加させて頂きます」
「いつも老犬アルバムは見ておりましたので、そのお仲間にHANAが参加できるなんて。主人もたいそう喜ぶと思います」
そんな返信を頂戴しました。
そしてHANAママさんには、老犬アルバムに参加してくれる老犬さんをご紹介いただけないかというお願いもさせてもらいました。その時どうしてHANAママさんに、老犬さんをご紹介くださいとお願いしたのか、よく覚えていないのですが、当時は丁度ご応募が少ない時だったので、同じ老犬さんと暮らす方同士、繋がりがあるかもしれないなぁと咄嗟に思ったことをうっすらと記憶しています。
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その後、HANAママさんには、『うちのハナちゃん』という企画の中で、HANAさんをお迎えになるときのエピソードを、エッセイに書いていただきました。
これがそのエッセイです。
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ありがたいことにHANAママさんは、2匹の老犬さんを私にご紹介くださいました。
その2匹は、今後順番に登場します。
No.65は、くろさん 病気に負けない強さ
No.65のくろさんの飼い主さんにご連絡をいただいたのは、HANAさんのママさんとのやり取りをしてるのと同じ頃でした。
その時、くろさんは17歳6カ月。
「7歳で癲癇になってから毎日お薬飲んで頑張っているよ。今は14回目の前庭疾患になっちゃったけれど、またお散歩行けるように自立で立てるようになるから、みんなも頑張ってね」
このメッセージを読んだだけで、くろさんと飼い主のくろいみかんさんのご苦労が伝わってきました。
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癲癇を発症してから12年、14回もの前庭疾患を乗り越えて、くろさんは18歳のお誕生日を今年4月に迎えました。癲癇や前庭疾患と闘っている愛犬さんの飼い主さんにとって、くろさんの頑張りは希望だと思います。
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更新カードの写真は、お誕生日に冠の被り物をつけたくろさんが、車椅子に乗って満足気なお顔をしています。12年もの間、癲癇に負けず、その発作に怯えることなく、ただひたすらに前だけを見つめて生きてきたくろさん。
最近は、眼振や斜頸も治っていなくても器用に気の済むまで歩いているそうです。飼い主さんの、どこまでも深い愛情が18年という長生きの秘訣であり、病気に負けない強さなのだとしみじみ感じています。
No.66は、龍さん 男の約束
No.66お空組の龍さんも、飼い主である浮橋さんから参加のご連絡をいただきました。雪の中に佇む龍さんの写真は素晴らしく綺麗で、カード作成を作成している主宰も「これはいい写真だなぁ」と唸っていたくらいです。
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そして、龍さんの旅立ちには、その写真と同じくらい素敵なエピソードがありました。
龍さんが亡くなる前日、娘さんの彼から正式に「お嬢さんを僕にください」と申し入れがあったのを、隣の部屋で龍さんも聞いていたそうです。
その後、娘さんと婚約者とご両親に龍さんも交え新しい家族写真を撮ったと。撮影後に婚約者の彼が、龍さんの頭を撫でたところ、龍さんが「ばふっ!」と声を発したそうです。
婚約者の彼曰く「龍くんから[ねえねのこと、男の約束だよ]と言われた」と――
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最愛のねえねを託し、使命を終えたと安心したのか、その15時間後に龍さんは旅立ったのだそうです。
浮橋さんが送ってくださったこのお話をDMで読んで、私は号泣してしまいました。
犬という健気で愛しい生き物は、いつも私たちに奇跡のようなことを見せてくれるものです。
No.67は、小春さん 不思議な偶然
No.67小春さんの飼い主ママさんからは、こんな嬉しいご連絡をいただきました。
「フォロワーさんのRTで老犬アルバムを知り、応募させていただきたいと思ってDMさせていただきました。とても素敵な企画をありがとうございます。かわいい老犬さん、幸せいっぱいですね」
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儚気な女の子らしいお顔の黒柴小春さんは、お空組です。
ママさんは、小春さんがお空に旅立った後、保護犬カフェから黒柴リョウさん、保護犬赤柴の小夜さんを迎えて暮らしています。
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老犬アルバムに参加していただいてから半年ほど経った今年の5月、サイトの記事の表紙に小春さんのカードの画像を使わせていただきました。その際にママさんに連絡をすると、ちょうどその日は小春さんの命日でした。
老犬アルバムには、こんな不思議な偶然が多く、いつも驚かされます。これも老犬さんのなせる技、なのでしょうかーー
No.68は、さくらさん 素敵なメッセージ
No.68のさくらさんも同じくお空組。
飼い主の松原さんから、さくらさんの参加の連絡をいただきました。
そんな松原さんは、今年になってから、秘密結社老犬倶楽部の老犬さんにこんなメッセージを書かれています。
「老犬倶楽部の介護されている子たちを見ていると2年前のさくらの介護を思い出す。睡眠不足の夜活や、寝たきりでオムツから漏れてしまった粗相の後始末。汚れたお尻を洗うたびに痩せてきたなぁと。出来ることが少しずつ減って益々可愛くて愛しい老犬。みんな頑張ってね」
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これを読んで、どれだけの飼い主さんがあたたかい気持ちになるでしょうか。
『いつでも誰かが応援してくれている、自分一人ではないんだ』
そう感じることが、どれだけ救いとなるのか――
秘密結社老犬倶楽部は、そんな飼い主さんのためのもの。
メンバーはどんどん変わっていっても、そこに所属していた飼い主さんの想いは、ずっと老犬倶楽部に置いてあるのです。その想いがバトンとなって、受け継がれていく貴重な場所なのです。
次は、私がずっと拝見していた老犬さん
私は次に登場するNo.69の老犬さんのツイートを、老犬アルバムを始める前からずっと見ていました。
その老犬さんと一緒に人生のほとんどを過ごしている飼い主さんは、身重のカラダでその老犬さんのお世話を懸命にしていました。
そんな老犬さんと飼い主さんのお話は、次回――
――つづく――
文:樫村 慧
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――次話――
次話は、No.69の、ラブさんの思い出から始まる4ワンです。
老犬アルバムの写真を使ったサプライズ。
それは飼い主さんに、新しい思い出をプレゼントすることにもなるのではないかな?
そんなことも考えながら、それが自分のやりがいになっていたりもします。
どうかなあ?
――前話――
前話は、No.60の、ハッピーさんの思い出から始まる4ワンです。
老犬アルバムの中に、老犬さん達の思い出を残したい。
今頑張っている姿も、これまで頑張ってきた姿も覚えておきたい。そんな気持ち。
飼い主さんだけでなく、私だけでなく、見て下さった方々の心にも、ずっと残るといいな。
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この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――この連載の1話目です――
第1話は老犬アルバムがスタートした経緯をお知らせします。
老犬アルバムのスタートは、一匹の大型犬、タフィさんが旅立った時の飼い主さんの言葉がきっかけです。「大きくて優しい子、ありがとう、大好き」その一言が忘れられませんでした。どうしてもそれを、何かの形に残そうとカードを作りました。
大きくて優しい子が、老犬アルバムを作ったんです。
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老犬アルバムのご応募方法はこちらです
老犬アルバムに必要なのは、下記の6つの情報だけです。
①愛犬の名前
②愛犬の年齢(~カ月まで分かると尚良し)
③飼い主の名前(~ママとか、ハンドルネーム)
④小型犬、中型犬、大型犬の区別
※人間年齢を換算するために必要です。
※超大型犬は大型犬、超小型犬は小型犬で換算します。
⑤愛犬への一言、または、愛犬からの一言
⑥お気に入りの写真1枚
下記(担当:樫村慧)にDMをお送りください。
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老犬アルバムと老猫アルバム
老犬アルバムVol.1
老犬アルバムはここからスタートしました。
長老のハリー君は2019年6月20日に17歳の誕生日を迎えて、人間年齢124歳です。
でも、犬は何歳になっても子犬のようです。
老犬アルバムVol.2
老犬アルバムは51匹目からVol.2に突入しました。
開始当初は51匹は遠い未来でしたが、沢山のご応募のお陰です。
犬は子犬や、成犬の頃には見せなかった姿を、老犬になってみせたりしますね。
毎日が新しい発見です。
老犬アルバムVol.3
老犬アルバムは101匹目からVol.3です。
飼い主が家に帰っても、ずっと寝たまま。若い頃はお迎えにきたのにね。
しかし、その寝姿がまた愛おしく感じます。
時々頑固者になるのは、人間と同じですね。
老犬アルバムVol.4
老犬アルバムは151匹目からVol.4です。
人間と犬。言葉は交わせないのに、なんとなく心が通いますね。
こうして欲しいと、飼い主が思ったことをしてくれることが時々あって、不思議だなあと感じるようになる。
飼い主も、愛犬が何を言いたいのか心で感じ取れるようになる。
老猫アルバムVol.1
老犬アルバムの猫版。老猫アルバムです。
犬と猫の違い-――、猫歳をとっても見た目が変わらないので、絵にかいたような老猫というのがいないんですね。飼い主さんの心の中で、この子も歳をとったなあと思ったときが老猫。老犬よりもカードの数は少ないのですが、どの子も飼い主さんの愛情いっぱいです。
樫村慧|他の作品
近しい方のペットが病気になったとき、一声かけてあげたくなりますね。
励ましてあげたいんです。でも、どんな言葉を掛ければいいのか?
経験した人なら分かりますね。悪気なく、心からの思いで掛けた言葉が、時に相手を傷つけてしますのです。
いつも散歩道で会っていた、土佐犬リンんちゃん。
いつしかそのリンちゃんは、散歩道に現れなくなりました。飼い主さんが人と会うのを避けるようになったのです。大型犬で闘犬の血が流れたリンちゃんには、いわれのない偏見の目が合ったのです。