犬を飼うということ

Withdog 犬と飼い主の絆について

【安産の象徴だから】この子にはご利益あるかもよ ~さくらがうちに来るまで~

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うちの子がうちにくるまで|No.45
うちの子がうちにくるまで_サクラ

撮影&文|さくらママ
 
今日のお話は

第一子を流産してしまい、毎日泣いていた作者。
そんな作者に、ご主人が「犬を飼おう」と声を掛けます。作者は子供の頃から、犬が大好きだったのです。
犬種も何も決めないで行ったペットショップ。
そこには、何故だか半額くらいの値のついた、コロコロとしたビーグルがいました。

こんな方に:
ビーグルってどんな犬?|今まで犬を飼ったことがない|初めて飼うのが不安|皆さんどうやって飼うのを決めるの?|経験者の話が聞きたい

 

今日は我が家の愛犬、さくらのお話を聞いてください。
さくらは、私が人生で初めて迎えたワンコです。

私は子供の頃から犬が大好きでした。
しかし実家は一軒家ではなく、また父が犬嫌いだったために、とうとう犬は飼えず仕舞い。鳥ならばカゴの中だし良いだろうということで、知り合いにヒナが生まれたのをキッカケに、私が責任もって面倒をみるという約束で飼うことが許されました。

しかし、鳥では満たされない犬への思い。
私がどうしていたかというと、近所の犬をよく撫でに行っていました。

 

大人になって結婚をしてからも、私はワンコを飼いたいという気持ちをずっと持ち続けていました。しかしそれよりも、まずは自分たちの子育ての方が先だと考えていたので、具体的に犬を迎えるという行動を起こすことはなく――

やがて私は、妊娠。
――しかし、喜びも束の間でした。
私はやっと出来た第1子を、流産してしまったのです。

毎日泣いてた私。

そんな私を気遣ってくれたのでしょう。主人が「犬を飼おう!」と言い出しました。「安産の象徴だしご利益あるかもよ」
って。

それから私たちは、犬種も何も決めずペットショップに行きました
当時は保護犬の存在は知らず、犬を飼いたいと思うと、それ以外に方法を思いつきませんでした。

 

そのペットショップには、妙に気になる子が一匹いました。
真っ黒な体で、回りの仔犬に比べてなぜか半額くらい安く売られていた、ビーグル犬の仔犬でした。

当時はチワワや、ミニチュアダックスなどの小型犬が流行っていた時期だからかもしれません。
「人気がないのかな?」
その子は真っ黒で斑点が多く、およそビーグルらしくない体でした。
「カラーがこんなだからかな?」
なんて思いもしましたが、その子はコロコロと愛らしくて――
私たちは「番犬にもなれる中型犬がいいかなっ」と話し合っていたこともあって、「この子はうちにピッタリだな!」って思いました。

当時はビーグル=スヌーピーのモデルという程度の知識しかなかった私たち。
特にビーグルに、強い思い入れがあったわけではありません。しかし、二人でその子を見ているうちに、主人が「コイツは美人だ!」と言いだしました。そして「来週の休みにはもう居ないかも」とも。

その時、タイミングよく店員さんが私たちに声を掛けてきました。
「抱いてみませんか?」

そしてその子はケージから出されて、私たちに差し出されました。

 

もう私はドキドキでした。
子供の頃から近所の犬を撫でてはいましたが、仔犬を触るのは初めてです。
小さな身体は、強く抱いたら壊れてしまいそう。私は気後れしてしまい、先に主人に抱っこしてもらいました。

その仔犬はとても大人しかったです。
でも主人の指をペロペロして、もう可愛くて可愛くて、私は「この子がいい!」ってすぐに思いました。そして主人の次は、まだドキドキしたままの私の番です。
主人から仔犬を受け取ると、仔犬はすぐに私にもペロペロしてくれました。

私には、もうこの子以外は考えられませんでした。

主人はその子がとても気に入ったようでした。もちろん私もです。
しかし私たちはそこで、一旦思いとどまりました。

動物を飼うということは、その命に責任をもつことだし、最後まで看る覚悟をもつことだと考えていたので、感情だけでなく一旦冷静に考えようと思ったのです。

とりあえず一晩考えようと、私たちは一旦家に帰りました。しかしその時点から、気持ちはもう決まってました。

 

――翌日――

はやる気持ちでペットショップに急ぐ私たち。もちろん朝イチです。
あの子は、もう飼い手が決まってしまったかもしれません。
もしもそうだったら、それも運命。諦めよう。

店に飛び込んだ私たちは、すぐにその子がいたケージに一直線。
「いた!」

安堵と喜びの中、私は即「この子にします!」と店員さんにお伝えしました。
その子はきっと、私たちのことは覚えていなかったと思います。
でも、そんなことはどうでも良いという風に、まるで「遊ぼ!」といわんばかりに尻尾を振りました。

さて、我が家にとって初めてのワンコ。

迎える準備が何も出来てなかった私たちは、ペットショップの方に仔犬の飼い方、必要物品をメモしてもらい、全ての準備を整えてから、1週間後に迎えることになりました。その間には、ビーグルの飼い方の本を買って読んだり、名前を決めたり。
慌ただしくも楽しい準備期間でした。

その名前ですが、可愛らしいひらがなの名前にしたいとは思っていましたが、いろいろと候補があるものの、なかなか決めきられないでいました。そんな時、ちょうど姉に電話をする機会があったので、当時3歳の甥っ子に代わってもらって、新しく犬を迎えることを伝え、名前をどうしようかと相談してみました。
「さくらちゃんがいい!」
と電話の向こうから、甥っ子声。その一声で、名前が決まりました。

 

――そして、一週間後――

さくらのお迎えに行った私たち。
私はちょっと恥ずかしく、照れくさく、「さくら」と呼んでみました。
しかしさくらの方は、自分の名前を呼ばれたことに特別な反応はなく、ただただ尻尾を振ってくれてました。

私たちは段ボールに入れられたさくらを受け取ると、家に帰る前に姉の家に寄りました。
甥っ子に新しい家族、さくらをお披露目したかったからです。

甥っ子は、「わー可愛い」「さくら、さくら」って喜んでましたが、さくらは疲れたのか緊張したのか段ボールの中で寝ていました。

帰宅して段ボールから出たさくらは、緊張してるのか、最初は固まっていましたが、しばらくすると、クンクンしながら家中を歩き回りました。

さくらはホントやんちゃで、留守番中にゲージから抜け出しては、部屋でトイレをしていました。でも私が帰宅した時には、玄関までワンワン走って迎えにきてくれるので、きつく怒れずじまい。
成長につれ落ち着いてきましたが、トイレトレーニングには時間かかったなぁ……

 

――時は過ぎ――

18歳目前になったさくらは、目も耳も弱くなって、足腰もヨボヨボです。
やんちゃさはなくなったけど、まだまだ食欲旺盛!
尻尾振りながら食べる姿は変わらずです。

今や、ますます愛おしい、おばあワンになりました。

 

――さくらへ――

さくらのご利益か、3人の子宝に恵まれたよ。
子育て中は、さくらの事をあまり構ってあげられなかったことが後悔だよ。
だからね――
子育てが落ち着いた今、またさくらに向き合えることが嬉しいよ。
私にその時間を持たせてくれるほど、長生きしてくれてありがとう!

最近は、長い夜のお付き合いで、喧嘩になっちゃう時もあるけど、さくらがこの家にきて良かったと思ってもらえるように、最後まであなたのそばにいるからね。

さくら、我が家へようこそ!

 

――さくらがうちにくるまで|おしまい――

うちの子がうちにくるまで|No.45
犬の名前:さくら
犬種:ビーグル
飼主:さくらママ
 
うちの子がうちにくるまで、とは
愛犬を家に迎えるまでの葛藤を、飼い主自身が、自分の言葉で綴ったエッセイです。
こんな効果もあります:愛犬、愛猫を今すぐ100倍可愛くできる、最も簡単な方法
 
犬や猫と暮らすあなたへ

『うちで飼えるかな?』
『きちんと面倒を見られるかな?』

犬や猫を、”はじめて”飼う時、ほとんどの方はこう思ったことでしょう。
平均年齢でいえば、15年も生きる小さな命を預かるのだから当然ですね。
我々はそこで大きな決心をし、葛藤を乗り越えたからこそ、今、犬や猫と暮らしています。

どうかその思いを、忘れないでください。
その時の思いがあれば、我々はどんな時でも犬や猫と暮らしていけます。

【飼えるかなより

――うちの子がうちにくるまで・次話――

犬を飼うことが子供時代からの夢でした。
主人を説得し、ようやく犬を飼えることに。
通い続けるペットショップには、ずっと売れ残っている犬がいました。いつも尻尾を振りながら――
「うちに来る?」
話しかけたのは、気まぐれではありませんでした。

――うちの子がうちにくるまで・前話――

子供時代から私の側には、いつも犬猫がいました。
しかし阪神大震災で一転、動物のいない暮らしに――
やがて時が経ち、出会いの時がきました。

―同僚の友達宅―
目の前には、生まれたてのダックスの赤ちゃん達が。
そこには1匹だけ、金色の女の子がいました。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――うちの子がうちにくるまで、第1話です――

昔からいつかはワンを飼いたいと、ずっと夢見ていたんです。
でも、夢と現実の差はでっかいですよね。結局はずっと、実現できずじまい。
――そんな夢を叶えた飼い主さんのお話。
犬との出会いは運命に似ています。

うちの子がうちに来るまで

本話の作者は、たまたま遭遇した事故で人助けをしたために、大怪我を負います。
リハビリで始めた散歩。その散歩のお供で迎えたのが、超大型犬・グレートピレニーズのバーディーでした。
子犬だったバーディーは、最高のパートナーとなっていくのですが、やがて……

初めはウサギが欲しかった。そんな娘さんとの約束事。
しかしその約束は、いつの間にか犬を飼うという話に――
動物を飼うことに消極的だったお父さんは、約束を守れるのか?

 

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