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【風のリンパ腫】余命3ヶ月、突如告知された病 ~花と風の闘病記(2/3)~【闘病|看取り】

花と風の闘病記:風のリンパ腫
風のリンパ腫

撮影&文|karaage
 
この作品は

愛犬、花のアジソン病がようやく落ち着いてきた頃。妹の風が体調を崩しました。
嘔吐とフラつき――、最初はDMという病気を疑い受診。
しかし病院で告げられた病名は、受け入れがたいものでした。
「風さんはリンパ腫です。余命は3ヶ月……」
帰り道、泣きながら自転車をこいだことを思い出します。

こんな方に:(以下は仮)
愛犬がリンパ腫を発症した|リンパ腫の経過はどうなる?|愛犬が闘病中、または介護中|闘病について知りたい|飼い主さんはどう対応しているのか?

 

アジソン病の闘病が始まった我が家の愛犬、花。
その花の病状が、ようやく落ち着いてきたときのことでした。今度は花の妹分の風が、別の病気を発症してしまいました。

風の変調は、急だったように思います。
ごはんを食べないで、嘔吐するようになり、元気がなくなりました。
そして同時に、腰のフラつきも見られました。

私はその症状から「もしかしたら」と思う病気がありました。
実は風と同じブリーダーさん出身の子が、少し前にDM(変性性脊髄症)で亡くなっていたのです。

変性性脊髄症(Degenerative Myelopathy:DM)

痛みを伴わず、ゆっくりと進行する脊髄の病気です。多くの犬種で発生が報告されていますが、近年、ペンブローク・ウェルシュ・コーギー(以下PWC)での発生頻度が高く、欧米では注目を浴びています。日本では現在までにDMの報告はそれほど多くありませんが、PWCでの発生は確実に増えてきています。(抜粋)

 

かかりつけの動物病院で色々と調べたのですが、結局病名は分かりませんでした。
先生からは、夜間救急の病院で細かい検査が出来るので、そこへ行くように勧められました。そこで検査はそちらに行って行い、結果はかかりつけの病院で受け取ることになりました。

検査の結果が出るまでの間は、もしもDMだったらと思うと、不安で仕方がありませんでした。DMは原因不明の難病で、治療法がないのです。

検査の結果が出て、いつもの病院に行きました。
自転車の前カゴを大きいのに替えて通院してたので、風が一緒です。

診察室に入ると、先生は浮かぬ顔でした。私はDMと言われるのかとドキドキしていましたのですが、告げられた病名はそれとは違うものでした。

「風さんはリンパ腫です。余命は3ヶ月……」
先生の言葉を聞いたとたんに、私は頭の中が真っ白になってしまいました。
その後で先生が何とおっしゃったのか、私がなんと答えたのか覚えていません。

 

帰り道、泣きながら自転車をこいだのは、昨日の事のように覚えています。
風は不思議そうに私をずっと見てましたが、私は声を掛ける事も出来きずに、ただ声をあげながら泣くことしかできませんでした。

DMは?――
もしかしたら、DMもリンパ腫と同時に発症してたのかもしれません。後になって知ることですが、DMは生前の診断ができないのだそうです。その時の私には、聞く余裕もなかったのですが、今となってはハッキリとは分かりません。

それから風の治療が始まりましたが、しかし実を言うと、私はその頃のことをあまり覚えていません。抗がん剤を使用したと思うのですが、それさえも思い出せません。
毎日何も考えられず、ただ放心した状態で、医師の勧めるままでの治療を受けさせていました。その頃の私は、バカな飼い主でした。

風が点滴を受ける間、私はじっと待合室で待つしかありません。
不安な日々――、しかし幸いにも、風は病院を嫌がる事はありませんでした。

病院から帰ると、風は楽になったように見えました。

 

花は、みんなが風に掛かりっきりなので、きっと寂しかったと思います。
しかし私には、それを気にかけてあげる余裕がありませんでした。
花にも風の状態が悪いことがわかるのでしょうね。風を気遣い、歩けなくなった風にあわせて散歩をしてくれていました。風は抱っこでの散歩です。

それから自転車の前カゴを大きいのに替えて、風だけを連れて色んな所に散歩に行ってあげたのですが、ひとりで置いていかれるのは嫌だったんだろうと思います。

風の病状ですが、治療もむなしく悪化していきました。

腹水が溜まって、呼吸が苦しそうな時がありました。
それはリンパ腫が進行していたせいなのか? それとも薬の副作用なんでしょうか?
最初はその都度、病院で腹水を抜いてもらっていましたが、やがて毎日抜かないといけなくなり、量も相当なものでした。小さいからだの中に、多い時で400mlも溜まってました。

治療費もかさみました。
腹水を抜くのは1回8千円位かかり、風は保険に入って無かったので。花の薬代と合わせたらスゴい事になってました。やがて月に30万位にも膨れ上がり――

しかし、惜しいとは思いませんでした。
今考えると、どうやってやりくりしていたか謎です。

 

この頃の風の通院は、病院から送迎をしていただけました。花がお世話になった、例のスーパー看護師さんが担当です。風の具合が悪くなると、看護師さんが仕事の都合をつけて、迎えに来てくれました。

看護師さんは私が仕事で病院に行けず、娘に頼んだ時には、私の仕事場まで風を連れて来てくれてました。「心配で仕事どころじゃ無いでしょう?」と言いながら。
そこまでしてくれる看護師さんていませんよね?

風は後ろ足が立たないので、目が覚めていても寝転んだり座ってたり。しかしトイレの時は頑張って、不自由な身体でペットシーツまで這って行ってました。食事も当初は普通に食べていました。

いつか別れの日がくることは、病名を宣告されてからずっと意識していました。
しかし、段々と状態が悪くなる風を目の当たりにしながらも、私は「その時」の覚悟までは出来ませんでした。毎日頑張ってる風を見ていると、そういう事を考えたらいけないような気がしたのかもしれません。とにかく、少しでも風を楽にしてやる事で頭が一杯でした。

きっと子供たちも同じ気持ちだったと思います。

しかし家族の心配もむなしく、風の状態は日に日に悪くなっていくばかり。それに伴って、食欲もなくなっていきました。

 

フードを食べなくなってからは、何でも与えました。
もう健康の事は考えることはやめて、好きな物を好きなだけ――
プリンやケーキ、味の濃いソーセージなど――
食べてくれたらそれで良かったのです。

やがてそれさえも食べなくなるった風――
私は看護師さんが教えてくれたとおりに、流動食を注射器で流し込むようになりました。

「その時」をずっと考えないようにしていた私と子供たちですが、そんな私達でさえも、いよいよお別れが近いと、肌で感じるようになってきました。その頃から、家族みんなでリビングで寝るようになりました。

その日――

朝方に風が大きな声で、甲高く吠えました。まるで「お母さん!」って呼ぶように。
飛び起きたら、ずっと出てなかったオシッコがいっぱい出ていて――
「良かったね!」って声をかけました。
娘たちも「風ちゃん!」って声をかけ、てみんなで抱きしめました。

そして風は、眠るように逝ってしまいました。

「その時」家族はみんな、疲れて寝てしまっていました。
そんな家族を風が、ちゃんとお別れが出来るように呼んでくれました。

最後まで風は、私と家族の事が大好きだったんだと思います。
私たちが愛する以上に、風は私たちを愛してくれてたんです。

あの日の事を思い出すと、おかしくなってしまうくらい辛いです。

 

――風ちゃん――

いつもお母さんの後をついてきてたね。ご飯の用意をする時も洗濯を干す時も「お手伝いするねん!」て、そばに居たね。

寝るときもいつも一緒に居てくれた。
ありがとう。いつか会ったらいっぱい抱きしめるから待っててね。

2014年10月、風、永眠――
3ヶ月の命と言われましたが、誕生日を迎えてくれて、7ヶ月も頑張ってくれました。

 

――花と風の闘病記(2/3)つづく――

作:karaage
  

――次話――

愛犬、風が亡くなり、悲しみの底にいた私。
自分を責める毎日でした。
幸いもう一匹の愛犬、花はアジソン病の危機を何度も乗り越えて小康状態。
私の心を支えてくれていました。
その花が体調を崩しました。
花は、膵臓と腎臓が悪くなっていたのです。

――前話――

愛犬、花と風を迎えてから、我が家は楽しい日々を過ごしていました。
しかし、ある夏の日のこと――
いつも元気な花の体調が良くありません。
色々な検査の結果、花はアジソン病と診断されました。
この時、花は命に関わるほどの状態だったのです。

 

 風がうちにくるまで

初めて犬を迎えてから8か月後のこと。
たまたま立ち寄ったペットショップに、先住犬と同じコーギーがいました。
「抱っこしますか?」と店員さん。
『抱いたら終わりだ』と思う作者。
しかし一緒にいた娘2人が、その子犬を抱っこしてしまったのでした。

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通り一辺倒だったり、逆に専門的過ぎたり。
どれもこれも、現実的ではないのです。
そんな時に役に立つのが、飼い主さんが書き残した闘病記です。
飼い主目線での現実的な情報が有られることが多いのです。

失敗のケーススタディでもある闘病記

犬や猫の闘病は、掛かりつけの獣医師に全てを委ねることになりがちです。
しかし、一旦立ち止まって、良く考えてみてください。
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