ろくすけの闘病記:癲癇/腎不全 31話
2017年9月5日 食べてくれない ろくすけ
午後2時ごろのこと――
ろくすけは前回の発作以降、続けて下痢をした。
そしてその頃から、今までは残すことがなかったゴハンを、欲しがらなくなった。
どうしようかと色んな食材を試していたが、朝少しのカリカリドックフード
(アニモンダの腎臓病用療法食)を口にしてくれた。
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これだと水分が不足するので、カリカリではなく、いつもの手作り食かウェットフードを食べてほしいのだが、ろくすけは急に嗜好が変わったように、突然受け付けてくれなくなってしまった。
それだけでない、大好物だったヨーグルト寒天もサツマイモおやつも食べようとしないのだ。
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これはさすがにショックだったけれど、食べてもらうのが先決と気を取り直して、カリカリを一粒一粒手であげると、ろくすけはペロペロと口の中に運んでいった。
続いて水を飲ませると、落ち着いた様子になった。
ここでチャンスだと思った私――
ずっと我慢してた、美容院に行くことにした。
そこで傍にいる母に、ろくすけをで見守っていて、何かあれば携帯に電話するようお願いして外出した。
まさかの昼の痙攣
カットが終わり、スーパーに立ち寄って2時間後に帰宅した直後のことだった。
母が「今、ロクちゃんの発作が始まったの!」と言うでないか。
「早く座薬を!待っててろくすけ!」
そう祈りながら、ガタガタ痙攣してるろくすけを横目に座薬を取り出した。
座薬お尻に注入→ウンチとともに再出(これはいつものこと)→再び挿入
→またもやウンチに押し出される座薬(えっ(゚Д゚;))
→よし、もう一度挿入だ!
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しかしこの時点で、ろくすけの痙攣が止まった。座薬をいれなまま・・・
時間にして2分弱。
座薬が間に合わなかったので、すぐ鎮静剤ホリゾンを飲ませたいところなのだが、発作直後で口の中は泡だらけ。しかも脱力状態なので、こんな状態で飲ませたら誤嚥の危険もあるやもしれず。
「しょうがない」と、しばらく様子を見ることにした。
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やがて「そういえば!」ち、閃いた。先日病院からもらった、脳圧降下剤が一本残っていたのを思い出したのだ。チックが酷い時の為にもらっていたものだったので、それをシリンジで飲ませてみようと決めた。
ろくすけはまだ朦朧としていたので、誤嚥しないようにとゆっくりと体を起こし、唇をめくって歯の間にシリンジを入れて、少し注入してみた。
そのままダラダラ流れ出たので、諦めようかとも思ったが、すぐに舌が動きだして、水分を受け入れてくれたろくすけ。
ならばと私は、注意しながら、少しずつ少しずつ薬を流し込んでいった。
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小さな喉が、ゴクッツゴクッと鳴る。
よしよし、偉いね、飲んでくれるんだね。
これで口の中が潤ったら、鎮静剤ホリゾンと抗炎症剤(ステロイド)も飲めるかもしれない。
口を開け、舌の奥上に薬を置き、口を閉じて喉をさする。
――すると、ペロペロと舌が出た!
よかった、これが飲み込んだ印だ。
発作頻度は上がっている
前回の発作から2週間弱。
どんどん短くなる発作の間隔。
とうとう、、なのか――、と色んな思いが頭をよぎってしまう。
前回の発作直後に下痢をして、食欲が急になくなり、回復途中に新たな発作。
悲しいけど、これが現実。
老犬は急変するというが、ついこの前まで車イスでブンブン歩き、ゴハンが足りんと
催促ばかりしていたのに、、これが現実で、そしてこれが不思議なことでないことも
わかっているつもり だけど、だけど、、
私ができることは何だろう?
まずは夕方病院に電話してみよう。
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『月に2回発作が出るようになったら、投薬を見直しましょう』
そう先生が仰っていた。
薬が変わるのか、量が増えるのかわからないが、こうなったら先生を信じるしかない。
ろくすけのQOLが今以下にならないように、私は常に冷静に、しっかり現実を見据えて対応していかなくてはならない。
ろくすけ、母ちゃんはしっかり君を見て、しっかり守るからね。
だから安心して体を休めるんだよ。
追記:電話の結果は
病院に相談したところ、
『薬の量はまだ今のままで様子見ましょう』
ということになりました。
『もう少し発作が頻繁になれば……』
ということで、「あぁ、まだそんなに頻繁じゃないんだ」と、ちょっと安心した私です。
――別れに向かう日々(5/10)つづく――
作:きづあすか
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――次話――
病院嫌いのろくすけ。
3カ月弱ぶりに定期健診に行ってみたのですが、とうとう恐れていたことが――
腎不全が予想以上に悪化していました。
こんなに突然に、スピード上げて階段を下りるなんて――
なんで? なんで?
混乱するかあちゃんでした。
――前話――
突然の癲癇発作は、前回からもうすぐ2ヵ月というところ。
慣れてはきたものの、振出しに戻るような虚しい感覚は拭えない。
でも、それが癲癇という病気。
ろくすけに落胆を気付かれないように気を取り直す。
――しんどいね、ろくすけ。
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――この章の1話目です――
ろくすけの癲癇発作が再発。間隔がだんだん短くなってきた。
予想していたこととはいえ、悲しい……
ろくすけの体の中で、何か変化があるのだろうか?
ご飯に忍ばせて、薬を与える。
あぁ、ろくすけの食い意地に感謝。
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――この連載の第1話です――
今日から、きずあすかさんの愛犬、ろくすけ君の闘病記を連載します。
病名は癲癇。ある日突然に発症しました。
「あの病態は、飼い主の心を乱します」
その言葉に、経験者の方は皆うなずくことでしょう。
初回は、闘病記を残す理由です。
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てんかんについて、もっと知るには
医学的な知識を交えて『癲癇(てんかん)』を解説をしています。
何の前触れもなく、大発作ではじまることが多い病気です。
発作の見た目が激しいので、飼い主は気が気でありません。
――我が家も経験しています。
突発性で、1度で済む場合もあれば、何度も繰り返す場合も。
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賢い獣医師選び、動物病院びの記事です
続:獣医師選びの方法教えます
”良い”獣医師選びは、飼い主の責任でもあります。
目的は常に動物の病気を治すこと。
そのために獣医師は何をすべきか?
そう考えると、自然に”良い獣医師”とは何かが分かってきます。
現場を知るからこそ出来るアドバイス。
獣医師選び|名医とヤブ医者
記事の編集で、多くの体験談に触れていると、名医がいる一方で、信じられないヤブ医者もいる事がわかります。
そもそも動物医療は、ヤブ医者を生みやすいのかもしれません。
時には医師だけでなく、飼い主の方が悪いこともある。
理由を知れば、対策もできるのでは?
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出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。