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【まとめ】ドッグフードの常識、疑ってみよう ~フードの情報は疑問だらけ~

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疑問だらけのドッグフード-解説しよう
疑問だらけのドッグフード

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カテゴリー:コラム
作者:高栖 匡躬 

本作は、愛犬(愛猫)のフードに関する、誤った常識を検証した考えるコラムです。

愛犬に良い食べ物を与えて、少しでも健康で長生きして欲しいと願うのは、飼い主さんならばみな同じだと思います。こんなとき、我々はネット検索で情報を集めようとするのですが、実はネット上には恣意的に、ある特定のフードに誘導しようとする記事が沢山存在しています。そしてあろうことか時にそのフードは、健康に被害を与えるようなものの場合もあります。

本記事はオススメのフードをご紹介するものではありません。
フード探しをされている方が情報収集をされる際に、ぜひ気を付けて読んでいただきたいというポイントをお知らせしようとするものです。
実はフードの情報の中で、一般的に常識と思われていることの中にも、怪しい点や疑問に感じる事柄がが沢山あります。

例えば穀物や野菜は犬にとって不要で、時には有害であるとものや、添加剤(防腐剤、酸化防止歳、防カビ剤など)を、必要以上に危険と煽るものがそれにあたります。

我々は記事を読み解く際に、注意深くなければなりません。そしてライフスタイルに合わせて、無理のないフード選択をしなければならないと思います。

こんな方に:
愛犬のフード選びで迷っている|ネット上の情報は、何となく違和感がある|同じようなフードばかり推奨されるが、本当に良いものか?|皆さんはどんな基準でフード選びをしているのだろうか?

【目次】

 穀物と野菜は悪者なのか?

今まで有害物質を食べていたのか?

ネット上にはドッグフードの記事が沢山ありますね。
穀物は有害? 野菜は有害? 本当に?
全部真に受けたら、食べるものが無くなるんだけど。
記事が推薦するフードは、愛犬に良いものなの?

ネットの情報に矛盾点は多いがヒントもある

ネット上のフードの記事は、狭い視野でみると一見まともですが、少し視点を引いてみると矛盾点が沢山あります。
アフィリエイト自体が悪いわけではないけれど、良い記事でないと意味が無い。
今回は、どこに気を付けて読めば良いかをまとめました。

本当に穀物と野菜は不要なのか?

野生の肉食動物が捕食するのは、主に草食動物。
血液には植物由来のビタミン、ミネラルが含まれ、内臓には消化過程の発酵した植物が残っています。
植物を食べなくても、栄養素は接取できるわけです。
では、それを犬に置き換えるとどうなる?

本当は、多様性が大事なのでは?

犬は狼由来なので肉食動物。本当?
人に飼われ何千年もかけて雑食してきた犬を、肉食と言うの?
肉、野菜、穀物で分けるのではなく、栄養素の視点で考えたらどうだろう?
どうやって必要な栄養を補給するかと考えたら、食べ方も変わるのでは?

 

 フードの常識、疑ってみよう

勝手に決めないで、有害物質、危険物質

ネット情報が伝えるフードの情報は、落ち着いて考えると矛盾だらけ。
一体何が正しいのか分からないですね。
常識として語られていることを、一つ一つ疑問点として取り上げてみようと思います。
『フードの疑問』の補足編(全3話)です。

ネットの記事は実は謎だらけ

フードの記事では、一般人の知らない言葉が常識的だったりしますね。
防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤などは、初めからまるで毒物扱いです。
対極にヒューマングレードのように、盲信されるものもある。
一つ一つが疑問です。
それって本当?

本当は誰も真実を知らない

フード記事の疑問
安いフードって悪いもの?
”安い”は、きちんとした機能じゃないの?
礼賛されてきたグレインフリーのプレミアムフードも、最近雲行きが怪しい。なんと健康被害の疑いもある。
常識なんて変わるもの。
自分で考えていこう。

 

 本シリーズを書く発端となった記事(アメリカ食品医薬局が警告)

本シリーズ記事『穀物と野菜は悪者なのか?』と『フードの常識、疑ってみよう』は、2019年7月に書かれた記事『FDA names 16 brands of dog food linked to canine heart disease』を見て、まとめてみようと思い立ちました。

この記事は米国FDA(アメリカ食品医薬局)が発表した情報をもとに書かれており、穀物フリー(不使用)をセールスポイントとしいる16ブランドに対し、心臓疾患を引き起こす疑いがあると警鐘を鳴らしたものです。

「やはりそうだったのか」
というのが、筆者の感想でした。この16ブランドの中の幾つかは日本も販売されており、アフィリエイト記事がこぞって推奨しているものだったのです。

あまりにも多くの記事(ほとんどの記事)が推奨していることが、逆に強烈な違和感を醸して、筆者だけでなく慎重な飼い主さんの中には敬遠している方も多くいらっしゃいました。

この記事をご存知ない方のために、筆者がツイッターでご紹介した内容を、そのままここに転載しておきます。

【衝撃】穀物フリーのフードに警鐘

ネット上には、犬に穀物は不要、穀物は毒という記事が沢山あります。
先日、米国FDAが発表したのは――
穀物フリーのフード16種への警鐘
心臓疾患との因果性を指摘
アカナ、オリジン、ニュートロ等
お馴染みのフードがずらり。
これ記事にします。
#犬を飼うということ

www.nbcnews.com

【ご注意】
気を付けて、ドッグフード|1/3

質問があったので、少し私見を交え続報。
記事では、グレインフリーのフードが悪いとは断言していません。
16種ブランド(アカナ、オリジン、カリフォルニアナチュラル、メリック、ニュートロなど)と拡張型心筋症との関連性への懸念のみです。

www.nbcnews.com

気を付けて、ドッグフード|2/3

しかし、よく考えて見て下さい。
政府機関であるFDA(アメリカ食品医薬局)が、まだ調査途中の段階であるにも関わらず、16ブランドを公表し、歴史あるフードへの切替を推奨している意味を。
最終結果まで待たず、警告を出さざるをえない状態ということなのでは?

気を付けて、ドッグフード|3/3

16種のうち、日本で売っているのを見たことがあるのは下記。使っている人も多いのでは?
・アカナ
・メリック
・カリフォルニアナチュラル
・オリジン
・ニュートロ
アカナとオリジンは、ピーチーにも買ってやりました。
一口も食べなかったけれど。

 あとがき

こうやってフードのことを考え始めました

筆者は愛犬のピーチーが重い病気(最初は胆管閉塞、後に劇症肝炎、肺癌)に罹ってから、食べさせるフードにとても気を遣うようになりました。
ピーチーは健康で元気一杯の時は、何でも食べる大食いでしたが、病気の進行と共に食が細って、僅かしか食べられなくなっいきました。
その様子を間近で見て、少しでも良いものを食べさせたい。最後の瞬間まで食べる楽しみを残してやりたいと思うようになったのです。

そこで最初は、ネットでフードの情報を集め始めようとしたのですが、あまりの情報の薄さに愕然としました。食品や栄養学の専門家でない筆者でさえ、一見して嘘だと見破れる怪しい話や、統計学的な優位性のない数値情報、引用元の明らかでないナンチャテ医療情報が検索の上位に溢れていたのです。

また恣意的に特定のフードに誘導する、アフィリエイト記事が多い事にも驚かされました。あらゆるロジックを駆使して、何が何でも特定のフードを良しとする流れができていることに、嫌悪感と同時に、ちょっとした恐怖も感じました。

正直に告白すると、最初のうちはそれらの記事を真に受けて、推奨するフードを買ったこともあったのです。ピーチーは一口も食べませんでしたが、あとになって「酷いことをするなあ」と思いました。それは終末期にある愛犬に、少しでも良いものをたべさせたく思う飼い主の心を踏みにじっているように感じられました。

どうか本記事が、皆さんのフード選びの助けになりますように。

――高栖匡躬 ――

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作:高栖匡躬
解説:高栖匡躬 
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