犬を飼うということ

Withdog 犬と飼い主の絆について

【うちに来る?】はずかしそうに尻尾を振っていた子 ~さくらがうちに来るまで~

うちの子がうちにくるまで|No.48
うちの子がうちにくるまで_サクラ

撮影&文|お母さん(うり)
 
今日のお話は

犬を飼うことは、作者の子供時代からの夢でした。
反対しているご主人を粘り強く説得し、ようやく犬を飼えることに――
探したのはシェルティーですが、なかなか巡り合えません。
通い続けるペットショップには、ずっと売れ残っているダックスがいました。
いつも作者に尻尾を振りながら――
「うちに来る?」
そう話しかけたのは、気まぐれではありませんでした。

こんな方に:
ダックスを飼いたい|ダックスってどんな犬?|今まで犬を飼ったことがない|初めて飼うのが不安|皆さんどうやって飼うのを決めるの?|経験者の話が聞きたい

 

今日は我が家の愛犬、さくらの話をさせてください。
さくらは私にとって、人生で初めてのワンコです。幼少の頃団地住まいだった私の夢は、 ソファーとベッドと犬を飼うことでした。

ソファーとベッドは大人になって手中にし、残すは犬を飼うということだけ。
その夢も、なんとか叶いそうなところまで来ました。一戸建ての家に引っ越し、ある程度子供が大きくなったからです。

 

これでやっと犬が飼えると考えた私でしたが、そう簡単には話は進みませんでした。
主人が犬を飼うことを許してくれなかったからです。

誤解のないように申し上げておきますが、主人がOKしてくれなかったのは、犬嫌いだったからではありません。むしろ犬好きだからこそ、簡単に首を縦に振りませんでした。

実は主人は昔、甲斐犬を飼っていた事があるのだそうです。
幼心に犬を飼いたいと親にお願いし、甲斐犬の赤ちゃんを飼うことに――

犬好きの方なら、ここでもうお分かりだと思いますが、躾の難しい甲斐犬は、小学生の主人には荷が重いのです。主人は結局十分に躾ることが出来ず、その子は最後には、家族全員に牙を向くように――
そして最終的にその子は、いただいたブリーダーさんに返す結果となってしまいました。

その時の後悔が、ずっと主人にはあったようです。
だから主人は、熟考に熟考を重ねた上で、絶対に責任が取れると確信してから犬を迎えたかったのです。

 

そんな主人がようやく重い腰を上げてくれたのは、粘り強く説得した末のことでした。
主人自身が、自分の気持ちに折り合いをつけた訳ですが、その背景には、当時私の体調がすぐれなかったことがありました。

私の気持ちに張り合いが出来るように……と、考えてくれたようです。

犬を探し始めた私たち――

当初の私たちは、シェルティー(シェットランド・シープドッグ)を飼いたいと思っていました。昭和生まれの私達は、子供の頃に名犬ラッシーに憧れた世代です。しかしラッシーのようなコリー犬は日本で飼うには大きすぎます。そこでコリー犬そっくりで、活発なシェルティに目を付けたのです。運動が好きな夫婦でしたので、一緒に走りたかったというのも理由です。

しかしシェルティは見つかりませんでした。以前には一世を風靡した時代もあったようですが、今は昔です。

 

そんなとき、度々訪れたペットショップで、1匹のミニチュア・ダックスフントが気に掛かるようになりました。ショーケース越しに目が合うと、兄弟の後ろで申し訳なさそうに静かに尻尾を振る子です。

兄弟は一匹、また一匹といなくなるのに、その子はなかなか行き先が決まらないようで、夫婦でお店を覗くたびに「”あの子”まだ売れ残ってるなぁ」と話をしていました。

尚、気になるダックスはいたとは言っても、それはそれ。
その頃の我が家には、ダックスを飼うという選択肢は全くありません。シェルティがなかなか見つからなければ、次は柴犬、それからコーギーという感じです。

 

候補を増やしての犬探しは続きましたが、私たちはなぜか、柴犬の赤ちゃんにも、コーギーの赤ちゃんにも巡り合うことができませんでした。両方とも比較的ポピュラーな犬種のはずなのに不思議です。

一度だけ、ビーグルの2ヶ月に満たない赤ちゃんを見たときは、ものすごく心が揺れましたが、夫が「衝動買いは絶対にダメ」と言って、合意してくれませんでした。

そのうちに、鳴かない犬だという理由でバセンジーも候補に加わりました。
しかし、候補の犬種は増えても、どの子にも出会うことができません。

やがて3か月が過ぎていました。

その間私は、ペットショップに行くたびに出会う、売れ残り ”あの子” がずっと気に掛かっていました。いつもいつもそこにいて、目が合うと恥ずかしそうに静かに尻尾を振る”あの子”が。

 

”その日” ペットショップに行ったのは、子供達と一緒でした。

いつもの習慣で、私たちはまず ”あの子” のショーケースを覗きました。
「まだ売れ残ってる」
「もう残り二匹だよ」
そう話す私たちに、「抱っこしてみませんか?」と店員さんが声を掛けてきました。「はい」と頷いたのは気まぐれではなく、とても自然な成り行きでした。

私の手の中にきた”あの子"は、目を合わせると、相変わらず恥ずかしそうに尻尾を振りました。そんな”あの子”に、私は「うちに来る?」と話しかけました。
その時、”あの子”は、大きく尻尾を振ってくれた。
それが全てでした。

 

シェルティーではないし、柴犬でも、コーギーでもない。
仔犬というには少し大きい、生後3ヶ月過ぎのミニチュア・ダックスフント。
「この子にしたい」
家に帰って主人に話すと、「いいんじゃない?」と何故か即答でした。
子供達は、親さえ良ければ犬を飼いたいという感じで、大喜びでした。

後で主人に聞いたことですが、あの日飼うことを許してくれたのは、”あの子” が何度も通って見かけた子だったからそうです。

 

うちに迎える日は 家族全員で迎えにいきました。

主人がさくらと初めて近くで対面し、抱っこした時は
「うわぁ、ぬいぐるみみたい」と何とも言えない顔をしていました。

帰りの道中、”あの子” は嬉しそうに尻尾を振り、それに飽きるとヘソ天で寝ていました。家族が側にいるだけでとにかくご機嫌みたいで、 「この子鳴く事あるのかな。どんな声かな」と家族で話していました

「名前はどうする?」
我が家では新しく迎えるワンコのために、タンタンとさくらという名前を候補にしていたのですが、その日、”あの子” の顔を見た瞬間に全員が「さくら!」と言いました。

それが、さくらがうちの家族になった瞬間でした。

 

さて、元気に尻尾を振りながらうちに来たさくらでしたが、実は家族の姿が見えなくなると 大きな声で鳴き、脱糞をするほどの寂しがりやさんでした。少しお留守番をするのでもお漏らしをし、うんちをし、帰る頃にはうんちまみれ😢

育児ノイローゼ――、までは行かないものの、ほとほと困り果てました。
色々な方にアドバイスをもらい、試行錯誤し、さくら自身も家族は必ず帰ってくると学習をして、留守番が出来るようになったのは1歳過ぎだったでしょうか

そして私は「犬は散歩が大好き!」と思い込んでいたのですが、さくらはそんなに散歩が好きではなく、抱っこの方が好きでした。

さくらは身体も弱くて、しょっちゅう病院のお世話になりました。

 

そんなさくらも、15歳。もうりっぱな老犬です。
私たちは、さくらを迎えて後悔した事はありません。

さくらを迎えてからの主人ですが
まさに溺愛です。
会いたくて仕事からも真っ直ぐ帰ってきます。
さくらの足先の毛のカットもプロ並み⁉︎になっています。

――さくら――

側にいてくれてありがとう。お母さんの子になってくれてありがとう。
さくらのおかげでお母さんの毎日も楽しいよ。 これからもよろしくね。

 

――さくらがうちにくるまで|おしまい――

うちの子がうちにくるまで|No.48
犬の名前:さくら
犬種:ミニチュア・ダックスフント
飼主:お母さん(うり)
 
うちの子がうちにくるまで、とは
愛犬を家に迎えるまでの葛藤を、飼い主自身が、自分の言葉で綴ったエッセイです。
こんな効果もあります:愛犬、愛猫を今すぐ100倍可愛くできる、最も簡単な方法
 
犬や猫と暮らすあなたへ

『うちで飼えるかな?』
『きちんと面倒を見られるかな?』

犬や猫を、”はじめて”飼う時、ほとんどの方はこう思ったことでしょう。
平均年齢でいえば、15年も生きる小さな命を預かるのだから当然ですね。
我々はそこで大きな決心をし、葛藤を乗り越えたからこそ、今、犬や猫と暮らしています。

どうかその思いを、忘れないでください。
その時の思いがあれば、我々はどんな時でも犬や猫と暮らしていけます。

【飼えるかなより

――うちの子がうちにくるまで・次話――

先代犬を亡くしてペットロスだった作者。
たまたま娘さんと出かけた夏祭りで、トイプードル専門店を見つけました。
大きなサークルの中には、ブルブルと震えている、見たことのない犬種の子が――
「抱っこして良いですか?」
そう娘さんが訊ねました。

――うちの子がうちにくるまで・前話――

第一子を流産し、毎日泣いていた作者。
そんな私に、ご主人が「犬を飼おう」と言ってくれました。
子供の頃から作者は、犬が大好きでした。
犬種も決めないで行ったペットショップ。
そこには何故か半額程の値のついた、コロコロとしたビーグルがいました。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――うちの子がうちにくるまで、第1話です――

昔からいつかはワンを飼いたいと、ずっと夢見ていたんです。
でも、夢と現実の差はでっかいですよね。結局はずっと、実現できずじまい。
――そんな夢を叶えた飼い主さんのお話。
犬との出会いは運命に似ています。

うちの子がうちに来るまで

猫の多頭飼いしていた我が家。
そこにはじめて迎え入れた犬が、レイちゃんでした。
レイちゃんは素人繁殖で生まれた子。保健所に持ち込まれる寸前でのことでした。

作者が初めての犬を飼い始めてから3カ月後のこと。
散歩から帰ったご主人が言いました。
「へその緒がついた子犬が捨てられていた」
草むらには本当に「生きたい、生きたい」と鳴く2匹の子犬がいたのでした。

 

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