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【犬の交配と出産】子育てから譲渡まで ~振り向けば子だくさん(2/3)~【さくらの子育て数え歌】

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犬の出産のこと、ご存知ですか?
振り向けば子だくさん

撮影&文|ぶん太ママ 
 
このお話は

犬の出産は楽だと考えがちですが、そうではありません。
さくらは5時間もかけて、4匹の子供を産みました。そして次は子育てです。

ここで大事なことが1つ。出産は可愛い子犬の姿を見て終わりではありません。
最も大変なことは、全ての子犬たちの行き先を考えることです。
さて、生まれてきた子犬たちは、その後どうなっていったのでしょうか?

こんな方へ:
愛犬に子供を産ませようと思っている|自分で子犬を取り上げたい|どんなことに気を付ければいいのか?|多頭飼いをしたい||経験者の体験談が聞きたい

 犬の出産とは

犬は1回の出産で、3匹~7匹くらいの子犬を産みますが、簡単に次から次へと産み落とすわけではありません。1匹目を産んでから2匹目までには、ある程度時間が必要です。3匹目、4匹目もそうです。

さくらが2匹目を産むまでの間は、我が家では初乳をあげさせました。
“あげさせた”という表現は、さくらも初めてのことで、どうしたらいいかわからない状態なので、飼い主がそれを手助けしてあげるのです。 

 

 2匹目の出産

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第1子授乳

 

一般的には、次の陣痛がすぐにこない場合は母犬を横にして、子犬がおっぱいに吸い付きやすいようにしてあげます。母犬は次の出産の陣痛がくるまで、1匹目を抱きかかえてお乳を与えるのと同時に、子犬の体温が下がらないように温めてあげるのです。

私たちは次の子犬たちのために、温かくしたタオルでさくらのおっぱいマッサージをして、母乳が出るのを確認しました。

やがてさくらには破水がありました。陣痛がきているようでした。

次の子を出産するためには、先に生まれた子犬をさくらから離れなければなりません。子犬は体温調節が難しいので、予め用意したヒーターの上のタオルに避難させました。

そして生まれたら、先に書いたように羊膜を破って、へその緒を切ってと、一連の処置を済ませたあとで、先に生まれた子犬と共にさくらの元に戻します。

 

 3匹目の出産

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3匹目の子だけは他の子たちよりも小さくて、出産後にすぐに泣かなかったので焦りました。

羊膜をすぐ破り、へその緒の処置をすぐに済ませ、さくらから離し、口と鼻の羊水を吸い取ったり、こすったりして刺激を与え、なんとか息をしてくれるようになりました。

その時のことは、今でも覚えてます。
実はこの子が一番小さく生まれ、その後、一番大きく育ちました。

先にも触れましたが、犬は安産の象徴のように言われますが、さくらの出産が楽だったのかどうか、私にはわかりません。でもきっと、順調なほうだったのではないかと思います。

へその緒が首に巻き付いたり、逆子だったりということはなかったし、途中から帝王切開に変更することなく、自然分娩で最後まで頑張れたのですから。

私も母も犬の出産に立ち会うの初めての経験でしたが、獣医さんのバックアップ体制もあって、安心して5時間もの長時間を乗り切ることができました。

そして出産が終わった後のさくらですが、体内に残ったままの胎盤を排出するために、最後に獣医さんに子宮を縮める注射を打ってもらいました。

これがさくらの、1回目の出産でした。

さくらは5時間かけて4匹の子を産みました。

出産時間
1匹目|13時30分 オス(小次郎)134g→後に一郎に改名
2匹目|16時15分。メス(リップ)178g
3匹目|16時38分。オス(大和)102g
4匹目|18時45分。メス(皐月)140g

 

 その時、ぶん太は

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さて、女房のさくらが出産の間、亭主のぶん太はどうしていたのかと思われるかもしれませんね。ぶん太はこちらの様子が分かる隣りの部屋で、隔離状態でした。

何しろぶん太が近づくと、さくらが興奮してしまいましたので。

それからのさくらは、誰が教えるでもないのにしっかり母となり、子犬を抱きかかえおっぱいをあげてました。ゲージから一歩も出てこようとせず、トイレにも行こうとしなかったので、私は心配になり、気分転換で少し自宅の周りを歩かせて、トイレを済ませたら、速攻で自宅に戻りました。

 

 出産が終わって

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出産を無事に済ませて――

飼い主としては本当にホッとしました。何よりも、さくらも4匹の子犬たちも無事だったことを神様に感謝しました。

3匹目だけは、泣かなかったので少々焦りましたけれども――

妊娠中にさくらのお腹の中で、胎動を感じたときも感動しましたが、出産後に子犬がおっぱいに吸い付く姿もまた感動的で、感無量でした。さくらも子犬もすごいなぁと感じました。

私はこんなにも近くで、命の誕生を感じられたのです。

出産に立ち会ったことで、これからは母犬さくらだけでなく、せっかく生まれた小さな命を守り、無事に育て上げなくてはとい覚悟も出来たと思います。

 

 先生もびっくり

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自宅に迎えてから、わずか8ヶ月後に出産したさくら。
いずれはとそういうこともあるかもしれないと思ってましたが、予期せぬ出産に、病院の先生もびっくりでした。

改めて思えば、さくらを迎え入れてから1年も経たないうちに、2匹から一気に6匹(子犬4匹)の世話をすることになったわけですから、思いがけない妊娠から、出産、子育てという4ヶ月間は正に怒涛の日々で、あっという間に過ぎていきました。

大変でしたが充実していて、今振り返っても本当に楽しかったです。

2匹連れて散歩に出とき、同じように雄雌を飼っている方に『どうしたら交配できますか?』という質問を受けたときがありました。
私はその時に初めて、雄雌を飼っても妊娠出産までにいかないことを知りました。

獣医さんによると、雄雌を飼っていても、自然な出産には至らないケースもままあるようです。
「初めて同士で、初ヒートで妊娠するなんて、2匹が仲良く相性が良いんだね」
と獣医さんに言われ、「本当にこの2匹は仲が良いんだなぁ」とうれしく思いました。

 

 出産の次は子育て

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少し育った子犬たち

 

さて、さくらの子育てですが、さくらは子犬によくおっぱいをよくあげてました。
しかし子犬たちのおっぱい争奪戦が激しいので、小さくて弱い子は、なかなかお乳が出るおっぱいに吸い付くことができません。

そこで私と母はさくらにご飯をあげた後は、『おっぱいタイム』と称してソファーの上にさくらを横にさせ、私たちが介助しながら、小さい子から順によく出るおっぱいに吸い付かせるようにしました。

授乳のあとゲージに入れると、さくらはトイレを促すように、おしりなどをなめて刺激させてました。それを見て私たちも手伝ったものです。

ゲージはある程度の高さまで、段ボールで囲み保温と子犬が柵に挟まらないように気を使いました。

夜は、産まれたばかりのときはベビーベッドにいれて寝室に子犬を連れて行き、さくらをその中で寝かせたり、ゲージの前に布団を敷いて、ある程度大きくなるまで見守ってました。

ぶん太の方は子犬に興味があるようでしたが、この時期にはオス犬には特に何ができるという訳でもありません。ぶん太にも同じ大きさのぬいぐるみを与えて紛らわせてました。

 お乳の次は離乳食

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子犬に歯が生えてくると、さくらはおっぱいを吸われるのが嫌になってきたようで、ゲージには入るものの、子犬からは逃げてました。

そして子犬たちはもう離乳食への切替です。
さくらは子犬が食べ終わるの確認すると、自宅内に設置してあるさくら・ぶん太用のトイレまで用を足しに行くのですが、次第にその後を、子犬が付き従うようになりました。

教えたわけでもないのに、段差の上り下りもこなしていて、気が付くと大人用のトイレに子犬が用を足しているときがあり、びっくりしました。

離乳食が始まってからは、夜はさくらには子犬のゲージに入れないようにしました。さくらが夜中ゲージに入ると一斉に騒ぎ出し大変なことになったからです。

さくらも少しは気になるようでしたが、夜はゆっくり私たちの寝室で一緒に寝かせてあげました。

離乳食を与え、それぞれの食べっぷりを確認したり、少しずつ成長するにつれ、リビングを自由にさせて手を叩いて『おいで!』と言って、運動や練習をしながら遊ばせました。ゲージも成長と共に大きさを変えて、拡張していきました。

少し遊んではゲージに入れてトイレをさせ、また遊ぶということを繰り返しました。

この時期一番大変なのが、トイレ掃除です。

赤ちゃんのときは、すべてさくらが舐めてきれいにしてましたが、ある程度成長したらそうもいきません。1匹が用を足せば、また1匹。きれいにすれば、また汚す。急いで片づけないと踏んづけて大変なことになりました。朝起きたときと、食事の後は子犬から目が離せません。

この頃はすでに爪や足裏の毛が邪魔になっているので、清潔に保つためと歩行のために自宅で切ってました。

ぶん太とさくらは外に散歩に連れて行きましたが、どうしても子犬が気になるので足早に帰ってきました。

 

 飼い主にとっての子育て

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経験してみて分かるのですが、実を言うと出産までの2ヶ月より、生まれてからの2ヶ月のほうか飼い主は忙しいです。

例えば、
――断尾はいつすればいいのか?
 (プードルは、伝統的に断尾をします)
――子犬はちゃんと平等におっぱいを飲んでいるか?
――体重は増加しているか?
――目があくのはいつか?
――離乳食はいつから始めるか?
などなど

しかしこれらを全て書いていくと、きっと本一冊分になってしまいます。
大事なお話だけ抜き出して、また別の機会にまとめたいと思います。

  

 里親探し 

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その後、4匹の仔犬がどうなったかと言うと、実は6月6日(生後11日目)の時点で、4匹全ての子の里親が決定していました。

実は犬の出産では、生まれた子犬の行く先を決めることも大事なことです。
ここのところを無計画に進めてしまうと、不幸な犬(捨て犬や、保健所に持ち込まれ殺処分など)を増やす結果になってしまうからです。
子犬の行き先を決められないならば、全てを自分で終生飼育するのが大前提です。その覚悟がなければ、素人が愛犬の交配をすべきでないと思います。

とは言うものの――
思った以上に順調に子犬の譲渡先が決まったことは、正直言うとさみしかったです。
自分で取り上げた4匹のかわいい子犬を、2か月育てた後には、里親さんに引き渡さなけれならないのですからね。
そしてそれと同時に、ちょっと責任も感じました。だって、迎える方は仔犬を楽しみに待っているのですから。

 

 本当のことを言えば 

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本当のことを言えば、私は1匹残したかったのです。
しかしどの里親さんも、普段から親しくさせている方でしたし、特に3匹は自宅の近く の方で、内1匹は隣のお宅。もう1匹は4匹目の出産の手伝いに来てくれた、高校生の女の子。きっとどの方も仔犬を大事にしてくれると思うと、あきらめがつきました。

それと全ての子を手放したのには、もう一つ理由がありました。
聞けば母犬と仔犬を一緒に飼うと、母犬はいつまでも ”母” として存在してしまい、自分よりも子犬を優先してしまうのだそうです。

1歳にもならない幼いさくらには、それはちょっとかわいそうかなぁと思いました。
まだまださくらには、私たちに甘えさせてあげたいと思ったのです。

ここで里親に関して、もう一つ大事なことをお伝えしておきます。

子犬を里子に出す場合ですが、法律的な縛りもあるので要注意です。
ブリーダーさんに確認したところ、我々一般人は、無償で里親募集をすることは問題がないそうなのですが、有償譲渡は年間一頭のみという制限があり、二頭以上は動物取扱業者の資格が必要となります。

素人が自分で繁殖させた子犬を販売するケースは、時折ネットで見かけることがあります。またそれを仲介する業者もいるようです。それらは違法行為なのでお気を付けください。

 

 寂しくなった我が家

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慌ただしかった子育ての2ヵ月が過ぎると、4匹の仔犬たちはそれぞれ里親さんのお宅に引き取られていきました。そして我が家は元通りの、ぶん太とさくらの2匹との暮らしに戻りました。

急に寂しくなった我が家で思ったこと。
先にも書きましたが、子育ては大変でしたが充実してました。そしてその子育ての過程では、ぶん太とさくらが仲が良いことも改めて実感しました。

1回目の出産の時系列(平成5年)です。

3月17日 さくら初ヒート
3月26日 交配の可能性あり(母目撃)
    【予定日5月28日(63日目)】
4月23日(4週目)超音波検査(妊娠確定)
5月8日  (6週目)定期検査(3~4頭の可能性) 
5月21日 朝の体温 37.6℃ 昼の体温 37℃
さくらにミルクを与えるものの、吐き出す。
出産近いかもと思い、緊張する。
最終レントゲン検査により、4頭確認。
5月22日 結局、何事もなく過ぎる。午前中に再度診察。
子犬が下がってきている
→出産近いことは間違いないとのこと。
夜にもう一度、診察。
陣痛促進剤を打つか悩んだが、予定日までまだ日にちがあるのと、母子共に異常が見られるわけではないので、このまま帰宅。
5月26日 出産。

 

――振り向けば子だくさん|つづく――

作:ぶん太ママ

――次話――

2度目の出産のお話です。
しっかり計画して迎えた3度目のヒート。
妊娠が確定した時には「やった~、すごいね」と、さくらとぶん太に声を掛けました。生まれたのは6匹。
「できれば1匹はうちに残したい」
そんな作者の願いは、叶ったのでしょうか?

――前話――

「うちの愛犬の子供が見てみたい」
そう考えたことはありませんか?
筆者は先代犬で考えました。真面目にお相手探しをした時期もあります。
なかなか実現しない夢なのですが、きちんと取り組めば出来ない事ではなさそうです。
さて、作者はどうしたのか?

まとめ読み|うちのサクラちゃん②
この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。

www.withdog.site

 女房のさくらがうちに来るまで

出会いは突然でした。
1年前に飼い始めたぶん太で、トイプードルの魅力にはまってしまった私。
おやつを買おうと入ったペットショップに、その子はいました。
レッドカラーの女の子。美人系でなくてかわいい系の――
私の心はもうメロメロでした。

 ぶん太がうちに来るまで

愛犬の名は、菅原文太さんに因んだもの。
体調を崩した私を励まそうと、家族に迎えた犬でした。
ちんくしゃだった小さなトイプードルは、やがて名前通りの犬に育っていきました。
頑固で短気で喧嘩ぱやいのですが、女房のさくらには優しい犬に。

 

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