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【癲癇|てんかん】発明、ソフトキャリーバッグ(後編) ~発作は嫌いよ(21/31)~

【関連コンテンツ】

ピーチーの闘病記:癲癇てんかん)編
ピーチーの癲癇闘病記

撮影&文|高栖 匡躬 (写真は本記事のテーマ、ソフトキャリーバッグ)
 
当時を振り返り

ピーチーを病院に連れて行くために思いついた『ソフト・キャリーバッグ』。

早速次にタクシーを呼んだときに試してみました。結果は記事をご覧下さい。
病気は深刻ではありましたが、飼い主が悩んだからと言って治るわけでもありません。なるべくその病気と長く付き合えるように、肩ひじを張らないで行こう。頑張らないで自然体でいこうと思っていました。そして楽しくいこうとも。

 当時のブログより 

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※文体は執筆当時のままです。

前回に続いて『ソフト・キャリーバッグ』のお話です。
このソフト・キャリーバッグが実現するまでには、少しだけ曲折がありました。

このバッグは愛犬を安全に運ぶためのもの。何でもいいというわけにはいきません。
では、どんなバッグならいいのか?

 

 ソフト・キャリーバッグの要求仕様

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以下がこのバッグに求められる要求仕様です。

【要求仕様】

1.ピーチーが入れるほどのサイズである事
2.ピーチーを入れたままでも持ち上げられる堅牢性
3.バッグの上から、しっかりと抱きしめることができる柔軟性
4.万が一、オシッコをしても外には染み出さない耐水性
5.汚れても傷がついてもお財布が痛くない、ほどほどのお値段

 

 

 早速試してみた

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すぐに思いついて買ったのは、世界最大の家具量販店 IKEAのショッピングバッグ(大)でした。

これがIKEAのバッグ
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超コスパ

これならもし汚れても、買い直せば良いから安心です。何故なら価格は驚きの100円ですからね。 我ながら良い思い付きです。

しかし、ピーチーをこのバッグに入れてみたところ、早々にうちの奥さんからダメ出しです。

「ブルーシートに入れて、飼い犬を山に捨てに行くみたいね」

うーん、確かにそうです。

IKEAは機能を満たしてはくれますが、他人からはきっと愛犬を粗末に扱っている”鬼のような飼い主”にしか見えないでしょう。もしかすると別の意味で、乗車拒否されてしまうかもしれません。 良いアイデアと思ったのに――

そうこうしているある日、仕事に行っていたうちの奥さんが「良いものを見つけた」と言って帰ってきました。

それは、ピーチーにお似合いの可愛いピンクのバッグでした。

ピンクのバッグ
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ピーチーにお似合い

我が家の最寄り駅、新横浜駅からの帰り道にある『新横浜プリンスペペ』の催事場で、ハワイアン・フェアーというのをやっていて、最終日に売れ残ったバッグを安売りしていたのだそうです。

早速ピーチーを入れてみると、ジャストサイズではありませんか。

こうして遂に『ソフト・キャリーバッグ』(犬用)が実現したのです。

特長は
バッグに取って付けたような頭

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素敵です

早速、先日ピーチーが発作を起こした際に、前回困ったことになったあのタクシー会社を呼んでみました。

こんなやりとりになりました。

僕:すいません、一台お願いします。

タ:8分ほどで参ります。

僕:病気の犬を病院に運びますので、犬が大丈夫な運転手さんをお願いします。

タ:ケージにいれていただければ大丈夫です。

僕:専用のキャリーバッグで運びます。

タ:それなら大丈夫です。

バッチリです。

タクシーの運転手さんも、最初は目を丸くするものの、面白がって後部座席に座る僕たちに話し掛けてきました。

ああ、よかった。

バッグの中のピーチーは少し暑いみたいですが、ちょっとの間だけの辛抱です。

ピーチーは暑がりなのです
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暑がり&寒がりのブルテリア

ソフトキャリーバッグはDVMs(動物病院の名称です)でも、待合室で注目の的です。
皆さん面白がってくれています。

どうやらビジュアル面でも成功したようです。
僕は”鬼のような飼い主”とは思われていません。

遠目に見ると、こんな感じになります。

素敵でしょう?
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当のピーチーもご満悦のようです
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これは病院から帰ってきたところ。
タクシーを降りたら早速バッグから出てくるピーチーです。

ああ、暑かった
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お疲れ様、ピーチー

ピーチーがエスパー伊藤の袋芸を真似したのには、こんな深い事情があったんです。
最後に、世紀の大発明をもう一度ご覧ください。Woof!

ソフトキャリーバッグ
ソフトキャリーバッグ
世紀の大発明

 

――癲癇闘病記・発作は嫌いよ(21/31)つづく――

文:高栖匡躬
 ▶プロフィール
 ▶ 作者の一言
 ▶ 高栖 匡躬:犬の記事 ご紹介
 ▶ 高栖 匡躬:猫の記事 ご紹介

――次話――

発作は嫌いよ|22/31

頓服で飲み始めたイーケプラでしたが、効果を実感しました。
それ以前の経過からすると、著効と言ってもいいくらいです。
全ての犬や猫に同じとは思えませんが、当時は新薬で情報が乏しかったために、
情報共有の目的で実際に使用した感想をまとめました。

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――前話――

発作は嫌いよ|20/31

通院でタクシーを使う際――
ほぼ間違いなくケージに入れて下さいと言われます。
入れないと乗車拒否に遭うことも。
しかし癲癇の場合は問題が――
発作後は足元がおぼつかず、時に興奮状態で暴れることもあってケージは危険なのです。
そこで思いつきました。

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――この連載記事の初回です――

発作は嫌いよ|1/31

我が家の愛犬、ピーチーの癲癇闘病記です。
それはある日突然の発作からはじまりました。
予備知識もなく駆け込んだ救急病院。
発作は1回限りのものかもしれず、まずは様子見だそうです。
――僅かな希望
しかし、発作はその後も繰り返し襲ってきました。

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