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【癲癇|てんかん】7月26日 今日はイマイチ、こんな日もあるさ ~発作は嫌いよ(30/31)~

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ピーチーの闘病記:癲癇てんかん)編
ピーチーの癲癇闘病記

撮影&文|高栖 匡躬 (DVMsにて)
 
当時を振り返り

前日には体調が良かったのですが、この日はまた大発作が起きました。
これまでは発作の前には可愛いという法則がありましたが、これも似たようなパターンなのかもしれません。

初めての大発作が4月9日で、まだ3か月半ほどしか経っていません。
治療(投薬)に入ったのが5月4日の2度目の大発作以降なので、闘病を意識するようになってからは3か月弱。渦中にいる頃には、もう何ヶ月も癲癇と付き合っているような気持ちでしたが、こんなにも早く悪化していたのかと驚くばかりです。

 当時のブログより

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※文体は執筆当時のままです。

今日のピーチーは、DVMs動物医療センター横浜で、脳神経科の診察を受けることになっていました。

15:30分の予約で、そろそろ出かける準備をしようとしていた14:00頃。
突然お風呂で『ドタン、バタン』の音。
ピーチーにてんかんの大発作が来てしまいました。

今日は朝からピーチーの目がキラキラしていて、可愛かったので、嫌な予感はしていたのですが、まさか家を出る直前に発作とは……。
DVMsに電話を掛けて指示を仰ぎ、早めに行くことにして準備をします。

タクシーが来るまでの間、ピーチーがブリ―ランをしないように、しっかりと抱きしめます。そうすると、幾分かピーチーも安心するようで、おとなしくしてくれます。

病院に出かけるときは、いつものように、『ソフト・キャリーバッグ』です。
割と深刻な状況なのに、この姿には和んでしまうから不思議です。

ソフトキャリー・バッグ
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バッグに入ると観念するのか
嫌がって暴れたことはありません

今日はとりわけ暑い日なので、ピーチーをいつものように、タオルでくるんでバッグに入れるのは可哀そう。保冷剤を2個、タオルでくるんで下に敷いてやりました。夏バージョンの『クール・ソフト・キャリーバッグ』です。

夏仕様のソフト・キャリーバッグ
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クーラーバッグ入り

ピーチーも何度も発作が来ているので、初めの頃のような不安感はないみたいです。
また、イーケプラの服用後、発作が幾分軽くなっていることと、重積をしなくなっているのが救いです。

DVMsの待合室です。ここまできたら、もう発作はすっかりと治まり、体の震えも止まっているので、とても先ほどまで暴れていたとは思えません。てんかんは不思議な病気です。

大発作が収まってしまうと
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ケロッとしています

獣医師との面談の結果、てんかんの発作自体は悪化しているとの見方で一致しました。イーケプラの効果は実感するものの、その投与が切れて2日ほどで発作が来るようになったことは、発作の頻度が高まっていることを示しています。

まずは1クール3日の単位で与えていたイーケプラを、連続投与に切り替えるとともに、一度投与を中止していた臭化カリウムを再投与することになりました。
臭化カリウムの血中濃度が安定するまでの3か月は、ゾニサミド+イーケプラ+臭化カリウムの3剤投与を行い、経過を見ることになります。

また、MRI検査で病変が確認されなかったにも関わらず、てんかんが悪化の方向にある事実は、脳炎の可能性が未だ否定できないことも意味します。もしも3剤の投与にもかかわらず、発作の頻度が増すか、或は病状に変化が無いようであれば、試験的に脳炎の治療を行ってみるという選択肢が浮上してきます。

本来であれば、てんかんの原因が脳炎であり、その治療で根治できるというシナリオが理想的なのですが、脳内を目視できない以上は、断定的な脳炎の診断はできません。
つくづく、難しい病気なのだと実感します。

 

――癲癇闘病記・発作は嫌いよ(30/31)つづく――

文:高栖匡躬
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――次話――

発作は嫌いよ|31/31

癲癇としての闘病記の最終話です。
当時新薬だったイーケプラでかなり発作は抑えられていました。
その時の治療内容をまとめています。
実はこの後、ピーチーの闘病は新しい展開を迎えます……
劇症肝炎の発症――
自己免疫不全との闘いが始まったのです。

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――前話――

発作は嫌いよ|29/31

闘病中の調子は良かったり悪かったり。
その1つ1つのことで、飼い主の気持ちはいちいち浮き沈みするものです。
この日は調子が良かった日。
今、当時の写真を見ると、良いと言ってもこの程度だったのかと思います。
でも、嬉しかったなあ。

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――この記事の初回です――

発作は嫌いよ|1/31

我が家の愛犬、ピーチーの癲癇闘病記です。
それはある日突然の発作からはじまりました。
予備知識もなく駆け込んだ救急病院。
発作は1回限りのものかもしれず、まずは様子見だそうです。
――僅かな希望
しかし、発作はその後も繰り返し襲ってきました。

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