ろくすけの闘病記:癲癇(てんかん)1話
初めてのてんかん発作についてです。ここから始まったんだなぁ…
こんな方に:愛犬が癲癇(てんかん)|突然の発作でどうしていいか分からない|この先の経過が不安|他の飼い主さんはどうしているの?|経験者の話を聞きたい
2015年3月15日 午前3時 初めての発作
この日、ろくすけは初発作を起こし、深夜に痙攣が始まった。
すぐにてんかんだと判断し、時間をカウントする。
3、4分して痙攣が止まったと思ったら 吠えたことがないろくすけが 吠えた。
「ワオーン ワオーン ワオーン」
1分以上は連続して吠え続けた。
ろくすけの声ってこんな声だったんだ。ちょっとハスキー。
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痛いというわけでなく、何が起きてるか分からなくて、パニックで訴えてるようだ。
吠え終えると、今度はよたよた歩こうとした。
しかし、目が見えないようであちこちぶち当たる。
壁や物にぶち当たるたびに、パニックでよじ登ろうとする。
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何とか止めよう、抱えようとするが、ろくすけは余計にパニックになって逃げる。
もともと触られるのが好きでないので失敗。
部屋に閉じ込めてリードをつけ、ぐるぐるし続けるろくすけを傍で見守る。
たびたび庭に出すがおしっこもうんちもせず。
ただ――、歩く、歩く、歩く。
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少しずつ動きは鈍くなるが、落ち着く気配のないまま朝を迎えた。
このころ、水を染み込ませたドライフードを数個口に入れたら、――食べた。
追加すると、それも食べた。
食べっぷりもいいじゃないか。希望が出てきた。
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4度目の庭出し ぐるぐるの8週目でやっと出た おしっこ!
ろくすけの足がぐらぐらなので手で支えたら、してくれた。
めちゃくちゃ嬉しかった。
高齢で検査はできない
職場に午前中休むと連絡し、朝いちばんで車に乗せ動物病院へ走る。
先生の口から 脳神経(脳腫瘍)、痴呆、てんかん、毒物の摂取等のワードが――
「殺虫剤など誤飲してないですか?」
「大きな生活の変化がありましたか?」
しかし高齢であり検査はできないということで、脳圧を下げ水分補給するための点滴と注射のみ。一回の発作では判断が難しいとのことで、肝臓の薬と脳圧下げるシロップだけ処方される。
あれだけ病院が怖いのに、妙に大人しいろくすけが痛々しい。
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――帰宅――
私がやれやれと座ると、ろくすけは隣によたよた座るが眠らない。
というより、眠たくてしょうがないのに、眠れない感じ。
ただ動き回ることはないので、母に見守りを託して、後ろ髪引かれながら仕事へ。
仕事が終わりダッシュで帰り、母に様子を確認すると――
やはり熟睡せず、うつらうつらしていたとのこと。
でも発作はなかったのでまずはひと安心。
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その夜は早めに、一緒に布団に入る。
夜中ろくすけは、何度か動くものの発作はなく、なんとか落ち着いて寝てくれていた。
ただ私自身が緊張しすぎて ぜんぜん熟睡できず(涙)
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――翌朝――
ろくすけはよろよろとは歩けるが、相変わらず足に力がなく、頭をぶるぶると振っては転ぶ。
食欲は復活し、いつもの量のドライフードを水でふやかし与えると完食。
しかも、まだ欲しそう(笑)
体を支えながら庭に出すと、発作後の初うんち! バンザイ!
顔の表情は元気がないが、一歩一歩回復してくるのがわかる。
ろくすけ、しっかり守るからね。
てんかんについて、もっと知るには
医学的な知識を交えて解説をしています。こちらもご覧ください。
『癲癇(てんかん)』
何の前触れもなく、大発作ではじまることが多い病気です。
発作の見た目が激しいので、飼い主は気が気でありません。
突発性で、1度で済む場合もあれば、何度も繰り返す場合も。
――突然の発作に驚いた(1/6)つづく――
作:きづあすか
▶きづあすか:作品一覧
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――次話――
前回発作から約2か月。2度目の発作が起きてしまった。
症状は初回とほぼ同じ。
癲癇の診断は1度では難しい。
だからこの2度目で確定診断となり、薬を処方された。
その名は、ぞ・に・さ・み・ど
――なんか、おどろおどろしいね。
さあ、薬を飲もう。
――前話|はじめに――
今日から、きずあすかさんの愛犬、ろくすけ君の闘病記を連載します。
病名は癲癇。ある日突然に発症しました。
「あの病態は、飼い主の心を乱します」
その言葉に、経験者の方は皆うなずくことでしょう。
初回は、闘病記を残す理由です。
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この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
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闘病を考える
愛犬の闘病で悩む飼い主さんは多い。
それは見えない不安が、心にのしかかるから。
これからどうなる? いつまで続く? 医療費は?
見えないものは仕方ない。しかし、見えているものはある。
不安に怯えるのではく、どうか前向きに。
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闘病記のヒント
闘病の奇跡は呼び込むもの
闘病記を読むと、奇跡的に治るという表現に時々出会います。
しかし奇跡は、待っていて起きるものではありません。
奇跡が起きる確率は、努力で上げることができます。
医師まかせにせず、とにかく情報を集めて分析する事です。
その中に、もしかすると答えがあるかもしれません。
セカンドオピニオンと二次診療
街の獣医師の技術と経験には大きな差があります。知識にも差があります。
なぜなら街の獣医師は、内科医であり、外科医であり、犬や猫だけでなく、ネズミも鳥も診察するのが役割です。病気ごとの専門医ではないのです。
セカンドオピニオンと二次診療は、街の獣医師の足りない部分を埋める、重要な手段と言えます。
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出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。