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【癲癇|てんかん】大好きなフード食べないの? ~発作は嫌いよ(6/31)~

ピーチーの闘病記:癲癇てんかん)編
ピーチーの癲癇闘病記

撮影&文|高栖 匡躬 (扉の写真は小さい頃のピーチー)
 
当時を振り返り

前話では癲癇の大発作の後で、しつけが取れてしまった事例をご紹介しましたが、今回も発作後の困った行動について書いたものです。

これは病気の後遺症とは違う性質のものなのですが、ピーチーは大発作の苦しさと、薬の不味さに、食べ物の記憶がつながってしまって、大好物だった食べ物が嫌いになってしまったのです。やがてそれは大好物だけでなく、いつも食べているドッグフードにまで波及していきました。

言うまでもありませんが、食事はバイタルに直結するものですから、大問題です。
後になって考えると、その理由は自分でも納得できるものですが、当時は癲癇とフードを関連付けて書いた記事や体験談がありませんでした。

ご参考になれば幸いです。

 当時のブログより 発作後に困ること - フードを食べない

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※文体は執筆当時のままです。

前回書いたしつけが取れる問題に加えてもうひとつ、てんかんの発作の後で困ったことがあった。それは、食いしん坊だったピーチーが、大好きなフードを食べなくなってしまったことだ。

これは発作が直接的な原因ではない。
理屈としては下記のような感じだ。

抗てんかん剤として一般的(と聞かされた)ゾニサミドは、どうやらとても不味いらしい。それが問題の根源である。

ピーチーは毎朝、毎晩飲んでいる薬がある。詳しくは機会を改めて書こうと思うが、実は3年前に、膵炎から胆管閉塞を併発して死にそうになり、それ以降、ずっと飲んでいる薬だ。これまではフードの上にお豆腐をひと欠片だけ乗せてやり、そこに薬を差し込んで、上から大好きな鰹節を掛けたやったら、喜んで食べてくれていた。

しかし、ゾニサミドはそれらを――、大好きなフード、大好きなお豆腐、大好きな鰹節の3点セットを、蹴散らすほど、断トツで不味いみたいなのだ。

最初のうちは嫌々でも食べてくれていた。見た目にも嫌がっているのが分かるので、鰹節を増量してやったり、鰹節を掛けたお豆腐を手から食べさせたりして、何とかしていた。

それがある日突然に、一切食べることを拒否してしまった。
薬が入っていない状態でもそう。フードはもちろん、お豆腐も、鰹節も一切受けつけなくなった。頑固なピーチーだけに、こうなるともう手が付けられない。

ごはんの時間になるといつものようにお腹がすいて、『ご飯をくれ』とねだりにくるのだが、フードもお豆腐も、鰹節も、匂いを嗅いだだけで、プイとそっぽを向いてどこかに行ってしまう。

もっとお腹がすいたら食べるだろうと思って、その場に置いたままにしてみたが、一切口をつけないどころか、側を歩く時も、わざわざ遠回りするしまつだ。

実はピーチーは前述の胆管閉塞をやって以来、脂分を極力とらせないようにと医師から指示が出ていて、医師から指定された、脂肪分が最も低いスペシフィック社の『CRD-1』というドライフードしか与えていない。

そのフードを食べてくれないのだから、困ってしまう。

薬を飲まないもの困るが、ごはんを食べないでいては、基礎体力が落ちるのでもっと困る。

 

 ごはんと投薬の工夫

結局我が家で落ち着いた対処法は以下のように、ごはんと薬は一緒にしないということだ。

その1.美味しいご飯は、美味しいままでたべてもらう。

その2.不味い薬はもう覚悟して、無理やりにでも飲ませる。
    (飲ませる方法を手を変え品を変え)

その3.薬の時間とごはんの時間は少し開けて、2つが結びつかないようにする。

今、ピーチーが飲まなければならないのは、下記の薬。

・抗てんかん薬 ゾニサミド1.5錠 

・抗てんかん薬 臭化カリウム14ml 
(ゾニサミドだけでは効かないので、増薬したもの。液体なので他の食品と混ぜることができない)

・肝臓の薬 2種
(1つはウルソで現在は一般的な薬だが、当時は人間用の新薬。もう1つの薬名は失念)

・強心剤

・サプリメント ジョイントアップ
(関節の動きをスムーズにするためのもの)

薬とごはんの具体的な手順は下記だ。

1.まずは動かないように抱きかかえる。

2.口の横から針の無い注射器で、臭化カリウムを一気に流し込む。

3.すぐに口直しに、好物のバターロールパンをひとちぎり食べさせる。
  これで機嫌がよくなる。

4.さらにダメ押しで、もうちぎりバターロール。

5.肝臓の薬、強心剤、サプリメントを小分けにしてバターロールの欠片に仕込み、一口ずつ口に放り込む。

6.しばらく放置し、30分ほどしてからごはん。

ピーチーはいまだに『CRD-1』は食べてくれない。だから、これまでに『CRD-1』が欠品したときだけ使っていた、ロイヤルカナン社の『消化器サポート(低脂肪)』を食べてもらっている。

しかし、いつかはまた『CRD-1』に戻してやりたいので、本当は体には良くないのだが、ときどき『CRD-1』の上に、プロセスチーズをスライスしたのを乗せて食べさせながら(これなら食べる)、すこしずつ安心をさせていっている。

スペシフィック「CRD-1」、ロイヤルカナン「消火器サポート」

『CRD-1』と『消化器サポート』
 

 食事に関する参考記事です

実は薬と食事の関係は、後に工夫してもっと進歩しています。
以下はそれを記事化したものです。

犬が大好物を嫌いになる瞬間

病気の苦しさとの関係から、大好物が嫌いになっていく過程をまとめています。
大好物を守る大切さについても書きました。

嫌いな食べ物はスパイラルで増える

飼い主が気を付けていないと、嫌いな食べ物はどんどん増えていきます。
なんと好きな食べ物が、次々と嫌いになっていくのです。

食事と投薬は切り分けをしよう

大好物を守るには、大好きなご飯と、大嫌いな薬を切り分ける必要があります。
その具体的な方法とポリシーを、体験を元に書きました。

● ● ●

ピーチーは、本当は、
お豆腐とフードのコンボが大好きなんだけどね
お豆腐とフードのコンボ
贅沢にもお豆腐を一丁もらったときのピーチー

 

――癲癇闘病記・発作は嫌いよ(6/31)つづく――

文:高栖匡躬
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――次話――

発作は嫌いよ|7/31

『癲癇は(まず)命に関わるものではない』
それは分かっているし、段々と客観的に見れるようにもなる。
――とはいえ、飼い主の心はざわつくのです。
何度経験しても。
3度目の発作は過去最大。
挙動不審で、再度トイレの躾が取れたピーチーでした。

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――前話――

発作は嫌いよ|5/31

癲癇の大発作の後はとても困ったことがありました。
トイレのしつけが取れてしまうのです。
意識障害の1つでしょうか。
生命に関わることではないけれど、飼い主にとっては深刻です。
何しろ、家中がトイレになってしまうのですから。
さて、ピーチーは――

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――この記事の初回です――

発作は嫌いよ|1/31

我が家の愛犬、ピーチーの癲癇闘病記です。
それはある日突然の発作からはじまりました。
予備知識もなく駆け込んだ救急病院。
発作は1回限りのものかもしれず、まずは様子見だそうです。
――僅かな希望
しかし、発作はその後も繰り返し襲ってきました。

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