ピーチーの闘病記:癲癇(てんかん)編
発作がしばらくこなくて、なんとなく出口が見えてきたと思った矢先の5度目の発作。
当日は1日病院に預かってもらい、翌日に迎えに行きました。
やはり癲癇は難しい病気。油断してはいけないのだと思いも新たにしたのがこの時期です。
しかし、発作の度にトイレのしつけが取れてしまうのは困りもの。その都度トレーニングのやり直しです。段々とトイレトレーニングの腕が上達してきました。
当時のブログより
※文体は執筆当時のままです。
先程、ピーチーを連れて家に帰ってきました。
昨夜は幸いにも、重責のてんかん発作は起きなかったそうです。
迎えに行ったとき、元気いっぱいで待合室に出てきたピーチーですが、昨夜は晩御飯を食べる前に発作を起こしたので、何も食べておらず、お腹ペコペコの模様。
早速、イーケプラとゾニサミドを仕込んだロールパンをあげると、その場でペロリと平らげました。しかし、やはり発作の影響があるようで、遠近感が今一らしく、うちの奥さんの指も齧っちゃいました。
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お腹すきすき
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遠近感がないのか、指ごとパクリ
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我が家には車が無いので、病院に行くとき、帰る時はいつもタクシーです。
発作で駆け込むときには、タクシーの方が両手でしっかり抱けるので良いのですが、帰る時にはやはり車があると便利だなあと思います。
タクシーに乗る際には、ピーチーをタオルに包んでから、ナイロン素材の手提げ袋に入ってもらいます。待合室にいた他のワンちゃんの飼い主さんは、驚いて、目を丸くして見ていました。でも、しっかりと抱くにはこれが一番なんです。
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病院の行き帰りはいつもタクシー
両手でしっかりホールド
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マンションについたら、何とエレベーターが点検中で止まっているではありませんか。仕方がないので階段を歩いて上がります。
ピーチーは本来は階段が大好きです。しかし発作の後なので今日は上手く上がれません。半分は転げながらでよじ登るり、残り半分はうちの奥さんが抱いて15階まで。
帰ってきたら、お楽しみのご飯です。頭を下げなくて良い様に、フードの器は木の箱の上においてやります。
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病気になって以来、足腰が弱ったピーチー
台があったら食べやすいです
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この箱は、僕のブルテリアグッズの保管ケースで、80年代のコカ・コーラホームサイズの通箱。高さも重さもちょうど良いので、しばらくピーチーに貸してやっています。
食後はいつものルーティーンで、すぐに水を飲みにお風呂場に行って、「水道から新鮮な水を出せ」とねだります。もちろん出してはあげましたが、予想通り上手く飲めません。前の時もそうでしたが、遠近感が定かでないばかりか、蛇口から水が出ると言う事を忘れているようです。
初めは顔や頭に水を被りながらでしたが、すぐに上手に飲むめるようになりました。
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そして、いよいよ勝負の時。
それは――、帰宅後のファースト・オシッコです。
ピーチーは発作の後は、トイレのしつけが取れてしまうので、もしもそうなっていたら、もう一度トイレトレーニングのやり直しになります。
長期戦を覚悟しながら、トイレのトレーが置いてある脱衣所の扉を閉めました……
――しかし、今回の心配は杞憂に終わりました。
ほどなくして、トイレシートのど真中にジョジョジョー。
綺麗な丸い形です。ブログに載せたいくらい見事なオシッコです。
「凄いぞ、ピーチー。偉いぞ、ピーチー」
顎や胸、顔をこれでもかというくらいに撫でて、大袈裟に褒めあげて、すぐにおやつのビスケットをやります。
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取り敢えず、ここまでは順調に過ぎました。こっちも何度も経験すると、オシッコのトレーニングだけは熟練してきた気分です。
でも、ここまでの成功ごときでは安心はできません。
まだ道半ば――、夜にもトイレを上手く行かせて、ピーチーに成功を刷りこんでやらなければなりません。そしてその次は、オシッコよりも難しい、ウンチの課題が待っています。飼い主の戦いは、まだまだ続くのです……。
心配してくださった皆さん。本当にありがとうございました。
ピーチーは元気です。
ちょっとお行儀が悪くなっただけです。
――癲癇闘病記・発作は嫌いよ(16/31)つづく――
文:高栖匡躬
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――次話――
発作は嫌いよ|17/31
愛犬が病気になると、当たり前だったことが、急にできなくなったりします。
ピーチーの場合はトイレがそうでした。
子犬の頃に覚えて以来、疑うことなくその場所で用を足していたのにね。
飼い主の寂しい気持ちも知らず、ずっと寝ているピーチーでした。
――前話――
発作は嫌いよ|15/31
新薬のお陰でしばらく発作がなかったピーチー。
しかしとうとう5度目の発作が――
油断していたわけではないのですが、ホッとしていた矢先だっただけに、落差は大きいものでした。
ピーチーの発作は重積する傾向があります。
大事を取って救急病院へ――
――この記事の初回です――
発作は嫌いよ|1/31
我が家の愛犬、ピーチーの癲癇闘病記です。
それはある日突然の発作からはじまりました。
予備知識もなく駆け込んだ救急病院。
発作は1回限りのものかもしれず、まずは様子見だそうです。
――僅かな希望
しかし、発作はその後も繰り返し襲ってきました。
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