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【セラピードッグ】現役引退、それからのこと ~セラピードッグのさくら(後編)~

f:id:masami_takasu:20181229120921j:plain撮影&文:さくらママ

さくらの話、後編です。

動物が与えてくれる可愛さや癒しは、人間が生み出すことの出来ない特別なものがあります。さくらは、セラピードッグとして、小さな身体で誰にでも愛嬌を振りまき、とても頑張ってくれていたのでした。

毎晩さくらは、主人と自宅に帰ってくると、ソファの上で大きなため息をついて寝ていました。さくらなりに、かなりのストレスを感じていたのかもしれません。
いつも「お疲れ様でした」と声をかけて、大好きなオヤツをあげていました。

施設ではしっかり者のさくらも、自宅では、甘えん坊でとてもやんちゃな子でした。だから私は、せめて自宅では普通のペットととして過ごさせてあげたいといつも思っていました。

 

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さくらがそんなに頑張っていたセラピードッグも、県が認めていなかったという理由で、2年で終了することになりました。

利用者さんや施設のスタッフにも可愛がられて、精一杯勤めていたさくらでしたが、飼い主としては、セラピードッグのお仕事が終わってホッとした気持ちもありました。

実はスタッフの一部には、心無いことを言う人も居たそうです。
「利用者さんと犬が触れ合うことは衛生面で大丈夫なのか」
「職場に自分のペットを連れてきてセラピードッグをさせるというのは、公私混同しているのではないか」
そんなようなことです。

主人も私もそんな陰口に心を痛めていたので、さくらがセラピードッグをやらなくなったことで肩の荷が下りた気持ちがしたのでした。

 

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セラピードッグの仕事がなくなってから、主人と一緒に出勤しなくなったさくらは、「何で自分だけお家にいるのかなぁ」と感じていたかもしれません。しかし、さくらにとっては、自由でやんちゃな本来の姿で過ごせることになったわけです。

私はそれを、とても嬉しく思いました。

さくらにセラピードッグをやらせて良かったのか――

それについては、私にも答えが出ません。元々穏やかな性格でセラピードッグに向いていたさくらは、セラピードッグをする事で更に聞き分けのいい優しい子になったと思います。

でも、さくらに無理をさせてたかもしれない、という気持ちがどうしても拭えません。私としては、あの時セラピードッグをやめることになって良かったのだと、今は思っています。

もしも、さくらの後に新しい子を迎えたとしても、セラピードッグをやらせることはないでしょう。そのための訓練を受けて、たまにボランティアとして施設に出かける程度ならいいかな、と思いますが。

 

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うちの子に、セラピードッグはやらせたくないという思う一方で、セラピードッグ自体はとても良いものだと思っています。

犬が人に与えるものは、計り知れないものがあります。認知症や病気の人に、生きる活力を与えるのも事実だと実感することがありました。

私が、体調を崩した自分の母を引き取って自宅療養していた時、母のベットには何時もさくらが一緒に寝ていました。

具合が悪くなり入院した母は、亡くなる直前まで、さくらのことをいつも心配していました。母にとっても、さくらは大切なかけがえのない存在だったのだと思います。

 

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セラピードッグ引退後のさくら、そして今――

さくらは13歳の時ヘルニアになり、1度は回復しましたが、16歳で2度目のヘルニアを発症し、それからは自由が効かない身体になりました。しかし、どんな身体になっても、さくらはいつまでも愛おしい我が子です。

老犬となった今、さくらは毎日をのんびり過ごしています。

病院で他のワンちゃんや人間にも吠えることもなく、穏やかに接する事が出来るのは、訓練を受けたことや、セラピードッグとして沢山の人に触れあった成果でしょう。

これからは、ADL(日常生活動作)は落ちてもQOL(生活の質)を落とすことのないように、サポートしながらやっていきたいと考えています。

パピーの頃から2年間、犬にとって遊び盛りの楽しい時期を犬らしく過ごせなかったのでは、と思うこともあります。しかし過去の事を考えてみても答えなどありません。

セラピードッグをしていたことは、さくらにとってはとても貴重な経験であったことは間違いないでしょう。そしてその経験は、今のさくらに十分活かされていると信じたいです。

 

――セラピードッグのさくら(後編)・おわり――

作:さくらママ
 

――前話――

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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