犬を飼うということ

Withdog 犬と飼い主の絆について

【女房にゃ優しい】菅原文太みたいな犬生じゃない? ~ぶん太がうちに来るまで~【頑固で短気で喧嘩ぱやい】

うちの子がうちにくるまで|No.50
うちの子がうちにくるまで_犬

撮影&文|ぶん太ママ 表紙は菅原文太さんをイメージしたものです
 
今日のお話は

愛犬の名は、菅原文太さんに因んだもの。
体調を崩した作者を励まそうと、家族の気遣いで迎えてくれた犬でした。
ちんくしゃだった小さなトイプードルは、作者の家にやってきて、やがて名前通りの犬に育っていきます。
頑固で短気で喧嘩ぱやいのですが、女房のさくら にゃ優しい犬に。

こんな方に:
トイプードルってどんな犬?|今まで犬を飼ったことがない|初めて飼うのが不安|皆さんどうやって飼うのを決めるの?|経験者の話が聞きたい

 ぶん太は、はじめての室内飼いでした

今回は我が家の愛犬、ぶん太のお話をさせてください。

ぶん太は我が家にとって3匹目の子。ぶん太を迎える少し前に、私は2匹目の先代犬クロを亡くしたばかりでした。クロは元々は捨て犬だった雑種の子です。我が家ではそのクロを、外飼いしていました。

実はクロを亡くす少し前から、私は体調を崩して仕事を休んでいました。病名はパニック障害です。この病気は突然激しい不安に襲われるもので、何の前触れもなく息切れやめまいなどの発作が起きるために、外出することが難しくなるのです。

クロの具合が悪くなったのは、丁度私が仕事を暫く休もうと決めたあたりからでした。私は外出に気が進まなかったものの、クロを病院に連れて行かねばなりません。母に同行してもらい、診察中は私だけ病院の外で待っていました。

クロが亡くなったのは、そんな闘病が2~3週間続いた後のことでした。クロは自宅で息を引き取りました。

クロがいなくなると、私は無理して外に出る理由をなくしました。そして私は、自宅から一歩も出ることが出来なくなってしまいました。

この時期は自分のことで精一杯で、次のワンコのことなんて、考える余裕もありません。なにしろ病気の症状で、吐き気に襲われ一日中ベッドの中にいるのですから。

少し良くなって自宅の中で動くことができても、車、電車での移動はもちろん、買い物に行くことも出来ませんでした。こんな状態で、社会復帰が可能なのだろうかと、不安を抱えた毎日でした。

しかし幸いにも、病気は少しずつ快方に向かいました。そしてようやく仕事に復帰するできるようになった頃には、クロを亡くしてから2ヶ月、会社を休んでから3ヶ月が過ぎていました。

 

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当時はトイプードルのことは、ほとんど知りませんでした
 

弟が家でトイプードルの話をしたのは、丁度その頃のことでした。
聞けば弟と一緒に仕事している方が、職場にトイプードルを連れてきていたらしく、その子がとても可愛らしかったというのです。しかもトイプードルは毛が抜けなくて、飼いやすい犬種だとのこと。

今思えばもしかすると弟は、私のことを気遣ってそんな話をしてくれたのかもしれません。

元々犬を飼っていただけに、家族は皆犬好きです。
「毛が抜けないならば、室内で飼うのもいいんじゃないか」
という弟の声に、「次の休みに、皆でペットショップに行ってみよう」と家族全員の意見が一致しました。

「ひょっとして、うちに犬がくるの?」
というのは、私の心の中での期待の声です。家族全員でペットショップに行くということは、家族全員が次の子を迎えることに前向きということです。

きっと家族も、私を気遣ってくれていたのでしょう。当時は仕事復帰したといっても、まだ2週間程しかたっていません。傍から見たら、私はきっとまだ危うい状態だったのだと思います

 

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バリ入りのぶん太
 

さて、この頃ですが、正直言って私の頭の中には、トイプードルの具体的なイメージはありませんでした。唯一思い浮かべたのは、よく犬の図鑑などに載っているホワイトプードルの顔バリ入りの姿です。

(顔バリと言う言葉は、プードルの飼い主さんでないとピンとこないかもしれませんね。顔のところだけをバリカンで刈る、プードルの古典的なヘアスタイルのことです。最近の顔バリをしないモコモコのスタイルは、テディーベアカットと言います)

それから私はトイプードルについて調べました。弟も飼っている方から、更に詳しい話を聞いてきました。

大雑把ですが、トイプードルはこんな犬だと分かりました。

・毛が抜けない(但し、トリミングが必要)
・頭が良い(但し、気を付けないとバカにされる)
・成犬の体重は3Kg~4Kgで、体高は28㎝程度
 など……

そして調べるにつれ、私のトイプードルに対する興味も、愛情も深まっていきました。

 

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ひっくりかえる、仔犬の頃のぶん太
 

このお話を読まれている方は、『まだ会ってもいないし、まだ飼うかどうかもわからない犬種なのに、なぜそんなに熱心に調べるのか』とお思いになるかもしれませんね。

理由は簡単です。
私のような犬好きにとっては、ペットショップは魅力的な場所過ぎるのです。
だって子犬がたくさんいるんですもの。そしてどの子も可愛いんですもの。
予め飼う種類を特定して、予備知識を持って行かないと、目移りしてしまって選ぶことなんてできません。

そして――、私は犬を飼いたい。
家族がその気になっている、その千載一遇のチャンスを逃したくはありませんでした。

さて時は経ち、家族で約束した、次の休みの日がやってきました。
私達は全員でペットショップへ――

私が心に決めた犬種は、もうトイプードル1本です。今日はどんなトイプードルたちと出会えるのだろうかとワクワクしました。

しかし、ショップに入ってみると、トイプードルは僅かにシルバーの毛色の子が一匹いただけでした。しかもその子は、流行りのテディベアカットではなくて、顔バリしていて、シルバーと書いてあっても、黒なんだかシルバーなんだか分かりません。
鼻先だけシルバーで、後は黒の毛玉みたいなのです。

「ちんくしゃで、あんまり可愛くないかも」
というのが、私の第一印象でした。

 

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ちんくしゃだった、仔犬の頃のぶん太
 

抱っこもさせてもらいました。

その子は毛がフサフサというよりもボサボサで、抱き上げてみたら、予想外に軽くて小さかったです。毛で覆われているので、大きさはある程度あるのですが、手から伝わる体の感触は、小さくて骨ばっていて、これは落としたら大変だなぁと思いました。

私の浮かぬ顔を感じ取ったのでしょうか?
家族は「今ここで、一匹しかいないこの子にしなくても、もう少し待って、他の子も見てから決めてもいいのではないか?」と言いました。
でも私は、ここで「じゃあまた後日」となったときのことを思いました。

「後日っていつ?」
私はその後日が来る間に「やっぱり犬を飼うのは止めよう」と、家族が心変わりするのが怖かったのです。

私は「この子にしよう」と押しました。
家族は「本当にこの子にするの?」と何度も念を押してはきましたが、反対はしませんでした。

こうして、そのたった1匹だけの、ちんくしゃの子が家族になることが決まりました。

 

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毛が伸びてきたぶん太
 

さて、購入を決めてからのことですが、連れて帰るまでに、店員さんに爪を切ってくれるというのでお任せしたら、途中で店員さんが抱きかかえていたその子を、落としてしまいました。

小さい体(その当時、僅か680g)なので、家族皆が大丈夫なのかと心配しましたが、私は連れて帰る満々だったので、「大丈夫だよね」と言って、床に降ろして歩く姿を確認すると、「大丈夫みたい」と笑って、家族を納得させました。

ワンコの室内飼いをするのが初めての我が家でしたので、お店の方の話を聞きながら、トイレトレイやシートや、クレートなど、全てのものをこのとき揃えました。

そして最後に、ダンボール箱に入れられたその子が、私に手渡されました。

もう言うまでもありませんね。
その子が、我が家の愛犬、ぶん太です。

ぶん太は家に着いて箱から出ると、初めての場所に恐がる様子もなく、いきなりぴょこぴょこと、はしゃいでました。ひとしきりはしゃいでは、疲れて寝てしまう感じです。

名前の由来なのですが、大スターの菅原文太さんからもらったのだと言いたいところなのですが、実は良く覚えていません。特に私も弟も、菅原文太さんのファンというわけではありませんし。

今思えば、名前を呼ぶときに『ぶんた』って言うと、響きもいいし格好いいという結構安易な感じだったのかもしれません。先日弟に「何で ”ぶん太” って名付けたんだっけ?」と訊いてみたのですが、「ぶん太って言ったら、菅原文太さんだろう」っていう、よくわからない答えが返ってきました。

ということで、人から名前の由来を訊かれた時には『菅原文太さんからもらった』ということにしてあります。

 

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イケメンのぶん太
 

ぶん太はとにかく、我が家にとってはじめての室内犬ですから、厳しく躾けしました。といっても、ぶん太は頭が良かったので、すぐにトイレも覚えてくれたし、家具等もキズつけることはありませんでした。苦労はありませんでした。

小さいときは特に甘えん坊で、私がお風呂に入っているときは、私が脱いだ洗濯物の上に座って、私がお風呂から上がるのを待ってました。

1歳になる前に、ぶん太は大腿骨骨頭手術をしました。1度は地元の病院で手術しましたが、経過が思わしくなくて、続けて同じところをまた手術することになり、大学病院に入院をしました。しかし、場所が違うとぶん太は食事を取らないようで、大学病院から『地元の病院に転院させて欲しい』と連絡を受けてしまいました。

ぶん太は子犬の頃から、少々頑固なところがあったのです。

そのうちぶん太の元には、お嫁さんのさくらが、うちにやってきました。

ぶん太にとっては、小さな動くモコモコちゃんが来たという感じで、はじめからさくらに興味深々でした。多頭飼が上手くいかないケースも時々耳にしますが、我が家は次の子が女の子だったというのもよかったのだと思います。

ぶん太はとても面倒見が良く、さくらの方もまたぶん太にくっついてました。
さくらが2階に上がれるようにと、階段の上り下りを練習させていたら、その様子を見ていたぶん太がやってきて、さくらのとなりで階段を上ってくれました。

その様子をみたさくらがまねをして、さくらは難なく階段の上り下りをマスターすることができました。トイレの場所もぶん太が教えてくれまいた。

とにかく2匹は仲が良くて、あまりの仲の良さに、さくらはうちに来てわずか8カ月で、ぶん太の子供を産むことのなるのですが、ぶん太は子育てにも積極的に関わってくれました。

 

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寝姿のぶん太
 

ある程度の年齢になってからは、マイペースぶりを発揮して、眠たくなると自分で勝手に2階に上がり、私の部屋のベッドにもぐりこんで寝ていました。最初にそれをやられたときには、ぶん太が居なくなったと思い、家中を探し回った経験があります。

ぶん太は中年になってからは、短気で喧嘩っぱやい感じになりました。なので小さい子供たちには危険なので触らせないようにしてました。さくらとの夫婦仲も最初の頃のラブラブとは趣が変わってきました。

仲は良いのですが、さくらがソファーで寝ながら寛いでいると、いきなり襲いかかることがあり、「まるでダラダラするんじゃない!」と言っているようでした。

こんな風に考えてみると、歳をとったぶん太には、あれっと思うことがあります。
男っぽく頑固で短気で喧嘩ぱやい。そして女房には優しいがデレデレしない。
これってまるで、仁侠映画の菅原文太さんのようではありませんか?

名は体を表すと言いますが、ぶん太は犬生を通して、”菅原文太への道” を歩いていたのかもしれませんね。

 

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花とぶん太
 

それからのぶん太にですが、胆のう破裂、糖尿病、クッシング症候群などいろいろな病気やケガを乗り越えてくれました。

そして昨年は女房のさくらに、先だたれてしまいました。
人間と同じように、犬生も山あり谷ありです。

17歳になった今、ちょっと体調を崩してますが、それでも調子の良いときは車椅子を使って散歩の時間を楽しんでいます。外に出ると落ち着くようです。

ねえ、ぶん太――

今も十分がんばっているのはわかるけれど、それでも最期までしっかり頑張りなさい!!
男の子なんだから、ぶん太なんだから。
けんかしても、寝不足で大変でも、そばに居てあげるから安心しなさい。

今のぶん太
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まだ歩けるよ

 

――ぶん太がうちにくるまで|おしまい――

うちの子がうちにくるまで|No.50
犬の名前:ぶん太
犬種:トイプードル
飼主:ぶん太ママ
 
うちの子がうちにくるまで、とは
愛犬を家に迎えるまでの葛藤を、飼い主自身が、自分の言葉で綴ったエッセイです。
こんな効果もあります:愛犬、愛猫を今すぐ100倍可愛くできる、最も簡単な方法
 
犬や猫と暮らすあなたへ

『うちで飼えるかな?』
『きちんと面倒を見られるかな?』

犬や猫を、”はじめて”飼う時、ほとんどの方はこう思ったことでしょう。
平均年齢でいえば、15年も生きる小さな命を預かるのだから当然ですね。
我々はそこで大きな決心をし、葛藤を乗り越えたからこそ、今、犬や猫と暮らしています。

どうかその思いを、忘れないでください。
その時の思いがあれば、我々はどんな時でも犬や猫と暮らしていけます。

【飼えるかなより

――うちの子がうちにくるまで・次話――

記事の準備中です
皆様の投稿をお待ちしています。

――うちの子がうちにくるまで・前話――

子供の頃、実家には川上犬がいました。
しかし結婚後は犬のいない生活。
18年目――、離婚で取り戻したのは犬と暮らせる自由です。
「よし!飼おう!」
一大決心をして探したのは、ずっと心に残っている日本犬。
私は柴犬を、家に迎えることにしたのです。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――うちの子がうちにくるまで、第1話です――

昔からいつかはワンを飼いたいと、ずっと夢見ていたんです。
でも、夢と現実の差はでっかいですよね。結局はずっと、実現できずじまい。
――そんな夢を叶えた飼い主さんのお話。
犬との出会いは運命に似ています。

女房のさくらがうちに来るまで

出会いは突然でした。
1年前に飼い始めたぶん太で、トイプードルの魅力にはまってしまった私。
おやつを買おうと入ったペットショップに、その子はいました。
レッドカラーの女の子。美人系でなくてかわいい系の――
私の心はもうメロメロでした。

 

 

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