ろくすけの闘病記:癲癇/腎不全 14話
病を持ちつつもろくすけと協力して過ごせてると感じる日々を楽しんでいました。
7月4日 あぁ16歳
――2016年7月4日――
梅雨が明けたのか?
というくらいの猛暑日だ。しかも熱帯夜。
今から9月まで、なんとか乗り切らねば――
決意と同時に、四十肩と戦いながら、ろくすけのケアにいそしむ母ちゃん。
今日は、その成果が数字で示される日。
そう、今日は通院日なのだ。
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ろくすけが慢性腎不全と診断され、1ヶ月後に行った血液検査では、結果は悪いものじゃなかった。
「数値は悪くなってないし好ましい傾向です」
という先生の言葉を胸に、この1ヶ月は、手作り腎臓処方食を続けてきた。
ろくすけ本人も、普段と変わらない日々を過ごしている。
てんかん発作は3ヶ月以上ないのだから、そんなに悪い状態じゃないと思いたい。
でも――
ちょっと最近、油断しているような気もする。
ドキドキだ!
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で、35℃の猛烈な暑さの中、病院に――
車の冷房をガンガンに利かして、震えるろくすけを抱え、飛ばすこと15分。
かかりつけの病院は予約制。待合室に人もワンちゃんも多くないのがアリガタイ。
で、2回目の検査結果なのだが――
さあ どうでるだろうか?
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結果は、なんと1回目よりも、良い値になっていた!
CRE(クレアチニン)2.0 → 1.9 (標準値:0.4~1.4)
IP(リン) 4.7 → 3.6 (標準値:1.9~5.0)
いやはや嬉しや(涙)
CREだけが外れている――、という結果ではあるが、2ヶ月目でこんなに改善するとは思ってもみなかった。おまけに肝臓の値も、GPT、GOTは基準内に収まり、ALPだけがオーバーと改善していた。
先生は、「カリナール2の効果がよく出ていますね。そして手作り食がろくすけちゃんの体に合っているのではないでしょうか」とのこと。
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あぁ16歳、ろくすけよ。
超高齢犬だけど、本当に君の体は頑張ってくれているね。
嬉しくて、本当にホッとした。
と同時に、改めて気を引き締める。
現時点では、すべてが上手くかみ合わさっているけど、ずーっと出ていないてんかん発作だって、いつ出るかわからない。腎不全は完治するわけはなく必ず進行する。
そのことはちゃんと、頭に置いておかなくちゃならないのだ。
どこかがしんどいのかな?
当のろくすけには特別な変化は見られない。
多飲多尿は相変わらずで、オムツが離せないのも変わらない。
しかしこの気候のせいなのか、それともどこかがしんどいのか、涼しい部屋であっても息が荒いことが多くなってきている。
きっと心臓の負担も、大きくなっているんだろうな――
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先生は心臓の音を長く聴いてくれていた。
でも何も仰らなかった。
怖くて私からは聞けなかったけれど、きっと雑音はあるに違いない。
けれども、年齢のこともあるし、すぐ命に差し支えがあるようであれば何か言ってくださっただろう。
――だから、今は気にしないでおこう。
先生もそういうスタンスの方なので、これからも信頼していきます。
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腎臓病もてんかんも、治る病気でないからこそ、一喜一憂せず病と共存していく。
ろくすけ、共に頑張って夏乗り切ろうね。
ということで、今日もこれからも、腎臓の療養食を頑張って作ります。
ろくすけは足が弱ってから、危険が無いようにリビングなど安全な場所以外は、締め出しくらっている。しかしいつでもどこでも、母ちゃんのストーカーだ。
昨日、ろくすけを庭にトイレ誘導した後、洗濯物を取り込んでいたのだけど、ほんのちょっとの間に、ろくすけが消えた。
――と思ったら、家の端っこの溝に、体半分落ちてた。
そしてやっぱり、ろくすけは――
うんともすんとも言わずにだまーって、悲しい顔して助けを待っていた。
●
ごめん、ろくすけ。また目を離してしまった。
汚れた足を拭いて、我慢したごほうびのおやつをあげた。
「はい お疲れさん 休んでなさい」
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どうやら、
物足りないようだ
――発作は続くよ(8/10)つづく―
作:きづあすか
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――次話――
ろくすけの発作が出ない、最長記録を達成!
浮かれてはいけないが、嬉しい!
手作り食が効いている?
実際、手作り食にしてから発作が無い。
どちらにしても、体調を整えてくれているのは確か
ありがとう、手作り食
と作っている本人が言うのでした。
――前話――
ろくすけだが、もう2ヵ月もてんかんの発作が起きていない。
バンザイ!
がしかし、ここで喜び過ぎは禁物。
起きた時のショックが大きくなるから。
しかし、なぜ起きない?
手作りごはんにしたのが良かったか?
で、今日は、ろくすけのごはんを紹介だ。
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この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――この章の1話目です――
この年の初発作。前から2ヵ月持たなかった。。
発作は最初の頃の衝撃はないが、いつもアタフタで慣れることはない。
歩こうとするが、朦朧としてふらつくろくすけ。
”後ろ足ハーネス”が役に立っている。
私よ 平常心・平常心・・・
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――この連載の第1話です――
今日から、きずあすかさんの愛犬、ろくすけ君の闘病記を連載します。
病名は癲癇。ある日突然に発症しました。
「あの病態は、飼い主の心を乱します」
その言葉に、経験者の方は皆うなずくことでしょう。
初回は、闘病記を残す理由です。
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てんかんについて、もっと知るには
医学的な知識を交えて解説をしています。こちらもご覧ください。
『癲癇(てんかん)』
何の前触れもなく、大発作ではじまることが多い病気です。
発作の見た目が激しいので、飼い主は気が気でありません。
突発性で、1度で済む場合もあれば、何度も繰り返す場合も。
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闘病に対する考え方を変えてみれば?
闘病に対する見方が変われば、掛ける言葉も違ってきます。
以下は、闘病に対する視点について書いたシリーズ記事です。
それは限られた時間を刻むこと
愛犬の闘病で悩む飼い主さんは多い。
それは見えない不安が、心にのしかかるから。
これからどうなる? いつまで続く? 医療費は?
見えないものは仕方ない。しかし、見えているものはある。
不安に怯えるのではく、どうか前向きに。
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出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。