ろくすけの闘病記:
癲癇(てんかん)|7話~16話
カテゴリー:闘病記
作者:きづあすか
『ろくすけの闘病記』は、突如『癲癇(てんかん)』を発症した、老犬ろくすけと飼い主である母ちゃんの闘病をエッセイとして綴ったものです。
第2章は、癲癇との付き合い方が分かり始めてきながら、ろくすけに腎不全が発見され、更に後ろ足が弱っていく姿が描かれます。
前半は予期せぬ出来事に戸惑いながら、ろくすけを励まし続ける母ちゃん。
後半は、母ちゃんが作る手作り食をたべているうちに、不思議なことにろくすけの発作が収まっていきます。
このままろくすけが良くなってくれればいいのに。
――概要――
犬の癲癇(てんかん)は、およそ100匹に1匹が発症するようです。1%を多いと見るか少ないと見るかは、考え方次第でしょう。
この病気は一度発症すると、多くの場合その発作を繰り返すようになります。
一説では、癲癇の発作は時間的なサイクルがあり、10年以上のサイクルを持つ個体ならば、一生に一度も発症しなかったり、一生に一度だけということもあるのだとか。
わが愛犬のピーチーも癲癇を発症した一人(一匹)なのですが、この病気の特徴は、その発作の激しさにあると言ってよいでしょう。作者の、きづあすかさんも作中でこう語っています。
『あの病態は、飼い主の心を乱します』
そう、癲癇の発作(大発作)は見ているだけつらいのです。
本闘病記は、その癲癇との闘い(もしかしたら、つき合い)を、独自の視点で、ときに可笑しくひょうひょうと書かれていることが最大の美点です。恐らく、同じ病気と対峙する飼い主さんたちに、希望をあたえるように綴られています。
愛犬でこの病気を体験した身で言うならば、「ありがとう」と感謝したくなるような闘病記です。もしかするとエッセイと言った方が相応しいかもすれません。
できれば、うちの子の闘病のときに読みたかった……